第652話 ウクライナがキエフを死守して11日目 3月6日(日)

文字数 33,984文字

 ※平穏を取り戻す迄の間、エールを贈るべ    
 くウクライナ国旗を表紙にさせて戴きたい※

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米国の諜報活動が先んじるか千両役者の出番か
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その1
  ロシア35都市で反戦デモ、1103人拘束

【AFP=時事】ロシアの35都市で6日、ウクライナ侵攻に抗議する反戦デモが行われ、午後2時20分までに1103人が拘束された。
 独立監視団体「OVD Info」が明らかにした。反戦デモで拘束された人はこれで計9472人になった。
【翻訳編集】 AFPBB News

 3/6(日)  AFP=時事
 (c) AFPBB News
  
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その2
   米がロシアの報道規制強化を非難
  「偽情報広めようとしている」

 米国家安全保障会議(NSC)のホーン報道官は5日に声明を出し、ウクライナ侵攻を巡るロシア政府の報道規制強化に関して「報道の自由をさらに弱体化させ、偽情報を広めようとしている」と非難した。

 ホーン氏は声明で「ロシアは偽情報で国際社会を分断し、今回の危機に関するクレムリン(ロシア大統領府)の責任を隠そうとしている。人権や基本的な自由を促進するには、プーチン(露大統領)のウソを広めるプロパガンダメディアや偽情報を流す代理機関の責任を明確にするのが最善の道だ」と訴えた。

 また「ロシアの試みに異議を唱えた各国政府、米国や世界の企業をたたえる。我々はウクライナ国家と国民だけでなく、プーチンの戦争に反対の声を上げた数千人のロシア市民と共にある」と述べた。

 プーチン氏は4日、ロシア軍に関する「偽情報」や「信用失墜を狙った情報」と当局がみなす内容を広めた場合、最大で禁錮15年を科す改正刑法案に署名していた。
【ワシントン秋山信一】

 3/6(日)  毎日新聞 (c) 毎日新聞社

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その3
  【解説】ロシアのウクライナ侵攻、
   五つのシナリオ

【AFP=時事】
 ロシアによるウクライナ侵攻について、西側政府筋やシンクタンクが想定している、今後数週間から数か月間の五つのシナリオを纏めた。


 1. こう着

 先月24日の侵攻以来、ウクライナ軍は首都キエフを防衛、ハリコフ(Kharkiv)など主要都市もなお統制下にある。

 西側の情報提供や軍事支援を受けて首都を死守し、一種のこう着状態に持ち込める可能性がある。

 西側による対ロシア制裁が強化されれば、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は計画を変更せざるを得なくなるかもしれない。

 米シンクタンク、ランド研究所(RAND Corporation)のサミュエル・チャラップ(Samuel Charap)氏は「西側の制裁がてことなり、ウクライナの現政権を排除し、親ロシアのかいらい政権を樹立するという、この戦争における核心的な目的をプーチン(大統領)が放棄することもあり得る」と述べた。

 そのためには習近平(Xi Jinping)国家主席の下でロシアとの同盟関係を深めている中国の圧力が必要になるかもしれない。

 2. ロシア国内が変化

 プーチン大統領は、ロシア国内の反対意見に目を光らせている。

 独立系メディアや外国メディアに対する取り締まりは、侵攻に関する多様な情報を排除し、自身に忠実な国営メディアを通じた統制を強固なものにしようとするものだ。

 しかし、首都モスクワやサンクトペテルブルク(St. Petersburg)など各都市では、小規模ながら反戦デモが行われている。
 地元人権団体によると、少なくとも6000人が逮捕された。

 エリート層にも亀裂の兆しは見られる。一部の新興財閥(オリガルヒ)や国会議員だけでなく、石油大手ルクオイル(Lukoil)も公然と停戦や休戦を求めている。

 国内世論の反発やクーデターでプーチン政権が倒れる可能性も排除はできない。
 ただし、現時点でその可能性は低い。

 3. ロシアの軍事的勝利

 西側の軍事アナリストは、ロシア軍の装備の優位性や空軍力、火砲の威力などを考えると、進撃は今後も続くと予想している。

 プーチン氏と3日朝に電話会談したフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の側近は、プーチン氏は「ウクライナ全土を掌握したい」と考えていると語った。

 ただ、ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領を退陣に追い込み、各地の抵抗を制圧したとしても、4000万人超の人口を擁する国を占領下に置くという難題がプーチン氏を待ち構える。

 英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)の戦史専門家ローレンス・フリードマン(Lawrence Freedman)教授は「侵攻と占領は別物だ」と述べている。

4. 戦火拡大

 ウクライナは、北大西洋条約機構(NATO)に加盟している旧ソ連構成国4か国(ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ブルガリア)と国境を接している。
 NATOは、加盟国が攻撃されれば集団で防衛する義務を伴う軍事同盟だ。

 プーチン氏はかつてのソ連に郷愁を抱いており、バルト3国に住む少数派のロシア系住民の保護を打ち出している。
 更なる領土的野心の存在を疑わせるものだ。
 ウクライナの次は、モルドバが眼中にあるのではないかとの見方もある。

 NATO加盟国に直接的な攻撃を加えれば核戦争につながるリスクがあり、プーチン氏もさすがに控えるだろうとみられている。
 ただ、それ以外の挑発行動はあり得る。

 ランド研究所のチャラップ氏は、誤爆やサイバー攻撃などをきっかけとした「事故、事件、誤算によってNATO、ロシア間の戦争に発展するリスク」を警告する。

5. NATOとの衝突は

 互いに核兵器を保有するロシアとNATOの衝突は、あり得ないと考えられていた。

 だが、プーチン氏は先月末、核戦力を「特別態勢」に移すよう指示した。

 欧州外交評議会(ECFR)のミサイル防衛専門家グスタフ・グレッセル(Gustav Gressel)氏は「こうした発言は主に西側に向けたものだ。われわれをおびえさせ、社会を不安に陥れることを狙っている」と指摘。
 「核抑止力を情報戦の一環として使っているだけで、実際に使う気はない」と分析した。【翻訳編集】 AFPBB News

 3/6(日)  AFP=時事
 (c) AFPBB News

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その4
    ウクライナ南部で住民避難実施へ
    ロシア攻撃で空軍基地無力化

[リビウ 6日 ロイター]
  - ウクライナ南部のマリウポリ当局は6日、ロシア軍が停戦合意を完全順守していないとして見送っていた住民の一部避難を実施すると発表した。
 ロシア軍は各地で攻撃を続けており、医療施設も標的になり死傷者が多数出ているとの情報もある。

 マリウポリ当局によると、避難時間は現地時間正午(1000GMT、日本時間午後7時)から午後9時まで。  
 前日、ロシアは、マリウポリなど2都市で市民が退避できるよう「人道回廊」を設置し、その間、攻撃を停止すると発表したが、一部でロシア軍が停戦合意を順守せず、退避が延期されていた。

 ウクライナ警察によると、北東部のハリコフではロシア軍の激しい砲撃や空爆が行われている。

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は6日、ウクライナの医療施設に「複数の」攻撃があり、多数の死傷者が出ていると指摘。
 「医療施設および職員への攻撃は、医療の中立性を侵すもので国際人道法に違反する」と述べた。

 ロシア国防省報道官は6日、ウクライナのスタロコスティアニフ空軍基地を精密長距離兵器で攻撃し無力化したと発表。
 ウクライナの地対空ミサイルシステムSー300もロケット部隊が破壊し、過去24時間にヘリコプターを含むウクライナ機10機を撃墜したと説明した。

 ただ、英国の軍情報部は、最新の情勢分析で、ロシア軍はハリコフ、チェルニヒウ、マリウポリといった人口の多い都市に狙いを定めて攻勢をかけているものの、ウクライナ側の激しい抵抗で思うように進軍できていないと指摘している。

 こうした中、ロシアのメディアは、ウクライナが放射性物質を拡散する爆弾、いわゆる「汚い爆弾(ダーティーボム)」の製造に近づいていると報じた。

 3/6(日)  ロイター (c) Thomson Reuters 

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その5
  ロシア大統領、ルーブルでの対外
  債務返済を容認-デフォルト回避探る

(ブルームバーグ)
 ロシアのプーチン大統領は5日、ルーブルでの対外債務返済を認める大統領令に署名した。  
 ロシア政府は資本規制を続ける一方で、デフォルト(債務不履行)の回避を探っている。

 大統領令はロシアとロシア企業・国民に対する「敵対的活動に関与している国」の債権者への公社債支払いに関する一時規定を定めるとしており、政府はそうした国々のリストを2日以内に用意する方針。

 大統領令によれば、ルーブルをロシア中央銀行の公定レートで支払えば、債務履行と見なされる。

 一方、決済機関のクリアストリームとユーロクリアは決済通貨としてのルーブル受け入れ停止などを決めた。

 原題:Putin Seeks to Avert Defaults With
 Ruble Payments to Creditors(抜粋)

 (c)2022 Bloomberg L.P.
 Irene Garcia Perez
 3/6(日)  Bloomberg (c) Bloomberg L.P

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 ウクライナ侵攻 背後の情報戦(1)
 アメリカが見せたインテリジェンスの威力

 「まさか」、「ありえない」。
 世界の虚を衝いたロシアによるウクライナ侵攻。
 世界中が見ている中でいともあっさりと一つの主権国家が蹂躙されていく惨劇を見ながら、得体の知れない胸騒ぎと焦燥感のようなものを感じるのは戦いの壮絶さからだけではない。

 明日は我が身だからだ。

 ウクライナ侵攻の裏側で繰り広げられていた情報戦についてシリーズでお伝えする。
 第1回は侵攻前夜の動きについて詳報する。

◆「“王 プーチン”を知らしめる」会議 
 ―歴史的暴挙への連帯責任

 「絶対にNOとは言えない会議」、とでも言えばいいのだろうか。
 2月21日のロシア国家安全保障会議の議題は、ウクライナ東部にあるロシア系武装組織が支配する地域「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認するかどうか。
 世界に向けて配信された会議にはなんとも異様な空気が漂っていた。

