2023/03/26 『AI』に小説を書いてもらった(2)

文字数 6,284文字

「今はそれどころではありません! 早く逃げないと!」
 そう言って、青年の手を引くメイ。
 だが、青年はそれを振りほどき、逆に彼女を抱き寄せた。

「えっ?」
 驚くメイに微笑みかけると、青年は言った。
「もう遅いよ……」
「何を言っているんですか?」
 困惑するメイ。
「ほら、見てごらん……」

 青年の言葉に誘われるように、視線を戻すと、そこには信じられないものが映っていた。
 なんと、ドラスがアルヴィーナの攻撃を受けて倒れているではないか。
「ドラスさん!」
 思わず叫ぶメイ。

「しっかりしてください!」
 駆け寄ろうとする彼女を、青年は再び引き止めた。
「邪魔をしては駄目だよ……」
「嫌です!」
「お願いだから言うことをお聞き……」
「絶対に離しません!」
 必死に抵抗するメイ。だが、彼女の力ではどうすることもできなかった。

 やがて、ドラスの元にたどり着いた彼女は、その姿を見て絶句した。
「そ、そんな……嘘でしょう!」
 全身血まみれになったドラス。
 その胸からは、おびただしい量の血液が流れ出ていた。

「ねぇ、ドラスさん!」
 呼びかけるが返事はない。
「目を開けて下さい! 死んじゃいやぁっ!!」
 メイの悲痛な叫びが響き渡る。
 しかし、その願いは届かなかった……。
 ドラス・カルカヴェイン――享年(きょうねん)36歳。
 彼はこの日、短い生涯を終えたのである。


 ――数分後、アルヴィーナとの戦闘は続いていた。
「ぐっ!」
 ドラスの一撃が、アルヴィーナの脇腹を切り裂いた。
「ちっ!」
 小さく舌打ちをするアルヴィーナ。だが、彼女は(ひる)むことなく反撃に出た。
 繰り出される拳を紙一重でかわすと、カウンター気味に蹴りを放つ。

 だが、それは読まれていたようで、
「ふん、甘いぜ!」
 腕でガードされてしまう。
 すかさず、もう片方の腕で殴りかかる。
 それも防がれ、今度は頭突きを繰り出してきた。
 まともに食らい、一瞬意識が飛びそうになる。

 なんとか踏み留まると、今度は強烈な回し蹴りを放った。
「ぬぅん!」
 しかし、これもまた阻まれてしまう。
「やるじゃないか……」
「あんたもな……」
 睨み合う両者。

 そのまま数秒が経過した後、再び激しい攻防が始まった。
 互いに一歩も引かない戦い。
 それに終止符を打ったのは、アルヴィーナの方だった。

「このままだと不毛(ふもう)な戦いになりそうだな……ならば、これで終わりにしてやろう」
 そう呟くと同時に、彼女の身体が光に包まれる。
 そして次の瞬間、その姿は消え去り、代わりに巨大な龍が現れた。
「なんだと!?」
 あまりの出来事に驚愕するドラス。だが、すぐに気持ちを立て直すと、
「おい、お前ら!」
 と仲間達に叫んだ。

「今すぐここを離れろ! こいつは俺が食い止める!」
「でも、ドラスさん!」
「いいから行けぇっ!」
 そう叫んで剣を構えると、龍に向かって斬りかかった。


 一方、その頃……
 (ここは?)
 メイは、真っ暗な空間の中に立っていた。
(確か私、さっきまで戦っていて……)
 そこまで考えた時、目の前に見覚えのある人物がいることに気づいた。
「あ、貴方は……!」
 メイは驚きの声を上げた。何故ならそこにいたのは、先程見た青年だったからだ。

「どうして貴方がここに?」
 問いかけるメイだったが、青年は何も答えない。
 ただ、微笑んでいるだけだ。
 だが、そんな彼の態度を見て、メイはある結論に達した。
 (そうか、分かったぞ……私は夢を見ているんだな……だからこんなところにいるんだわ……きっと、あの人も……)

