2023/03/13 『富江』シリーズを観る

文字数 2,857文字

ホラー漫画家伊藤潤二先生が描いた『富江』が原作の映画シリーズを観ました。

『富江』(1999年)
『富江 アナザフェイス(TVドラマ)』(1999年)
『富江 replay』(2000年)
『富江 re-birth』(2001年)
『富江 最終章 -禁断の果実-』(2002年)
『富江 BEGINNING』(2005年)
『富江 REVENGE』(2005年)
『富江 vs 富江』(2007年)
『富江 アンリミテッド』(2011年)

原作漫画を読んでから映画を観るべきなのか少し迷いましたが、大概の実写作品は原作と比べるとイマイチですので、全部観終わってから読む事にしました。『富江』の映画は一作ぐらいは見た事があったような気もしますが、記憶が曖昧です。


『富江』シリーズ一作目の富江役は菅野美穂さん。
眼帯をした青年が古いアパートの一室で富江を育てている風景は、なんだか異常な感じがしてとても良い雰囲気です。時代を感じさせる四半世紀前の映像もこの作品に合っていて良いですね。

富江がどのような能力を持っている存在なのか知らなかったので、映画のラストの意味が最初分かりませんでした。少し考えてみると多分そういう事なんだろうなって思えましたが確信はありませんでした。でもこれ以降の映画を観たら、やっぱりそういう能力を持っていたんだと分かりましたけれど。

『富江 アナザフェイス』はTVドラマ作品でオムニバスの全三話。富江役は永井流奈さん。永井さんは『千年王国III銃士ヴァニーナイツ』とその後に出演していた『出動!ミニスカポリス』で観ていました。
永井さんの多少たどたどしさを感じさせるセリフの言い方が、人外の存在っぽくて良いです。

『富江 replay』富江役は宝生舞さん。『人造人間ハカイダー』のヒロイン役で初めて知った女優さんです。
冒頭に出てくる急患の、腹部が異常に膨らんだ少女の手術場面は不気味で良いですね。地下室の大きな水槽がある、薄暗くて怪しい実験室とか大好きなのでワクワクします。

『富江 re-birth』富江役は酒井美紀さん。この富江は無邪気さがあって、そこが不気味です。
ヒロインのエンクミ・遠藤久美子さんがカワイイ。
完全体(オリジナル?)の富江は不完全な富江を見下すんですね。

『富江 最終章 -禁断の果実-』富江役は安藤希さん。『ガメラ3 邪神覚醒』での役は薄っすらと覚えていますが、『タッチ』は観たはずだけれど覚えていません。
冒頭で女子高生が貞子の呪いのビデオの話をしていますね。ルーズソックスが流行っていた頃のようです。
ヒロインは宮﨑あおいさんですが、登場時はメガネをかけていたので誰だか分かりませんでした。メガネを外しても、当時16歳ぐらいの顔はかなり幼く見えます。

この映画は他の富江の映画よりもホラー度が低い感じです。富江は誰も殺しませんしね。でもつまらないってわけじゃないです。
この映画は一番ストーリーがスッキリしていて観やすい映画でした。こういうストーリー展開も他のシリーズと差別化できて良いんじゃないかと思います。最後のオチもなかなか好きですし。

『富江 BEGINNING』富江役は松本莉緒さん。松本さんが出演していたV6カミセンが主役のSF映画『COSMIC RESCUE』とドラマの『ガラスの仮面』は観た事があります。

この映画の話は一作目の『富江』の前日譚にあたるもので、一作目に出ていた眼帯をした青年が登場します。この話のラストから一作目の冒頭へと繋がっているようですが、青年が目を負傷した理由が違っていますね。
コンビニ袋の中に入っていたものは、最初からあの形状をしていたわけではなかったようです。

富江を襲撃した三人組の生徒が変な衣装を着ていたのにはちょっと違和感がありましたが、変装のために演劇部あたりから借りてきたのかも知れないと考えれば一応納得もできます。しかし、持っていた刃物はいったいどうやって手に入れたのかが疑問です。一般人が手に入れる事は不可能な種類の刃物ですよね。先生も類似の大型の刃物を持っていたし。そこは普通に売っているナイフや包丁やナタのほうが良かったんじゃないかと思いますけど。

先生とクラスの男女みんなが楽しそうに解体している場面は、全員頭がイっちゃってるんでしょうけれど、富江の能力ってそこまで強力なんですかね。

『富江 REVENGE』富江役は伴アンリさん。記憶を失っている少女役は『バトル・ロワイアル』で川田の恋人役として回想シーンに出ていた美波さん。
身体がひどい状態の男性が二人出てきましたけれど、普通そんな状態では生きていられないよなーって思いましたが、これも富江の能力なのかな?

富江を倒すために使われたショットガンはストックの無い「スパス12」でしたが、一般人がどこでそんな銃を手に入れたの? って思いました。これは普通の競技用や狩猟用の上下か水平二連式の散弾銃を映画用に準備するのが難しかったからでしょうかね。

ポンプ式のショットガンはおもちゃ屋に行けば買えますが、二連式の散弾銃は売っていませんから実銃とは真逆です。たぶん製作会社の小道具の種類が貧弱なせいでしょう。(今ならマッドマックスのロングバレルショットガンが売っているようですが)

『富江 vs 富江』富江役はあびる優さんと松岡恵望子さん。
な~るほど、こういう切り口で来ましたか、って感じの面白い話です。同族嫌悪的に富江は富江が嫌いらしいですが、本当に純粋なオリジナルと呼べる富江は存在しているのでしょうか。よくバラバラにされているから分裂しているかもしれないし。
冒頭の幼い富江が二人いるシーンはなんか好きです。富江に魅了されない青年はなんでなんだろうと思っていたら、そういう事でしたか。最後の富江の顔はすごく魅力的でした。

『富江 アンリミテッド』富江役は仲村みうさん。ヒロインは『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』で門矢小夜 / 大神官ビシュム役だった荒井萌さん。

この映画は観客を本気で怖がらせようとして作っているとは思えないような感じがします。どちらかと言えばガチャガチャとした騒がしい、ギャグなのかコメディなのか分からないような海外のホラー映画っぽいような感じです。
井口昇監督のグロ系の変(?)な映画は好きなので何作か観ていますが、そんな感じの映画になっていますね。
Jホラー特有の精神的に怖い映画ではないので、好き嫌いが別れそうです。

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富江の映画は各映画毎に色々とバラエティーに富んでいて、それほど同じような話はないので飽きずに視聴出来ました。富江役の女優さんが毎回違っていて、それぞれに個性があってキャラが微妙に違っているせいもあるのかもしれません。

次は原作漫画の富江を読もうと思いますが、漫画を先に読んだ方が良かったのかもなあとちょっと思っています。

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