 一人、ポツンとテーブルに座るプーチン大統領。
 そのほかの出席者たちはというと、20mは離れたところに並べられた椅子に神妙な表情で座ってプーチン氏の独白のような進行を見守っている。

 「わざと側近たちを離れた場所に座らせて自分が王だということを国民に知らしめる設定」(米情報機関幹部)とも、新型コロナを警戒しての設定ともいわれる謎の配置だ

 プーチン大統領はスピーチが終わると、次々と出席した幹部を指名して、ドネツクとルガンスクの独立を承認すべきかどうか、意見を言わせていく。
 答えは承認しかない。
 忖度するまでもない。ウクライナ侵攻を正当化するために、“独立国となった”ドネツクとルガンスクからの依頼を受けて、ロシア軍は同地域の平和維持に駆けつけて併合する、という見え見えのシナリオが用意されている。
 独立の承認はそのシナリオの実現に向けて不可欠なセレモニーだ。

 この会議、映像からは出席者たちが極度の緊張感に包まれていることがわかる。
 それもそのはず、この21世紀の世界においてこれまでに積み上げてきた秩序と規範、ルールを踏みにじるウクライナに対する一方的な侵攻という歴史的暴挙の連帯責任を問うものだからだ。
 世界が見ている前で一人一人に独立承認への賛意を宣言させることで、後から「実は私は侵攻に反対だった」などと言わせないことがこのセレモニーの目的だ。
 「絶対にNOとは言えない」空気の中でハプニングを起こしたのは、スパイ機関、SVRのトップだった。

 SVRとは泣く子も黙るロシアを代表する対外情報機関で、アメリカや日本を含む世界各国にスパイを送り込んで諜報活動を行っている。

 嘗てのKGBの流れを汲む後継組織でもある。
 そのトップがなんと「独立を支持する」と言うべきところを「併合することを支持する」と口走ってしまったのだ。
 よほど緊張していたのであろう、思わず裏で検討している本当のシナリオをカメラの前で口にしてしまったかのような発言に、プーチン氏はいら立ちと侮蔑の表情で「今はそんなことを議論していない」と一喝した。
 このSVRトップの今後の無事を祈りたくなる会議はウクライナ侵攻の号砲となった。

◆アメリカのインテリジェンスの威力

 侵攻開始に向けて着々と、ある意味、見え見えとも言える環境整備をロシアが進める一方で
侵攻を受ける側の当のウクライナには最後まで「まさかそんな事」という空気が残っていた。
 ロシア軍17万人が目の前の国境沿いに集結しているにもかかわらず、ウクライナは「パニックを起こす情報は我々の助けにならない」(2月12日ゼレンスキー大統領)、「侵攻が迫っている兆候はない」(2月20日レズニコフ国防相)という姿勢を崩していなかった。

 そうした中ある国だけはロシアの大規模侵攻を正確に、しかも前年の11月から訴えていた。
 アメリカだ。

 ここに1枚の図がある。
去年12月3日付のワシントン・ポストが報じたアメリカ情報機関作成の文書とされるものだ。
 ウクライナ国境沿いにロシア軍17万5千人が集結していることを伝えている。
 この文書の分析が秀逸なのはロシア軍部隊の規模がほぼ実際の侵攻時の規模と一致しているのみならず、東部ドネツクだけでなく、首都キエフ方面を含むウクライナ北東および南部からの侵攻ルートも正確に指摘していることだ。
 当時は多くの人が軍事侵攻を疑っていたし、軍事侵攻の可能性があると言う人も東部ドネツク地方に限定されるとの見方が主流だった。

 衛星画像の画質を落とす「サニタイズ」された公開用の文書になっているものの、2022年早々に軍事侵攻が迫っていることを正確に警告している。
 軍事侵攻のタイミングについては衛星画像で見える軍の準備状況から逆算したのであろう。 
 当時大方の予測と真っ向から反しながら、複数の方面からの攻撃を正確に予測できているのは、衛星画像で見える準備状況の分析に加えてロシア軍内の通信を傍受しているからだろう。

 恐るべきはアメリカのインテリジェンスだ。
 その高い能力を「情報のための情報」に留めず(情報を内部で抱えず)、世論とロシアに対して訴えることで侵攻を抑止することに活用していることは特筆すべきだ。

◆スパイを失っていたCIA
 その一方でアメリカ政府は11月から、侵攻4日前の2月20日迄は「軍事侵攻の準備は進んでいるが、プーチン大統領はまだ最終決断していないとみられる」という立場で一貫してきた。
 これだけの情報が揃っているのになぜか。
 それはいくら高度なインテリジェンス能力を誇るアメリカの情報機関でも、さすがにプーチン氏の心の中をリアルタイムでうかがい知ることはできないからだ。

 2月15日付のニューヨークタイムズがその背景を説明している。
 アメリカ情報機関に強固な取材源を持つ事で知られるデビット・サンガー記者らの記事だ。
 それによるとCIAはプーチン氏側近の一人を情報源として獲得することに成功し、正確にプーチン氏の政策決定を把握してきたという。
 しかし、身の危険を感じたその人物を2017年にロシアから脱出させてからは、プーチン氏の日々の動きを正確に知る事はできなくなった。

 ウクライナ侵攻に向けて軍事的準備が進んでいることに危機感をおぼえたアメリカ政府は、11月上旬までにこのインテリジェンスをヨーロッパの主要国とも共有して包囲網を築いたほか、バーンズCIA長官をモスクワに派遣し、アメリカ側の重大な懸念を伝えている。
 アメリカはその高度なインテリジェンス能力による成果を最大限に活用、公開しながら、なんとか迫りくるロシアによる侵攻を抑止しようとしたのであった。

◆“ロシア軍一部撤退” 虚偽情報へのカウンター
 インテリジェンスを通じて何が起きているのか、相手が何を仕掛けようとしているのか、正確な情報をつかめなければ、外交も交渉も軍事攻撃もできない。
 偽情報でこちらの行動を操ろうとする悪意ある相手に惑わされるだけである。
 その典型的ケースが2月15日の「ロシア軍一部撤退か」騒動だ。

 ロシア政府報道官はベラルーシでの演習終了を受けてロシア軍の一部が撤退を開始したと発表した。
 同時にロシア国防省は「クリミアから引き揚げている」とする戦車の映像を公開した。
 緊張がずっと張り詰めた状況が続くと人間は本能的に「そうであって欲しい」という情報を信じたくなるものだ。
 日本でも「もしや緊張緩和か」と期待感が高まったが、アメリカ政府は即座にロシアの動きは虚偽であり、むしろ数日の間で最大7千人の増派をロシア軍はしていると反論した。

 その後の実際の侵攻をみればロシア軍の発表は明らかな偽情報であり、攻撃に向けて最終準備を悟られないようにするフェイントだ。
 何も情報がなければ、悪意ある国の情報戦に翻弄され、判断を迷わされることになるといういい例だといえよう。
 ましてや、インテリジェンスもなく国家として「のるか反るか」の重大決断をするとなれば、ただのギャンブルとしかいいようがない。アメリカは正確にロシア軍の動きを把握できていたからこそ、ロシアによる情報戦にカウンターを打つことができたのだ。

◆インテリジェンスというパワー 流出したロシア軍の文書
 もう一ついい例がある。
  ロシアとウクライナによる停戦交渉が開始された時も日本の一部では期待感が高まったが、ワシントンでは誰も停戦交渉が成立するとは思っておらず筆者は日本との大きな温度差を感じた。
 その理由はロシア軍の現地での動きを見ていれば、当面ロシアが停戦を考えていないことは明らかであり、インテリジェンスを通じてそれを認識しているアメリカ政府からも停戦に関する期待感が伝わってくることもなく、アメリカメディアも専門家も停戦交渉には冷淡であったからだ。
 インテリジェンスとはパワーだ。
 それがあれば有利に事を進められ、それがなければ、とんでもない悲劇に自らを突入させることになりかねない。

 アメリカのインテリジェンス能力の威力をうかがわせる動きはほかにもある。
 3月2日にSNS上に出回ったロシア軍の作戦計画書の一部とみられる文書。
 ウクライナ軍が入手したとされる文書でウクライナ国防省も公式フェイスブックでアップしている。
 そこにはウクライナ侵攻作戦がロシア軍部によって2月18日に承認されたと考えられる押印がある。

 侵攻作戦は2月20日から3月6日と想定されていた?
 また、部隊が使う暗号表とされる文書は、ウクライナ侵攻作戦の期間が2月20日から3月6日と想定されていた事を示すものとなっている。
 この文書が真正であればロシア軍は2月18日時点で20日から侵攻を開始し、15日間でウクライナ侵攻を完了させる計画だったことになる(真贋の検証は難しいが、ここではこの文書が真正であるという前提で話を進める)。
 何らかの事情で遅れたのか、結果として侵攻のXデーは20日ではなく24日となった。

 ここで注目したいのはロシア軍部が侵攻を承認したとされるのが2月18日という点だ。
 ワシントン時間2月18日の午後5時にバイデン大統領は会見をホワイトハウスで開いている。 
 そこで突然、「我々にはロシアが首都キエフを含む全土に対して攻撃を開始すると信じるに足るものを持っている」と警告した。
 「軍事態勢としてはいつでも侵攻があってもおかしくない状況だが、プーチン大統領はまだ最終決断していない」というのが、それまでのアメリカ政府の公式見解だったが、そこから明らかに踏み込んだ表現だったので筆者も驚いたのをおぼえている。

 これは何らかの方法でロシア政権内の意思決定をリアルタイムに近い形で把握していることを伺わせる発言だといえる。
 2月20日付のニューヨークタイムズ電子版は「バイデン大統領の踏み込んだ警告の背景にはインテリジェンス」と報じ、ロシア軍の動きに関するインテリジェンスに基づくもので「高い確信」を持っている、とする米政府高官の言葉を伝えている。
 正確なインテリジェンスがあれば、最も適切なタイミングで的確なメッセージを打ち出せる、というインテリジェンスの効用を示している。
 逆に何も情報がなければ、ロシア側の偽情報やフェイントに惑わされながら、ひたすら平和を祈るだけだったかもしれない。