「そうよね?」
 と青年に話しかけると、メイは続けた。
「貴方は、あの人なんでしょう? 私が助けられなかったあの人の……」
 メイの言葉に、青年はゆっくりと首を振った。
「違うよ……」
 その言葉を聞いて、
「やっぱりそうなんですね……」
 メイは俯いて呟いた。

「貴方は、私の知っているドラスさんじゃないんですね?」
 青年は無言のまま肯いた。
「じゃあ、一体誰なんです?」
 メイの質問に、青年はようやく口を開いた。
「僕は、君の中にあるもう一つの人格だ」
「もう一つ?」
 メイは不思議そうな顔を浮かべた。

「そう。僕達は、一つの肉体を共有するもう一人の人間……」
「それが、私と貴方……」
「うん。君は僕の大切な存在だよ……」
「そう……」
 メイは微笑みながら言った。
「つまり、今の貴方が本当のドラスさんの心というわけですね……」
「そういうことだよ……」
「分かりました……」

 メイは深呼吸すると、意を決して尋ねた。
「それで、貴方は何をしに来たのですか?」
 青年はニッコリ笑うと言った。
「お別れを言いにきたんだよ……」
「お別れって……どういう意味なんでしょうか?」
「そのまんまの意味さ……」
 青年の顔には寂しさのようなものがあった。

「もう二度と会えないってことですよね……そんな……」
「仕方がないよ。元々、この身体はドラスのものなのだから……」
「嫌です!」メイは叫ぶように言うと、必死の形相で詰め寄った。
「お願いです! いかないで下さい!」
「ごめん、無理なんだ……」
「どうしてなんです!」
「だって、僕はもう死んでしまったのだから……」

「えっ……?」
 呆然と立ち尽くすメイ。
 その目には涙が浮かんでいた。
「嘘ですよね?」
 震える声で尋ねる。

 しかし――

「本当なんだ……実は、君のことをずっと見守っていたんだけど、ついさっき限界がきてしまったみたいでね……。これ以上、君のそばにいたら迷惑をかけてしまうと思ったから、こうして出てきたのさ……」
「そんな……酷いです……」
「本当にごめん……でも、最後に一つだけ言わせてくれないかな……?」
「何ですか……?」
 メイの問いに、彼は静かに語り始めた。

「ドラスのことなんだけど、あいつは不器用だけど、本当はすごく優しい奴なんだよ。それに、とても勇敢だし、おまけに強いときてる……彼はまさに英雄と呼ぶに相応しい男だと思うよ」
「…………」
 黙り込むメイ。

「それと、ドラスは僕のことを信頼してくれていたんだ。『お前は最高の相棒だ』と言ってくれたこともある。嬉しかったなぁ……」
「そうだったの……」
「あと、これは余談なんだけど、あいつは巨乳好きだっていう噂があってね。僕も結構胸がある方なんだけど、残念なことに貧乳好きだったみたいなんだ。だから、僕達の間に子供はできないと思う……それだけが心残りだよ……」

 そこまで話すと、「ふぅっ」と息を吐き、真剣な表情になった。
「さてと……そろそろ時間切れみたいだ」
「待って!」
 慌てて引き留めようとするメイ。だが、青年は彼女の言葉を遮るようにして話し始めた。
「メイちゃん、君に出逢えて良かったよ。短い間だったけど、一緒に冒険できて楽しかった……ありがとう!」
「私の方こそ、貴方と一緒にいられて幸せでした!」
 メイの言葉を聞き、青年は満足げに微笑むと、そのまま光の粒となって消えていった。
(さよなら……)
 メイは心の中でありったけの想いを込めて叫んだ後、ゆっくりと目を閉じた。

「うおおぉっ!」
 ドラスは雄叫びを上げると同時に剣を振るった。
 龍の首に命中したそれは、見事に切断したが、その直後再生を始めてしまう。

「ちぃっ! これじゃあキリがねえぜ……どうすりゃいいんだ!?」
 焦るドラスだったが、その時あることに気づいた。
(そうか……こいつを倒す方法なら、たった今思いついたぞ)
 ニヤリと笑い、龍の方を見る。
 そして、大声を上げて呼びかけた。

