2022/05/13 『まんが未知』プロ漫画家からの実践的な連載術指南!

文字数 1,340文字

『1話が重要なのは言うまでもない。2話3話で力を抜いて、そこで消えていくパターンがすごく多い』

今週の『まんが未知』は、宮下兄弟がプロ漫画家の山田玲司先生からアドバイスを貰う回だった。
「この話どう思った?」と弟に尋ねる先生。けれど弟は「面白いです」とは即答せずに、なんとなく言い訳がましい事を言ってから「面白いかなと思っている」と答えた。
「これつまんないよってお兄ちゃんに言える?」との質問には、二人で話し合っているとは言っていた。でも、なんとなく気が弱そうに見える弟は、押しが強くて俺の意見は絶対正しいんだって思っていそうな兄に何かを言ったとしても、言い負かされていそうな気もする。あくまで気がするだけで、実際はどうなのか知らないけれど。

3話目までが前フリで、それ以降が本当にやりたい話だと説明する兄。
「3話目までをフリにしたら、連載が終わる。次の連載は無い」「序盤3話で読者の心を掴まないと漫画家は終わる」
宮下兄弟が描いた漫画について。
「読者は設定資料を読まされている感覚」「進撃の巨人でやられたなと感じるのは、いきなり3ページ目で読者の心を掴んでいる」「いきなり強烈な掴みを入れて、あとの設定は全部隠している」
「宮下兄弟の漫画は全部の設定を言っている、僕の設定書なんですという感じになっている。これは謎のままで良い」
「新人漫画家が1発目で売れようと思ったら、命懸けで3話目までを描かないといけない。なんなら4話目以降の事などは考えなくても良い」
「3話目までに漫画家生命の全てを注げ」

『連載3話目までに描くべき事』(超実践的漫画メソッド)
◎世界観の説明はいらない。ムカつく奴を殴りたいとかのシンプルなところで読者と共感する。そこだけで良い。
◎キャラをまるで自分のような奴と思わせて、そんな自分のような奴がこんな目に遭ってしまう。となって初めて読者は読まずにはいられなくなる。

『第1話ですべきこと』
◎キャラに親近感を持たせて引き込む。とにかくキャラに親近感を感じさせ、読者にとって他人ではなくしてしまう事が重要。

『2話目ですべきこと』
◎前回の振り返りから始める(冒頭に入れる)。1話目は初めての世界を見せているから、読者はその世界をよく分かっていない。2話目は1話のダイジェストにして、主人公が現在の状況を理解すると共に、読者がその物語を理解するという過程をリンクさせる。
◎重要な選択を迫られる主人公(逃げるのか戦うのか等)。1話目で読者が主人公に感情移入していたら、自分の事のように注目する。
◎2話目の最後に次なる予想外の展開を入れる。すると読者は期待して3話目も読んでくれる。

『3話目ですべきこと』(読者の心を完全に掴むと、自分のための連載が始まったと感じる)
◎一番気持の良い展開を持ってくる。主人公に様々な事が起こり、大きな圧がかかり、もうだめだと思う所で一番気持ちの良い展開を持ってくる。一番残酷な事でも良い(作者の選択に任せる)。
◎主人公の決断は3話目の最後に持ってくる。主人公はこれから何をするのかという目的が決定する。

以上の事を基礎として、自分が考え出した誰も想像がつかないような新しさを加える。新しい物を持ち込めた作者だけが次の時代のスターになれる。

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