◆覆ったバイデンの融和路線
 他方でインテリジェンスが戦争の到来を告げていたとしても、政治指導者はその表現にあえて「のりしろ」をつけるという政治判断もあり得る。
 知っていることをそのまま言わず、交渉の余地を残すというやり方だ。

 2月20日、プーチン大統領がウクライナ東部のロシア人支配地域の独立を承認しようとする動きを見せていたが、バイデン政権は批判をヒートアップさせることはなかった。
 前述の通りバイデン大統領は20日の演説で「大規模攻撃に出ると信じるに足るものを持っている」と踏み込んだものの、「侵攻が始まろうとしている」と断定しようとはしなかった。
 逆に侵攻がなければプーチン大統領と首脳会談をおこなう用意があると明らかにする柔軟姿勢をみせていた。

 翌21日、ロシアが独立を承認したドネツクとルガンスクに対する制裁が発表されたが、かねてよりいわれていた「強力な制裁」ではなく、ドネツク地域だけに限られた制裁であった。
 ロシア全体に影響が出るような制裁を明らかに避けた、小出し戦術であった。
 その日の夕方におこなわれた記者ブリーフィング。
 その場でNSC(国家安全保障会議)高官も「同地域には2014年からロシア軍が駐留しており、今回、追加派遣があったとしても侵略とは断定しがたい」と、ドネツク進駐は侵攻だとみなさないことを示唆するかのような柔軟発言をし、「融和モード」をさらに演出した。

 20日から21日までは明らかにバイデン政権なりのギリギリいっぱいの「融和のバーゲンセール」の期間だといえた。
 ロシア軍の戦争準備が着々と進み、アメリカ政府もその動きを正確に把握しながらも、バイデン政権は「戦車がその姿を現す最後の瞬間まで外交努力を続ける」(ブリンケン国務長官)と決め、最後の瞬間にプーチン大統領が心変わりして緊張緩和への向かうことに一縷の望みをかけたのであった。
 緊張緩和のわずかな可能性に賭けて、あえて事態の切迫を伝えるインテリジェンスとはそぐわない融和的な政治ポジションをとったのである。

 だが、それは翌22日の朝に一変した。
 CNNでの生出演で国家安全保障担当次席補佐官が「侵攻がおこなわれつつある」と、対決モードに舵を切ったのであった。
 午後にはバイデン大統領自身が演説をおこない、「侵攻の始まり」だと一気にトーンを上げた。
 この時点で24日に予定されていたロシアとの外相会談もキャンセルとなり、ワシントンの空気は一気に開戦モードになっていった。
 この180°転換ともいえる動きの背景に一体何があったのか。

 次回 
「ウクライナ侵攻 背後の情報戦(2)特殊作戦関係者が解剖する軍事インテリジェンス」に続く

 ANN ワシントン支局 支局長 布施哲
(テレビ朝日)
 ANNワシントン支局長 布施 哲
(テレビ朝日) 

 3/6(日) テレビ朝日系(ANN)
 (c) All Nippon News Network(ANN)

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   人道回廊「一人も避難できず」 
  ロシア軍、ウクライナ攻勢再開へ

 ロシアが侵攻を続けるウクライナ東部のマリウポリ等で住民避難の為に戦闘を一時停止する「人道回廊」について、露国防省は5日、ウクライナ側の妨害により「一人の住民も避難できなかった」として攻勢を再開すると発表した。
 ウクライナは露軍が「停戦を守らなかった」と主張。
 非難の応酬が続く中、激戦地にいる民間人の退避が進まない状況が続いている。

 人道回廊の設置は3日に開かれたロシアとウクライナの2回目の停戦協議で合意されていた。
 露軍の包囲が続き、食糧不足などの人道危機が指摘される東部のマリウポリとウォルノワハで5日に実施される予定だったが、周囲で戦闘が続き、延期が決まった。
 ただ、停戦協議自体は双方とも継続の意向を示しており、ウクライナメディアによると、3回目の協議は7日になる見通しだという。

 ロシアのウクライナ侵攻は5日で10日目を迎えたが、各地で戦闘は収まっていない。
 同日にはイスラエルのベネット首相が他国の首脳としては侵攻後初めて訪露し、ロシアのプーチン大統領と会談。
 ロイター通信によると、ベネット氏は停戦や、ウクライナに暮らすユダヤ人コミュニティーの問題などを提起した。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は、ベネット氏が停戦への仲介役となることを望む発言をしている。
 ベネット氏の報道官によると、プーチン氏との会談後、ベネット氏はゼレンスキー氏と電話で話したという。

 ただプーチン氏は強硬姿勢を崩していない。
 5日に開催された航空会社の女性従業員代表との会合では、侵攻が「重い決断だった」と話す一方で、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟やウクライナの核武装の可能性について「現実的な脅威」だとして侵攻を正当化。
 米欧などによる経済制裁を「宣戦布告に近い」などと述べるなど、米欧諸国をけん制する姿勢が目立った。

 国連人権高等弁務官事務所のまとめでは4日時点でのウクライナの民間人の死者数は351人、負傷者は707人で、民間人死傷者の合計が1000人を超えている。
 ロイター通信はウクライナからの難民が6日には150万人に達するという国連難民高等弁務官事務所の見通しを伝えている。

 3/6(日)  毎日新聞 (c) 毎日新聞社

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   米国務長官「世界はウクライナ
   とともにある」

 アメリカのブリンケン国務長官は5日、ポーランドとウクライナの国境を訪れ、ウクライナのクレバ外相と会談しました。
 「世界はウクライナとともにある」と訴え、連帯を強調しました。

 ブリンケン国務長官は、ウクライナとの国境に近いポーランド東部の一時滞在施設を訪れ、ウクライナから避難してきた人たちに声をかけました。

 ブリンケン国務長官「ウクライナの人々の行動は世界を動かしている。世界はウクライナ支援で団結し、ロシアの侵略に対抗する」

 アメリカ・ブリンケン長官はその後、国境の検問所でウクライナのクレバ外相と会談し、武器の援助やロシアへの経済制裁などについて協議しました。

 ブリンケン国務長官「世界はウクライナとともにある。私はいま友人である外相とともにウクライナに立っている」

 ウクライナ・クレバ外相「ウクライナの人々が我々には友人がいると明確に受け止めてくれることを願う」

 ブリンケン長官は、「ウクライナは、アメリカと世界の支援を受けて、最終的に勝利する」と強調しました。
  
 3/6(日) 日テレNEWS
 (c) Nippon News Network(NNN) 

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    国連・緊急特別会合の決議 
   「棄権」投じた国の論理

■“一斉退席”で抗議の表明 

 確かに、「強い抗議の表明」に見えた。
 スイスのジュネーブで開かれていた国連の人権理事会で、ロシアのラブロフ外相がビデオ演説を始めると、多くの外交官が立ち上がり、議場を後にした映像がニュースで流れた。
 ロシアによるウクライナ侵攻への抗議の意思を示したものだった。
 この後、ラブロフ外相は、約15分間の演説で侵攻の正当性を主張したという。
 ウクライナ市民の人権という観点からも、今回の侵攻は許されるものではない。
 一斉退席という「演出」は強い印象を与える。
 ただ、もし相手の言い分を聞く耳すら持たない、と受け止められるとすれば、それは決して望ましいものではない。

■40年ぶりの国連緊急特別会合 決議に「反対」「棄権」の“少数派”は?

 アメリカ・ニューヨークの国連本部では、国連総会が緊急特別会合を開いた。
 安全保障理事会の要請による開催は、実に40年ぶりだった。2月28日から3日間にわたって、各国大使らの演説が続き、ロシアに即時撤退などを求める「決議」が採択された。
 賛成141か国、反対5か国、棄権58か国だった。
 安保理とは異なり、総会の決議には、法的拘束力はないが、ロシアに対する国際社会の意思を示したと言える。
 決議では、「ロシアのウクライナ侵攻に最も強い言葉で遺憾の意を示す」「ロシアに軍の即時、無条件撤退を要求」「親ロシア派支配地域の独立承認の撤回を要請」「核戦力の準備態勢強化の決定を非難」などが盛り込まれた。

 一方、圧倒的な“少数派”である「反対」「棄権」の国名を並べてみる。

◎反対(5):ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリア

◎棄権(35):アルジェリア、アンゴラ、アルメニア、バングラデシュ、ボリビア、ブルンジ、中央アフリカ共和国、中国、コンゴ、キューバ、エルサルバドル、赤道ギニア、インド、イラン、イラク、カザフスタン、キルギス、ラオス、マダガスカル、マリ、モンゴル、モザンビーク、ナミビア、ニカラグア、パキスタン、セネガル、南アフリカ、南スーダン、スリランカ、スーダン、タジキスタン、ウガンダ、タンザニア、ベトナム、ジンバブエ

 特に、注目されるのは、ロシアと親密な関係にあるキューバとニカラグアだ。
 2014年のクリミア併合に関する決議では、両国とも「反対」に投票していたが、今回は「棄権」に回っている。
 また、これほど明白な国際法、国連憲章に違反する行為であるにもかかわらず、中国とインドという大国が「棄権」を投じた。

 「反対」はもちろん、「棄権」の国に対しても、ロシアの武力行使を擁護する「悪者」とレッテル貼りするのは容易い。
 しかし、国際情勢を、単純な“善悪二元論”で語ることには、常に危うさが潜む。  
 こうした国々の主張に、何か解決へのヒントはないか。
 ロシアに正面から反対できない国情を抱えていることも留意しつつ、特に「棄権」を投じた国の「論理」にも、少しばかり耳を傾けてみたい。

■「棄権」中国 “圧力や制裁は負の波及をもたらすだけだ”