「おい、化け物! よく聞け!」
「ん? 何かな?」
「俺達が戦う理由は何だ? どうして俺達は戦っている?」
「決まっているだろう? この世界を守るためさ!」

 アルヴィーナの言葉を聞いて、「ああ、そうだな……」ドラスは呟くように言った。
「確かに、お前の言う通りかもしれねぇ……」
「それじゃあ、分かってくれるかい?」
「だがな……一つだけ忘れていることがあるんだよ!」
 ドラスの言葉に、アルヴィーナは首を傾げた。

「一体、何を言っているんだ?」
「簡単なことだ。俺達は正義のために戦ってきたんじゃない! ただ、仲間を守るために戦っただけだ!」
「それがどうかしたのか?」
「まだ分からねえか! 俺達は悪者じゃない! 勇者でもない! ただの冒険者なんだ!!」
 ドラスの叫びが周囲に響き渡る。
「だから、俺はお前を殺すためにではなく、守るために戦う! それが、俺達の答えだ!! 分かったか、クソ野郎が!!!」

「……」
 しばらくの間沈黙していたアルヴィーナだったが、突然高らかに笑い出した。
「ハハッ、面白いじゃないか! まさか、こんな方法で倒されるなんて思ってもいなかったよ……」
 そう言いながら、自分の首に向かって手を伸ばす。

 次の瞬間――
 ゴトリッという音と共に、巨大な頭が落ちてきた。

「なるほど、これがお前の弱点というわけか……」
 ドラスは感心しながら言った。
「まあ、そういうことになるね……」
 肩をすくめるアルヴィーナ。

「さてと、これで戦いは終わりだ。約束通り、この世界を救ってやるよ!」
 ドラスは聖剣を構えると、一気に駆け出していく。
「いくぜぇっ!」
 そして、勢いをつけてジャンプすると、アルヴィーナの身体を一刀両断にした。

「ぐわぁぁっ!」
 苦悶の表情を浮かべるアルヴィーナ。
 同時に、その身体が光に包まれていく。

「やったか?」
 着地し、様子を見守るドラス。
 やがて、光が消えるとそこにはアルヴィーナの姿はなかった。

「ふう……」
 ドラスは大きく息をつくと、その場に座り込んだ。
 しばらく休むことにしたようだ。


 一方、その頃――
「……」
 メイは無言のまま歩いていた。
(ドラスさん……)
 彼のことを考えると、胸が締め付けられるような気持ちになる。

「ううっ、ううっ……!」
 とうとう我慢できなくなり、メイの目から涙が溢れ出す。
 彼女はその場で立ち止まると、泣き続けた……。

 それから数時間後――
 メイはようやく落ち着きを取り戻した。
「もう大丈夫?」
 心配そうに尋ねるアリッサに、メイは笑顔で答える。
「うん、平気だよ……」
「そう、良かったわ……」
 安堵の溜息を漏らす彼女。

「さてと、これからどうするんだい?」
 エルザが尋ねてくる。
「とりあえず、街に戻ることにするよ」
「分かった。それじゃあ行こう」

 一行は歩き始めたが、メイだけはその場に留まったままだった。
「ごめんなさい……私は行けないよ」
 俯き加減で言うメイ。
「どうしてだい? 君はまだ子供だろう? 一人で生きていけるとは思えないけど……?」
「そんなことないよ。私だって冒険者の端くれだから、生きる術ぐらい知っているもん!」
 メイは胸を張って言った。

「それに、皆に迷惑をかけるわけにはいかないし……だから、ここでお別れにするね! 今までありがとう!」
 メイは満面の笑みで言った。

 だが、すぐに悲しげな顔になり、ポツリと言った。
「でも、やっぱり寂しいかな……本当は一緒に行きたいんだけど……ぐずっ……!」
 再び目頭が熱くなり、視界が滲む。
「ううっ……ううっ……うわああああんっ!!」
 ついに堪えきれず、大声で泣いてしまう。
「うえええんっ! ふえぇんっ!……ひっく……!」
 しばらくの間泣き続けていたが、やがて落ち着いたようで静かになった。