 「ウクライナの情勢は劇的な変化を続けている。今、展開されていることは、実に胸が痛むことだ」

 中国の張軍国連大使は、声明で「胸が痛む」という認識を示した。
 外交筋によれば、今回のウクライナ侵攻について、「中国は苛立っている」という見方が、関係者の間で一致しているという。
 中国が重視してきた、領土保全や内政不干渉という点で、これに反する事態が起きていることから、これまでの「ロシア擁護」の姿勢とは、少し異なる対応になっているとされる。

 声明で、中国は具体的な対応として、「当事者間の直接対話と交渉が可能な雰囲気と条件を醸成する」ことを要請。

 一方で、「やみくもに圧力をかけ、また制裁を科して、分断と対立を生み出すことは、状況をさらに複雑化させ、危機の負の波及をもたらすだけである」と、現在の欧米や日本のアプローチが誤っていると強く批判した。

 さらに、最終的な解決に必要なこととして、「冷戦的な考え方を捨てること、他国の安全を犠牲にして自国の安全を確保する論理を放棄すること、また軍事ブロックの拡大によって地域の安全保障を追求するアプローチを放棄することが必要だ。全ての国の安全保障上の懸念に十分な配慮と敬意を払い、そのうえで、バランスのとれた、効果的で、持続可能な欧州の安全保障メカニズムを構築するための交渉が必要だ」などと、現在のNATOなどの安全保障の枠組みについてまで問題提起している。

■「棄権」キューバ “偽善とダブルスタンダードを拒否”

 「キューバは常に平和を擁護し、いかなる国家に対しても武力行使やその脅威をもたらすことに明確に反対している」
 「ウクライナで、罪のない市民の命が失われたことを深く遺憾に思う」

 このように、キューバのクエスタ国連大使は、今回の侵攻を明確に非難した。
 そのうえで、事態を招いた要因を検証すべきと、2つの問題点を指摘している。

1:NATO(=北大西洋条約機構)の拡大
 「NATOのロシア国境への漸進的拡大を継続するというアメリカの決定は、予測不可能とみられるような状況をもたらしたが、これは回避できたはずだ」
 「ここ数か月のアメリカとNATOによる、ロシアに隣接する地域への軍事的行動は、ウクライナへの近代兵器の搬入が先行し、全体として軍事的包囲を構成するものであることはよく知られている」

 このように、ロシアが武力行使に至った要因として、アメリカとNATOの軍事行動を指摘。 
 さらに、「安全保障を求めるロシアの主張について何十年も無視し、ロシアが国家の安全に対する直接的な脅威に直面しても無防備を続ける、と考えたのは誤りであった」とした。

2:アメリカによる武力行使の歴史

 「キューバは、偽善とダブルスタンダード(=二重規範)を拒否する」

1 999年に、アメリカとNATO軍が安保理決議を経ずに、旧ユーゴスラビアに対して、「国連憲章を無視した大規模な侵攻」を開始したことを「思い出すべき」と批判した。
 さらに、「アメリカと一部の同盟国は、これまでにも何度も武力を行使してきた。政権交代をもたらすために主権国家を侵略した」「彼らが“巻き添え被害”と呼ぶ、何十万人もの民間人の死、何百万人もの難民、そして地球の地形の大規模な破壊に責任がある」などと痛烈にアメリカを批判した。

 コソボ、アフガニスタン、イラクなどでの歴史は、アメリカが批判を免れない側面もあるだろう。キューバは、この2点を踏まえて、提出された決議案が「必要なバランスを欠いている」とした。
 結論としては、「平和的手段による、建設的で現実的な外交的解決を、引き続き提唱する」としている。

 キューバの外交関係者はJNNの取材に、今回、「棄権」に回った理由について「この決議は、アメリカが、NATOとウクライナを利用して政略を進めようとしているという問題の本質に対処していない」とする一方、「それと同時に、紛争解決のための武力行使にも同意しない」と、ロシアの軍事行動に同意しないことを示すために「棄権」したと説明している。

■「棄権」南アフリカ “ジェスチャーは何の役にも立たない”

 もうひとつ、アフリカの大国、南アフリカも「棄権」だった。
 アフリカでは、17か国が「棄権」の票を投じている。
 この南アの姿勢に、国内では「反対と同様、棄権も、ロシアの暴力を許容したものと同じだ」などと批判の声も上がっているという。
 旧ソ連との歴史的な深い関係が背景にあることも指摘されるが、ここでは、南アのジョイニ国連大使が発表した「国連総会の採決で、なぜ南アは棄権したのか」というタイトルの声明から読み解きたい。

 声明では、南アも国際法、国連憲章の原則を守るよう全ての当事者に強く要請する、という前提のうえで、棄権した決議について、こう指摘している。

 「決議は、外交、対話、調停に資する環境を整えるものではない」
 「両者(ロシアとウクライナ)を対話に近づけることに、もっと注意を払うべきだ」
 「決議は、紛争の解決に貢献するどころか、当事者の間により深く、くさびを打ち込む恐れがある」

 決議によって、事態が悪化しかねないと警告しているのだ。
 具体的には、「紛争の根本的な原因のひとつは、当事者の安全保障上の懸念にあると理解されている。この点について決議のなかに盛り込まれるべきだった」とした。
 それ故、「安全保障理事会が国連検証に定められた役割を果たすように促されるべきだ」。
 つまり、安保理の「機能不全」を早急に改善すべきという主張だ。

 さらに、国連総会の緊急特別会合について、「緊張を緩和し、敵対行為の停止を約束し、信頼を構築しながら、橋を架け、意見の相違に対応し、当事者が妥協の精神で関与するための勧告と支援を提供するプラットフォームとして活用されるべきであると考える」と説明した。

 ロシアの武力行使そのものに非があるのは明白だ。
 立場によっては、両者の間に「橋を架ける」という言葉は、「絶対的な悪者」への譲歩に見えるかもしれない。
 一方で現在進む、暴力のエスカレートを止めることが最優先されるべきだろう。
 そのための「架け橋」「プラットフォーム」を作るべく、国連は動けるのだろうか。

そして、南アは、最後に、国連の対応について、こう断じた。

 「意味ある行動をとらずに、単に平和を推進しているという印象を与えるだけのジェスチャーは、何の役にも立たないのである」

■国連の存在意義が問われている

 緊急特別会合では、各国の国連大使ら120人超が3日間にわたって演説し、大半の国が平和を訴え、ロシアを名指しで非難した。
 決議が採択されたとき、40秒間、拍手が鳴り止まなかった。
 こうした議場の光景は、ロシアに即時撤退を求める国際社会の「強い意思」を示したとは言える。
 だが、現実は苛烈だ。
 ウクライナで、日々多くの人が死んでいる。
 まさに今、国連の存在意義が問われていると言えるだろう。
 「ジェスチャー」と批判されない、「意味ある行動」に踏み込むことが求められている。

 JNNニューヨーク支局長 萩原豊
(06日9:00)
 3/6(日)  TBS系(JNN)
 (c) Japan News Network.

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 ロシア軍、ウクライナ南部の要衝オデッサ
 攻略を視野か 首都包囲も着々

【ワシントン=渡辺浩生】
 ウクライナ侵攻から10日を経過したロシア軍について米国防総省は、首都キエフ北方に待機する部隊がウクライナ軍の反撃に直面しつつ包囲作戦に態勢を整える一方、南部では最大の要衝オデッサ攻略も視野に黒海沿いで攻勢を強めていると分析している。
 ウクライナ側が要請する飛行禁止区域設定を否定する欧米諸国は、現地への武器供与を急ピッチで進めるが、無差別砲撃による民間人の犠牲を食い止める手段を欠いているのが実情だ。

 同省高官による戦況説明を総合すると、露軍は国境沿いに集結した兵力の9割超を投入。
 首都を目指す部隊はキエフ北方約25キロに待機。
 長蛇の戦闘・輸送車両の列は、無人機を含めた攻撃を受け、橋も爆破されるなど前進を阻まれている。

 高官は露軍側に「リスク回避の傾向がある」と指摘。
 前進を控えながら、食料・燃料不足の解消に務めつつ首都包囲の態勢を着々と整えているとみられる。

 一方でミサイル攻撃は侵攻開始から500発を超えウクライナ国内からの発射は約5割に達した。  
 自走式発射台を使って主要都市の周囲から無差別砲撃を強める現状を裏付けている。

 クラスター爆弾が使用されたとの報告について同省は確認を避けるが、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は4日、使用を認めた。

 南部戦線では2014年にロシアに併合されたクリミア半島の駐留部隊の支援を受け「北部よりペースは速い」(高官)。   
 南部の主要都市へルソンを陥落させた露軍の目標がそのまま北西を進み、最大の港湾都市オデッサ攻略にある可能性を示す。
 東部マリウポリも黒海からの上陸部隊が包囲を強め、黒海沿岸を制圧して同国を海上から遮断する狙いも浮き彫りとなってきた。

 制空権はウクライナ空軍が戦闘機や地対空ミサイルを駆使し死守を続けるが、露軍の支配空域は広がりつつある。
 ゼレンスキー政権が求める飛行禁止区域設定を、米国とNATOは紛争当事者となるのを回避するため拒否している。

 バイデン政権はウクライナ軍の自衛能力を持続させるために武器供与のスピードアップと軍事情報の共有を2本柱に据える。

 別の高官によると、NATO加盟国など計14カ国が武器供与に着手し、米国が先月末承認した3億5千万ドルの追加支援のうち2億4千万ドル分が現地に到着したという。
 5日付米紙ワシントン・ポストによると、ジャベリン対戦車ミサイルに加え、スティンガー対空ミサイルが初めて届けられた。
 輸送は西側で接するポーランドからとみられる。

 潤沢な支援を受けるウクライナ軍だが、露軍の進攻を遅らせても失地を回復し民間人の犠牲を食い止めるには及ばない。
 「最悪の事態がまだ先にある」(マクロン仏大統領)のは西側指導者も認めている。

 「問題は、悲劇的な破壊をいつまで続けるのか、すべてをプーチン氏ひとりが握っていることにある」。
 イラク・アフガニスタンに従軍した元米軍幹部は本紙にいらだちを漏らした。

 3/6(日)  産経新聞 (c) 産業経済新聞社

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⑥ 
   米・ポーランド、ウクライナへ
   の戦闘機供与を検討

 (CNN) 米ホワイトハウスの報道担当者は5日、米国とポーランドがウクライナへ戦闘機を供与する可能性について検討していることを確認した。

 供与はポーランドが担うとし、この案についてはほかの同盟国とも協議しているとした。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、東欧諸国に対し自国の戦闘機をウクライナへ派遣するよう求めている。

 同報道担当者によると、ポーランドとの話し合いの一環として、同国がウクライナへの戦闘機提供に踏み切った場合、ポーランドの負担を相殺する措置として米国が示し得る選択肢を決めている段階にあるとした。
 考慮中の選択肢の詳細には触れなかった。

 ウクライナへ戦闘機を送ることは各国の独立的な判断の問題と指摘。
 送る場合でもポーランドからウクライナへどう具体的に移すかを含めた後方支援にかかわる多くの問題があるとも述べた。

 オンライン会議システムを通じて5日にゼレンスキー大統領と会談した米議員2人によると、同大統領はポーランドはウクライナへ(ロシア製の)ミグ戦闘機を提供する準備を示唆し、米国の承認を待っているだけの状態にあると説明したという。

 3/6(日)  CNN.co.jp
 (c) Cable News Network ,Inc. A Time Warner  
 Company. All Rights Reserved

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    ウクライナ国外避難者、
    150万人超に 国連発表

 UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のフィリッポ・グランディ高等弁務官は、ロシアによる侵攻開始から10日間でウクライナから隣国などに逃れた人が150万人を超えたと明らかにしました。

 第二次世界大戦以降、ヨーロッパでもっとも早いペースで避難民の数が増えていると危機感を表明しています。
(06日19:15)

 3/6(日)  TBS系(JNN) 
 (c) Japan News Network.

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 政府の対露戦略、「パートナー」改め「安保   
 上の課題」へ…「もはや甘い対応とれない」

 政府は年末に予定する「国家安全保障戦略」の改定で、ロシアのウクライナ侵攻を受けて対露戦略を見直す方針を固めた。  
 現行の戦略が「パートナー」としているロシアの位置づけについて、北朝鮮や中国と同じ「国家安全保障上の課題」へと変更する方向で調整している。

首相官邸
 安保戦略は国の外交・安全保障政策の基本指針となる文書で、2013年12月に策定された。
 10年程度の期間を念頭においた内容で、今回が初の改定となる。
 今後、政府はロシアとの向き合い方を抜本的に練り直す考えだ。

 現行の戦略は、ロシアは国際社会の安定に向けての「パートナーとの外交・安保協力の強化」の項目に記載している。
 具体的には、安保・エネルギーを含めた「あらゆる分野で協力を進め、日露関係を全体として高めていくことは、我が国の安全保障を確保する上で極めて重要」としている。

 だが、政府は、ロシアがウクライナを侵略して市街地を攻撃するなど、国際法上の違法行為を重ねている現実を踏まえ、ともに地域の安定を図るパートナーと位置づけることはできなくなったと判断した。
 防衛省幹部は「現行の戦略ではロシアは友好国扱いだが、もはや甘い対応はとれない」としている。

 安保戦略を策定した13年は、安倍内閣の下で政府はロシアと初の外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を行うなど、中国の台頭をにらんで関係強化を進めていた。
 安保戦略に基づき、極東開発やエネルギー分野での協力も進めてきた。

 一方、現行の安保戦略で中国と北朝鮮はいずれも「安全保障上の課題」としつつ、策定当時から核・ミサイル開発を進める北朝鮮は「脅威」と表現している。
 中国は近年、空母の太平洋進出など軍事的圧力を強めており、政府は中国も「脅威」と明記することを検討している。

 3/6(日)  読売新聞オンライン
 (c) 読売新聞社

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 「ママしんぱいしないで、私たちはかつよ」 
  涙枯れたキエフの母親

 ウクライナの首都キエフの北にある新築の家に引っ越してきたばかりのユリア・ヤンチャールさん一家。
 だが、そこで起きたのは戦争だった。
 6歳の娘エバちゃんは「ママ心配しないで、私達は勝つよ」とユリアさんを慰めるという。

 ユリア・ヤンチャールさんと家族はキエフ北の新築の家に入居したばかりだった。
 ところが、そこで戦争が起きた。

 ユリア・ヤンチャールさん
 「常に爆発音が聞こえるので、もう音が聞き分けられるようになった。ウクライナ軍がどこで防衛しているか、ヘリコプターがどこを飛んでいるか、ジェット戦闘機がどこを飛んでいるか、聞けば分かる。6歳の娘までもがこう言う。『ママ、あれは防空システムだよ。心配しないでパイを作りましょ』娘のこんな言葉を聞きたくなかった」

 家族や近隣住民は防空壕に隠れ、毛布にくるまって攻撃を逃れている。

 ヤンチャールさんと6歳のエバちゃんは苦難の中でも、愛犬の散歩を欠かさず、普通の日常生活を続けようとしている。

 エバちゃん(6つ)
 「(英語)こんにちはみなさん。わたしの名前はエバです。私たちはたたかいをこわがりません。かくれません。ばくだんをこわがりません」

 ヤンチャールさん
 「娘の前では泣かないようにしているのだが、不安な気持ちは伝わっているようだ。 
 時々、娘は私を慰めながら『ママ心配しないで。私たちは勝つよ。彼らにウクライナ語を教えるよ』と言う。申し訳なく、胸が痛む」

 この翌日、一家はいつか戻るという希望を抱きながら家を捨て、避難せざるを得なかった。

ヤンチャールさん
 「常にすべてのニュースを見ている。涙は枯れてしまった。私たちが生き残れることを本当に願っている。身を投げだして戦車を制止するような信じられない人々がいるのだから。祖国を失わないと信じている 大丈夫だと信じている。(戻ってきたら)庭にトウヒを植える夢をかなえようと思っている」

 3/6(日)  ロイター (c) Thomson Reuters

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 マリウポリ住民退避が再び停止、ロシア
 とウクライナが相互に非難

 ウクライナ南部のマリウポリで6日、人道回廊による住民避難が再び停止し、親ロシア派とウクライナの双方が互いを非難した。
 
[6日 ロイター]
 - ウクライナ南部のマリウポリで6日、人道回廊による住民避難が再び停止し、親ロシア派とウクライナの双方が互いを非難した。

 ウクライナ24テレビは、ロシアと親ロシア派が安全地帯にも砲撃を続けているとの現地の国内軍兵士の発言を報じた。

 インタファクス通信によると、ドネツク親ロ派政府の関係者は、ウクライナ軍が限定的停戦を守らなかったと非難した。
 同関係者によると、街を離れたのは300人程度だという。

 ウクライナ当局は、マリウポリから20万人以上を避難させる予定としている。

 3/6(日)  ロイター (c) Thomson Reuters

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 今日も昨日に引き続き最注目記事を除いても、冒頭掲載記事が10件に及ぶ為、掲載記事の左上に①から⑩迄の番号を付したので、参照して戴きたい。

 さて、今日の最注目記事とした上記の「その1」の記事にあるように、日に日にロシア国内での反戦ムードが高まっており、拘束された人は計9472人にもなった。
 また上記の「その2」の記事にあるように、米国NSCのホーン報道官が5日に声明を出し、プーチンが「偽情報」や「信用失墜を狙った情報」と当局がみなす内容を広めた場合、最大で禁錮15年を科す改正刑法案に署名をしたことを
非難したと言う。

 そうしてプーチンは反戦を叫ぶ声を抑え込み、米欧メディアの活動迄停止する規制を敷き、情報統制を強化している。

 加えて上記の「その4」の記事にあるように、ロシアのメディアは、ウクライナが放射性物質を拡散する爆弾、いわゆる「汚い爆弾(ダーティーボム)」の製造に近づいていると報じて、ウクライナ国内の原発を攻撃した事さえ正当化している。

 こうしたフェイクニュースはネット配信を見ない世代の層で、ロシア側の報道だけしか知らない、殊に高齢のロシア人が、今回の戦争はNATOやアメリカが悪いから起こったのであって、プーチンがロシアを攻撃した事は間違っていないのだ、と、言う論調を生み出す要因となっている。
 宛ら第二次大戦時にナチスドイツの行った国内報道や、日本帝國大本営の国内報道が如き偽報道である。

 勿論ネット世代で西側の報道を眼にしているロシア人も居て、真実を知ったが故に、拘束されるのを承知で反戦デモを起こしている。
 
 何と言ってもプーチンが恐れるのは、こうした「反戦」の声が「反プーチン」の声に変わり、やがて「打倒プーチン」の声となって大挙してクレムリンに押し寄せる、「民衆の蜂起」なのだ。
 
 上記の「その4」の記事にあるように、プーチンがルーブルでの対外債務返済を容認して迄デフォルト回避を探っているのも、これ以上民意を失いたくないからである。

 してみるとウクライナだけでなく、プーチンも相当追い詰められているのだ。
 だからこそ無辜の市民を殺戮し、原発施設にまで攻撃すると言う暴挙を繰り返すのである。
 
 こうなればプーチンは、己が息の根が止まるまでこの無益な戦争を続けるのであろう。

 ならばプーチンの息の根を止めるには、「民衆の蜂起」を促すしかないのである。
 
 これは私見であるが、上述した事くらいアメリカのインテリジェンスが分かっていない訳はなく、ロシア国内での「反戦派」の煽動は言うに及ばず、プーチンから離反しようとしている「反戦派」のオリガルヒや、ロシア軍の上級将校、並びにナワリヌイ氏を中心とした民主派レジスタンスを結び付けようと、今この時もロシア国内で活動している米英の諜報員が居るのではないか、と、思っている。