「……」
 その様子を黙って見つめていたアリッサ達だったが、意を決したように口を開いた。
「ねえ、メイちゃん……」
「何?」
「もし良ければ、私達のパーティーに入らない? もちろん、無理強いするつもりはないけど……」
「……」

 メイは少しの間考え込んでいたが、
「分かった、入るよ!」
 と言って大きく首を縦に振った。
 こうして、メイは新たな仲間に加わったのだった――

【第2章 完】


 時は流れ、現在――
「……それでね、その時にドラスさんったら……」
 メイは嬉々として話している。
 今は休憩中。焚き火を囲みながら、ドラスのことを語っているのだ。

「へぇー、ドラスって意外とやるんだねぇ~!」
 感心したように言うアリサ。
「まあ、確かに悪い人じゃないよね。僕も嫌いじゃないなぁ」
 同意するように言うエルザ。
 ちなみに、ドラス達は今

 ――The End――

 ◇◇◇◇◇◇

『感想みたいなもの』
 元はSFメカメカバトルアクションだったのに、なんだか完全に普通の異世界ファンタジーの話になってしまったので、途中で強制終了としました。
 意味ありげな巨大ロボはいったいどうなったんだろう? 主人公はどこへ行った?

 女性捜査官は龍の姿になれるようだし倒されちゃうし、無茶苦茶すぎてかえって面白い気がします。途中からメイちゃんが主人公っぽくなっているのもわけが分からなくて面白いかも?

 最後のほうで【第2章 完】となっていますが、【第1章】はどこからどこまでで、【第2章】はいつ始まったんだろう?

 しかし、いったいドラスって何者なのかな? 「ドラス達」と最初にコピペしたからドラスは複数人いるんだとAIは判断したのだろうけれど、善人なのか悪人なのか? 敵なのか味方なのか?

 本来は敵側の複数いる単なる下級工作員のつもりだったんだけれど、どうやらドラス達にはそれぞれに自分の知らない色んな個性があり、複雑なドラマがあったみたいですね。悪人もいれば善人もいるようです。その点がちょっと興味深くて面白かったかな。

 メイちゃんとドラスの関係とか、もっと深く知りたかったですね。どんな繋がりがあって、どんな物語がそこにあったのか、とか。

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 米国の出版社への応募では、AIが書いた小説は禁止されているようです(全出版社が禁止しているのかどうかは知りませんが)。
 という事は、人間が書いた小説よりも面白い小説をAIは書けるって事なのかもしれません。禁止とは言っても、AIが書いたのかどうかを見破れる人がいるのか分かりませんけれど。

 日本の場合はAIが書いた小説のコンテストも開催されているし、第9回の「星新一賞」では、AIを使って書いた作品が一般部門優秀賞を受賞したそうです。
 読者としての自分は、AIが書いた小説であろうが人間が書いた小説であろうが、要は面白ければそれで良いのだから、どっちでもいいんじゃないの? って思っています。

 今のところはAIが単体で物語を考えて小説を書けるまでには進化していないので、人間があれこれと入力したりして補助をしなければなりませんから、AIと人間との共同作業って感じです。

 人間の長い歴史の中で物語は無数に作られていて、もはや出尽くしているかもしれませんので、大量のヒット作を分析してパターン化してAIに学習させて、それを破綻しないように組み合わせるような事が出来れば、AIが勝手に物語を創造するようになるかもしれません。

 アイデアはあるんだけれど、それを文章にするのはちょっと苦手だなって人は、AIを上手に使いこなせば面白い小説が書けるかもしれませんね。

 AIが描いたイラストもめちゃくちゃ凄いし、実写にしか見えないグラビアアイドルの画像も、とんでもなく凄い進化をしていて驚かされます。
 まだちょっと手の指の描写は苦手なようですが、ポーズを自在に変化できるようにもなりましたし、そんなのはすぐに解決するでしょう。

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(もしもこの小説の続きが気になる人がいたとしたら、この小説をコピペして、続きをAIに書いてもらって下さい)

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