 しかしそれには或る程度の時間が掛かると言う事は、昨日も書かせて戴いた。
  
 仮にキエフが堕ちてから、ロシア国内で「民衆の蜂起」が為されても、それでは遅いのだ。
 何としてもキエフ陥落だけは防がなければならない。

 で、あれば、昨日も書かせて戴いたし、また、上記の「その3」の記事で、米シンクタンク、ランド研究所(RAND Corporation)のサミュエル・チャラップ(Samuel Charap)氏が
言うように、「西側の制裁がてことなり、ウクライナの現政権を排除し、親ロシアのかいらい政権を樹立するという、この戦争における核心的な目的をプーチン大統領が放棄することもあり得るが、そのためには習近平(Xi Jinping)国家主席の下でロシアとの同盟関係を深めている中国の圧力が必要になるかもしれない」、と、言う点についても、考慮して然るべきである。
 
 その為には昨日書かせて戴いたように、西側諸国が中国に「鞭」だくでなく「飴」も与えるべきなのだ。
 少々の事には目を瞑り、習近平氏の目を西側に向かせるべきで、たとえ不本意でも西側諸国は習近平氏の3期目を認め、中国をロシアとウクライナの仲裁役に立てるべきなのである。
 中国のその後の扱いについは、ウクライナでの戦争が終結してからにしてでも、ここは何としても中国を動かす必要がある。

 無論その際、「中国」に対しては恫喝する必要もあろう。
 例えばもし仲裁役をしないのであれば、「中国」をロシアの同盟国と見なし、ベラルーシと同様に扱う、と。
 そして断固とした経済制裁をするとし、ロシアと共倒れするのか、或いは習近平政権3期目のレジェンドに繋がる仲裁役をするのか、どちらか今直ぐに選べ、と。

 そうして習近平氏の3期目に花を添え、中国には「飴」を舐めさせる必要があり、私としては中国を加えた「G8」が無理だとしても、「OPECプラス」に倣い、中国を加えた「G7プラス」や、日本政府の出来ることとしては、「TPPプラス」にすることも視野に入れるべきだとした。

 然るに米国も中国も一向にその気配さえ見せず、両国とも微動だにしない。
 それには習近平氏がリスクを負って現時点で動いても、自身は得をする事が何もないし、バイデン大統領にしても、習近平氏に花を持たせたくないと言う事もあろう。

 してみると習近平氏に於いては、自身睨みをきかせつつ最後の最後に、「千両役者」として仲裁の舞台に上がるお膳立てを、バイデン大統領がしてくれるのを息を凝らして待っているのであり、逆にバイデン大統領に於いては、早期にロシア国内での「民衆の蜂起」を起こせる目算かあり、米英のインテリジェンスと諜報機関が、それを為し遂げたと言う報告を、息を凝らして待っているのだと言う事になる。

 我々一般市民としても、バイデン大統領が米英の諜報機関から朗報を聞くのが先なのか、或いは習近平氏が千両役者として登場するのが先なのか、息を凝らして見守るしかないのだろうが、ただ、両人には、「どっちでもいいから、早くウクライナを助けて!」、と、声を上げるべきだと思うのだが、如何か。

 (松平 眞之) 


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《一昨夜のニューヨークと週明けの東京市場》

 一昨夜のニューヨークダウは大引けの株価で、$3万3614の$179安と続落。
 ナスダックも1万3313pの224p安と続落。
 またCMEシカゴ日経平均先物も、25780円の590円安と続落した。

【市場概況】

  NYダウ続落、179ドル安 ウクライナ
  情勢への懸念高まる

  2022年3月5日 5:16

【NQNニューヨーク=川内資子】
 4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比179ドル86セント(0.5%)安の3万3614ドル80セントで終えた。
 ウクライナ情勢の緊迫化への懸念から投資家のリスク回避姿勢が強まり、景気敏感や消費関連株への売りが目立った。
 半面、ディフェンシブ株への買いが目立ち、ダウ平均を下支えした。

 ロシア軍は4日、ウクライナ南部にあるザポロジエ原子力発電所を砲撃し、同原発を制圧した。
 ロシアによる軍事攻撃は激しさを増しており、欧米が対ロシアの経済制裁を強める可能性が意識された。
 紛争が長期化して世界経済を下押しするとの懸念が一段と強まった。

 航空機のボーイングが4%下げ、1銘柄でダウ平均を52ドル程度押し下げた。
 欧米によるロシアへの経済制裁が航空機需要の減少につながるとの懸念から連日で大幅安となった。
 化学のダウや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など景気敏感株が安い。
 クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株も下げた。

 投資家のリスク回避姿勢の高まりで相対的に安全な資産とされる米国債が買われ、米長期金利は一時1.69%と前日終値(1.84%)から大きく低下した。
 利ざや縮小への懸念を誘い、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株も売られた。

 ダウ平均の下げ幅は午前中に540ドルに達したが、ディフェンシブ株への買いが支えとなり午後に下げ幅を縮めた。
 小売りのウォルマートやドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス、医療保険のユナイテッドヘルス・グループがそれぞれ2%超上げた。

 4日朝発表の2月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比67万8000人増と市場予想(44万人程度の増加)を上回った。
 平均時給の伸び率は前月から鈍化し、市場予想を下回った。
 米金融政策の見通しを変えるほどの結果ではなかったとの見方から、株式相場への反応は限られた。

 ナスダック総合株価指数は続落し、前日比224.503ポイント(1.7%)安の1万3313.438で終えた。
 ソフトウエアのマイクロソフトが2%下落。
 スマートフォンのアップルなど主力ハイテク株が軒並み下げた。
 
 日経電子版

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 この様子では明日の東京も続落か。
 航空機のボーイングが大幅安となり、ダウ平均の重荷となった。
 ウクライナ情勢を巡る先行き不透明感から、様子見姿勢の投資家も多く、積極的な売買は限られた。

 但し、ここ最近ニューヨークが下落した翌営業日に日経平均が上昇し、ニューヨークが上昇した翌営業日に日経平均が下落している。
 その事を考慮に入れれば、明日の東京市場は反発の可能性も考えられる。
 ウクライナ情勢が刻一刻と変化している事もあり、何とも相場が読み辛い。

 私としては飽くまで弱気だったが、ウクライナ情勢が好転すれば強気も有り得る。
 ただ、たった一つ私に言える事は、予断を許さない状況であると言う事だけである。
 何よりウクライナに平穏が、1日も早く訪れる事を祈る。
 明日の東京市場寄り付きに注視しつつ。

(松平 眞之)

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 翌営業日以降日経平均が大幅続落となれば、1357日経ダブルインバース(弱気)を売って、1570日経インデックス(強気)を買いたい。
 日経ダブルインバース(弱気)の年初来高値が512円、日経インデックス(強気)の年初来安値が12735円。
 然し乍ら、日経インデックスは年初来安値付近だが、日経ダブルインバースの年初来高値・500円に到達していない。
 翌営業日以降日経ダブルインバースが500円に到達したら、決断する。
 何となればオミクロン株の重症者が大きく伸びていないので、終息の目処が立ちそうだからである。
 それ故に強気かと読んでいたのだが、ここに来てウクライナ情勢も気になる。

 従って、逆に日経平均が上昇に転じ、日経ダブルインバース(弱気)が年初来安値である356円に、また日経インデックス(強気)の年初来高値である17920円に、双方がそうした数値に近付けば、再び1357日経ダブルインバース(弱気)を買い増したい。
 今の状態で株価が上昇仕切れば、一転、世界的な株安になる事も充分に有ると読む。

 因って、コロナ重症者率とウクライナ情勢の両睨みとしたい。
 
(松平 眞之)


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      《今日のニュース》

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 <独自>北大東島に移動レーダー 防衛省、
 配備向け適地調査へ 中国空母の監視強化

 防衛省は外国機の領空侵犯と領空接近を監視する航空自衛隊の移動式警戒管制レーダーを北大東島(沖縄県北大東村)に配備する検討に入った。
 レーダーを展開させる適地を調査する方針を今月中にも同村に説明する。
 中国の空母「遼寧」や軍用機が太平洋への進出を活発化させている中、太平洋側の島嶼(とうしょ)部は固定式警戒管制レーダーが置かれていないため、移動式の展開で監視態勢を強化する。

 平成30年策定の中期防衛力整備計画(令和元年度から5年間)は「太平洋側の広大な空域を含むわが国周辺空域における防空能力の総合的な向上を図る」と打ち出した。
 移動式警戒管制レーダーも「運用するための基盤の太平洋側の島嶼部への整備により、隙のない情報収集・警戒監視態勢を保持する」と明記した。

 固定式レーダーを置いておらず、防空態勢の空白地域となっている太平洋側の島嶼部について、防衛省は中期防衛力整備計画の策定時、東京都の小笠原諸島への移動式レーダーの展開基盤の整備を先行させることを念頭に置いていたが、地元の理解を得られていない。
 一方北大東村議会は昨年12月、自衛隊の誘致を求める意見書を全会一致で可決している。

 防衛省は北大東島への移動式レーダーの配備は地元の理解を得やすいと判断し、小笠原諸島より優先する方針に転換しつつある。

 移動式レーダーの展開基盤の整備に向け、適地調査では候補地の電波環境などを調べる。  
 レーダーを展開する要員は那覇基地の空自第4移動警戒隊から派遣する事を想定している。

 中国軍は平成25年、九州―台湾―フィリピンを結ぶ第1列島線を早期警戒機が沖縄本島・宮古島間で突破し、太平洋に進出したことが初めて確認された。

 28年には空母・遼寧が沖縄本島・宮古島間を通過して初めて太平洋に進出した。
 遼寧は30年以降、複数回に亘り太平洋で艦載戦闘機を発着艦させた事も確認されている。

 中国は小笠原諸島―グアム―パプアニューギニアを結ぶ第2列島線までの防衛ライン拡大を目指している。
 昨年12月、北大東島の東約300キロの海域で遼寧の艦載戦闘機・ヘリが発着艦をしており、防衛省は警戒監視態勢の強化を急ぐ。

■移動式警戒管制レーダー
  他国の航空機の領空侵犯・接近を監視する車載型のレーダー。
 航空自衛隊が全国28カ所に設置している固定式レーダーが敵の攻撃などで機能しなくなった場合、代替機能を果たすのが本来の役割。
 移動させやすいのが特徴。

 3/6(日)  産経新聞 (c) 産業経済新聞社

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 追悼「一区切り」、風化に懸念 国会議論は
 低調、政府の姿勢変化も 東日本大震災11年

 東日本大震災から11年目を迎える今年から、政府主催の追悼式は開かれない。

 東京電力福島第1原発の廃炉をはじめ被災地の課題はなお山積しているが、全国に拡大した新型コロナウイルス感染への対応などが国政の中心課題となり、国会での議論も活発とは言えないのが実情。
 政府の姿勢に変化の兆しもあり、風化を懸念する声が漏れている。

 2月2日の衆院予算委員会。 
 岩手県選出の階猛氏(立憲民主党)は「インフラ整備は進んだが、人がいなくなれば宝の持ち腐れだ」と指摘。
 岸田文雄首相が掲げる「人への投資」に触れ、「被災地で活躍するための人への投資が重要だ」と訴えた。

 首相も2月7日の同委で「復興・再生に向けた取り組みをあらゆる知恵と力を結集し実行する」と力を込めたが、2022年度予算案の審議で大震災関連のやりとりはわずか。
 新型コロナやウクライナ情勢に多くの時間が割かれているのが現状で、自民党の復興相経験者は「どんどん風化が進んでみんな意識がない」と語る。

 こうした懸念を払拭(ふっしょく)するように、政府が今後の福島県の復興・再生を見据えて具体化を急ぐのが、「創造的復興の中核拠点」と位置付ける国際教育研究拠点の整備だ。
 設置に向け福島復興再生特別措置法改正案を今国会に提出。
 今年度内に基本構想を策定する方針で、首相は「国内外に誇れる研究内容」を目指すと強調する。

 首相は、14カ国・地域が続けている福島県産などを対象にした食品輸入規制の解除にも力を注ぐ。
 2月16日の日英電話首脳会談では、ジョンソン首相に直接撤廃を働き掛けた。

 一方、岸田政権に代わってから、政策としての優先順位が下がったと受け取られかねない動きも続いている。
 専任としてきた復興相に沖縄・北方担当を兼務させたのは一例。
 昨年10月の所信表明演説、1月の施政方針演説では章を立てて復興を取り上げなかった。 
 官邸幹部は「復興軽視」との見方を否定するが、被災地には不安も広がる。

 首相は11~12日に岩手、宮城、福島3県を訪れ、11日は福島県主催の追悼式に出席する。
 政府追悼式の終了に伴い、発災当日の首相の被災地入りが実現したが、今後の姿勢が問われそうだ。   

 3/6(日)  時事通信 (c) 時事通信社

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 福島原発周辺8町村 1514人が震災関連死 
 7割が3回以上移転

 2011年3月の東京電力福島第1原発事故で避難指示が出され、ほぼ全住民が県内外に避難した福島県双葉郡の8町村で、1514人が震災関連死に認定され、少なくとも1025人は3回以上にわたって避難先を移転していた事が判明した。

 この1年の間にも新たに11人が認定された。
 1514人のうち136人は16年以降に死亡しており、長期化する避難生活が被災者を追い込んでいることがうかがえる。

 毎日新聞は福島県内の自治体に、震災関連死の認定を巡って遺族が提出した書類の開示を請求した。
 書類は死亡に至るまでの経緯書などで、内容を分析した。
 県全体で震災関連死と認定された人は2331人で、直接死1605人の約1.5倍に達している。

 双葉郡8町村(浪江、双葉、大熊、富岡、楢葉、広野の6町、葛尾、川内の2村)で震災関連死と認定された1514人について、死亡するまでの間に避難先を移転した回数を調べたところ、3回以上移転していた人が少なくとも1025人いた。
 このうち248人が3回、267人が4回、211人が5回、299人が6回以上、避難先を移転していた。22回移転していた人もいた。

 双葉郡8町村の1514人と、第1原発の半径20キロ圏内に避難指示が出た南相馬市で震災関連死と認定された520人の計2034人について調べると、80代以上が7割を占めた。
 既往歴のある人は8割で、肺炎や心疾患が死因となった人が多かった。
 長期避難でうつ病になったり認知症を悪化させたりした人も多数いた。

 復興庁によると、東日本大震災で被災した岩手、宮城両県で震災関連死と認定された人の9割以上は、震災から1年以内に死亡していた。
 これに対し、双葉郡8町村と南相馬市では、1年を過ぎてから関連死で亡くなった人は全体のほぼ半数を占めている。

 遺族からの震災関連死の申請は今も続いている。
 しかし年月の経過で死亡との因果関係は分かりづらくなっており、認定率は低下している。
 双葉郡で最多の454人が認定された富岡町では、12年度の94%(申請88件のうち認定83件)に対し、19~21年度は38%(計45件のうち認定17件)まで下がっている。
【寺町六花、尾崎修二】

 ◇震災関連死

 地震に伴う建物倒壊や津波などによる直接的な死ではなく、震災後の避難生活による体調の悪化などで死亡したことを指す。
 災害弔慰金制度に基づき、医師や弁護士らで構成する審査会が遺族から申請を受けて審査し、自治体が認定する。
 認定された場合は遺族に最大500万円が支給される。
 復興庁によると、東日本大震災では2021年9月末現在、10都県で3784人が認定された。

  3/6(日)  毎日新聞 (c) 毎日新聞社


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    ⭕⭕今日の国際ニュース⭕⭕
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 北朝鮮、ミサイル発射を「偵察衛星開発」
 と再び発表――ICBM発射に向けたカモフ
 ラージュの可能性も

 北朝鮮国営メディアの朝鮮中央通信は3月6日、同国の国家宇宙開発局と国防科学院が偵察衛星の開発計画に基づいて再び重要な試験を5日に行った、と発表した。
 同日に同国西岸付近から日本海に向けて発射した弾道ミサイルがこの試験に使われたとみられる。

 北朝鮮は2月27日にも「偵察衛星開発が目的」と主張する弾道ミサイルを発射したばかり。筆者が東京特派員を務める英軍事誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーでは、この一週間で2度にわたる「偵察衛星の開発試験」は実際は、将来の大陸間弾道ミサイル(ICBM)試射に向けたカモフラージュ(偽装)の可能性もあるとみている。

防衛省の分析によると、2月27日と3月5日の弾道ミサイルの軌道はほぼ同じで、前回の27日発射の弾道ミサイルは最高高度が約600キロメートル、飛距離は約300キロメートル。
 今回の5日発射の弾道ミサイルの最高高度は約550キロメートル、飛距離は約300キロメートルとなっている。
 2回とも平壌の順安(スナン)付近から日本海に向けて、通常よりも角度を上げて高く打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射した。

 6日の朝鮮中央通信は、今回の試験を通じ、同国の国家宇宙開発局が「衛星資料送受信および操縦指令体系と様々な地上衛星管制体系の信頼性を確認した」とのみ短く伝えた。
 写真は一切掲載しなかった。

 一方、2月28日付の労働新聞によると、前回27日の試験は、偵察衛星に装着するカメラで地上の特定地域に対する垂直撮影や傾斜撮影を実施し、高分解能撮影システムとデータ伝送システム、姿勢制御装置の特性や動作の正確さを実証したという。
 そして、労働新聞は「偵察衛星の開発において重要な意義を持つ実験となる」と強調していた。

 ●国防力強化として軍事偵察衛星の運営

 北朝鮮は、2021年1月の第8回朝鮮労働党党大会において、国防力強化のための事業として、超大型核弾頭の生産や極超音速兵器、原子力潜水艦などの開発に加え、「軍事偵察衛星の運営」も掲げている。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記(国務委員長)もこの第8回党大会での開会の辞で、「近いうちに軍事偵察衛星を運用して偵察情報収集能力を確保し、500キロ前方縦深まで精密偵察できる無人偵察機をはじめとする偵察手段を開発するための最重要研究活動を本格的に推し進める」と表明していた。

 しかし、偵察衛星を打ち上げるために必要なロケット・ミサイル技術は、ICBM技術と似通っている。北朝鮮は「偵察衛星開発試験」を大義名分にしてミサイル発射とその開発を着々と推進している可能性がある。
 現に北朝鮮は過去に何度も人工衛星の打ち上げと称して事実上の弾道ミサイル発射実験を行ってきた。

 北朝鮮は2016年2月に地球観測衛星のロケット打ち上げと称して「ソヘ衛星発射場」から「テポドン2号」の改良型とみられる事実上の長距離弾道ミサイルを発射した(KCNA)
北朝鮮は、いまだ同国最大のICBMとなる「火星17」を試験発射しておらず、衛星の打ち上げと称して、その発射に踏み切る可能性がある。 
 「火星17」は多弾頭の搭載が可能で、最大射程距離が1万3000-1万5000キロに達すると推定されている。

 3/6(日)  高橋浩祐 (C) 高橋浩祐


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   ❇️❇️経済ニューストピックス❇️❇️
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  米ビザとマスター、ロシア業務停止 
  国際金融からの排除加速

 【ニューヨーク時事】
 ロシアのウクライナ侵攻を受け、国際金融システムからロシアを排除する動きが広がっている。

 米クレジットカード大手ビザとマスターカードは5日、ロシア業務の停止を発表。
 ロシア国内で発行されたクレジットカードやデビットカードが海外で使えなくなるのに加え、国外で発行されたカードの国内利用もできなくなる。

 ビザは声明で、「ロシアによるウクライナへの理由なき侵攻を受け、行動を起こさざるを得なくなった」と表明。
 マスターカードは「不透明な経済環境などを考慮した」と説明した。

 日米欧は経済制裁の一環として、ロシアの一部銀行を世界の銀行決済網「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から除外すると決定。 
 それを受け、ビザとマスターは、それぞれの決済ネットワークから制裁対象の銀行を排除していたが、対象をロシアの加盟店や金融機関全体に広げた形だ。

 米メディアによると、ロシアでのカード決済のうち、ビザとマスターが占める比率は7割程度。
 ウクライナのゼレンスキー大統領が、業務停止を求めていたという。
 ロシア国内で発行された両社カードの国内利用は、別の独自ネットワークを活用するため、継続できる。 

 3/6(日)  時事通信 (c) 時事通信社

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 組織ぐるみで買い支えか 日興証券
 相場操縦事件 取引量の約3割の買い注文

 SMBC日興証券(東京都千代田区)の幹部らが金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で東京地検特捜部に逮捕された事件で、執行役員でエクイティ本部本部長、ヒル・トレボー・アロン容疑者(51)が管轄する2つの部署が連携し、特定銘柄の株価を不正に維持した疑いがあることが5日、関係者への取材で分かった。
 特捜部は組織的な犯行とみて捜査している。

 同社の近藤雄一郎社長は5日の記者会見で、「市場の信頼を揺るがしかねない事態を引き起こしたことを重く受け止め、深く反省している」と陳謝した。

 相場操縦の疑いが持たれているのは、証券会社が大株主から株式を市場時間外で買い取ったうえで、投資家に売却する「ブロックオファー」と呼ばれる取引。

 逮捕された4人はいずれもエクイティ本部の所属。
 関係者によると、同本部が管轄する「エクイティ・プロダクト・ソリューション部」が、大株主や投資家らと調整し、売買価格の基準となる終値の目標を売買担当の「エクイティ部」と共有。  
 同部部長の山田誠容疑者(44)らが、上場会社5社の株について、取引当日に自社の資金で買い支えた疑いがあるという。

 このうち機械卸売会社の株は令和2年8月6日に取引され、市場が閉じる直前の約20分間に約6万株の買い注文を出し、約3万7千株の取引が成立。
 買い注文は同日の市場全体で取引された20万6300株の約3割に上った。
 一時は1万890円に落ち込んだ株価は1万1千円が終値となった。

 山田容疑者らは短期間で取引量の相当数を占める買い注文を繰り返しており、特捜部は不正な取引の証拠になるとみている。 
 関係者によると、特捜部の任意の聴取に対し、4容疑者は取引の違法性を否定したとみられる。 

 3/6(日)  産経新聞 (c) 産業経済新聞社


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 ⭕⭕《今日の東京コロナ感染状況》⭕⭕
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 今日の東京都のコロナ新規感染者数は、9289人と、新規感染者は1週間前の日曜日と比べ1032人減った。
 3日連続で再び新規感染者数が、前の週の同じ曜日を下回った。
 とは言え、死者の数は依然として二桁だし、病床使用率はほぼ横ばいで、都の基準での重症者は増えている。

 尚、3月6日時点の病床使用率は、昨日から僅かに減少し47.7%と、都が国に緊急事態宣言を要請する目安とした50%を漸く下回って来た。

 都が30~40%で緊急事態宣言の要請を判断する指標とするオミクロン株の特性を踏まえた重症者用の病床についての使用率は、3月6日時点で26.2%になり、何とか緊急事態宣言の要請判断となる30%を下回っている。

 また2月2日の発表から、感染者の濃厚接触者に症状が出た場合、検査をせずに医師の判断で陽性とみなす「特例疑似症患者」(みなし陽性者)を総数に含めている。
 3月6日のみなし陽性者は393人。

 東京都は1月13日感染状況の警戒レベルを4段階のうち上から、2番目の「感染が拡大している」に引き上げていたが、1月20日都内の感染状況の警戒レベルを1段引き上げ、4段階のうち最も深刻なレベルにした。
 2022年2月3日には、医療提供体制の警戒レベルも、「最も深刻」なレベルとなった。 
 また医療提供体制の警戒度を、最も高いレベルまで引き上げたのは2021年10月7日以来、およそ4カ月ぶりの処置となった。

 一方、都の基準で集計した3月6日時点の重症患者は、5日から1人増えて71人。
 また今日は死者を12人出した。
 昨日からは18人の減少。
 そうして死者数は減少したが、重症患者数は増えており、第6波は終わりを見せない。
 今は医療逼迫状態と言える。
 時間の経過と共に、緊急事態宣言の適用も有り得る緊迫した状況。
 実際東京の「まん延防止」は21日迄延長。
 明日以降も感染状況に要注目である。

 (松平 眞之)

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 都の担当者は「病院内や高齢者施設での感染が多くなっているが、高齢者や基礎疾患がある人は重症化しやすく実際に亡くなっている。何よりも感染しないことが重症化を防ぐことにもつながるので感染防止対策を徹底するようお願いしたい」と話していました。

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 ⭕⭕コロナ関連ニューストピックス⭕⭕

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 新型コロナワクチン接種後に熱が出るほど
 抗体価が上がる? 日本から複数の研究結
 果が報告


 ファイザー社製ワクチンを1・2回目に接種した人が、3回目に武田/モデルナ社製ワクチンを接種する「交互接種」をおこなった場合、3回目にファイザー社製ワクチンを連続接種した場合よりも、発熱しやすいとされています。   
 含まれている成分量の違いで、発熱しやすいようです。
 また、前者の「交互接種」のほうが抗体価が高くなることが示されています。
 ここで浮上するのが、「新型コロナワクチン接種後の体温が高いほど抗体価が上がるのではないか」という仮説です。

 発熱と新型コロナワクチン接種後の抗体価上昇には相関があるように思われますが、これを証明するため、日本から複数の研究結果が報告されました。

◯体温が高いほど抗体価が上がる

 発熱と新型コロナワクチン接種後の抗体価の関連については、これまではっきりと示されていませんでした。

 国立国際医療研究センターにおいて、ファイザー社製ワクチンの2回目接種を受けた88人の発熱と抗体価の関連が調べられました。
 接種後、体温が37.5度未満だった人と比べると、38.0度以上の人では抗体価が著しく上昇したことが示されています。
 抗体価の差は、接種後2か月以上維持されました。

 また、九州大学病院と福岡市民病院において、ファイザー社製ワクチンの2回目接種を受けた335人の発熱と抗体価の関連を調べた研究結果も報告されています。
 38.0度以上の発熱があると、37.0度未満の人と比べて抗体価が1.81倍高いという結果でした。

 現在3回目接種に関して現在研究中だそうですが、やはり発熱があるほうが抗体価が高い傾向にあるそうです。

 なお、頭痛や関節痛など、発熱以外の副反応が出ても抗体価は変わらなかったとされています。

 この研究では7割以上が翌日に解熱鎮痛薬を服用しています。
 副反応が出た後に解熱鎮痛薬を服用しても、その後得られる抗体価は下がらないことも示されました。

 さらに、富山大学附属病院においても発熱と抗体価上昇の関連性が報告されています(査読前論文)。  
 これでも体温が高いほど、得られる抗体価は高いという結果でした。

 以上、発熱と抗体価の関連を見ると、おそらく3回目接種についても「新型コロナワクチン接種後の体温が高いほど抗体価が上がる」の論理が成立するものと思われます。

◯女性のほうが抗体価が上がりやすい?

 なお、先ほどの九州大学と福岡市民病院の研究によると、女性のほうが男性より1.44倍抗体価が上がりやすいことが示されています。

 これまで人類に接種されたさまざまなワクチンの研究によると、女性の方が副反応が出やすいことが分かっていますので、もしかすると女性のほうがあらゆるワクチンの恩恵を受けやすいのかもしれません。

 まとめ
 接種後に体温が高いほうが確かに抗体価上昇は大きいのですが、発熱がなくても十分抗体価の上昇が見込めます。

 また、ワクチンで得られる効果は、抗体価が全てではありません。
 細胞性免疫といって、抗体価が低下しても重症化を予防できる効果があります。

 そのため、発熱がないからといってガッカリする必要はなく、「発熱があれば儲けもの」くらいの気持ちで接種に臨むとよいでしょう。 

  3/6(日)  倉原優 (C) 倉原優
 

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 (新依存症治療法模索中)

 先日39000円を失い、失望に包まれた私は、その日1日は外出もせずに終始考えていた。

 少額競馬による反動か、それともフラッシュバックか、或いはその両方か。
 ひょっとしたら、ここ数日の株での大損が影響したのかも知れない。
 何れにしても今までの対策では不十分である事だけは確か。

 とする先日からの考えを基本に、財布に2000円しか入らないようにするのにはどうすれば良いか、或いは場外馬券売り場やパチンコ店に行きたくなくなるのにはどうしたら良いかなど、今一度考え直し、先日は場外馬券売場に小銭だけ持って行く事と、パチンコ店に行っても良いが、夕方6時以降にしか行ってはいけないことと、行っても遊タイム(或る程度お金をつぎ込んだら、必ず当ててくれるシステム。天井)到達まで200回転を切っている台しか打たないようにする事を決めた。
 そうすればホールに行っても、打てる可能性が限りなく0に近くなるからだ。

 先日それを実践してみたが、そうした対策を立てた事でホールに行く気もなくなった。
 また先週の週末は、馬券1500円だけの支出だけで、土曜は当たり日曜は外す。
 結果先週はマイナス。

 今日は外出せずに土曜に馬券を買ったレースをテレビで観戦。
 それ以外の時間は、引き続きウクライナ情勢について熟慮した。
 やはり今日はセオリー通り馬券が外れた。
 しかし土曜は馬券が当たったので、ウクライナへの支援募金が増えると思うと、嬉しい。  
 競馬そのものより、ウクライナへの支援募金が増えることが嬉しかったので、そのことは素直に自画自賛したい。
 来週もギャンブルの結果と言うより、ウクライナへの支援募金の為の競馬としたい。

 やはりウクライナの事を考えると、ギャンブルをする気になれない。
 何とも皮肉だが。
 ウクライナには絶対プーチンなんかに負けないで欲しい!
 ウクライナに栄光あれ!

 今の私は無力である。
 しかし自主治療だけは続ける。
 あと、ウクライナの応援をする事も。

 小さいことだが、昨日もウクライナ製のお菓子を買って帰って来た。  
 プーチンを食い止める事と自主治療は、こうした小さいことの積み重ねであるように思う。

 ウクライナも自主治療も前進あるのみだ!

 (松平 眞之)

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