2020/07/21 リュウケンドーだよ! その他、“闇に生きるモノ”

文字数 1,071文字

ずいぶん前の事ですが、親戚の家で法事があったので出かけました。
親戚が大勢集まっている中、一人の親戚が保育園児か小学校低学年くらいの男の子と話をしている。
その親戚は子供を置いたまま嫁に逃げられた男で、親子での会話である。

その男が子供に言う。
「ジュウケンドーが……」

ん? ジュウケンドー? 銃剣道
「そりゃあんた、『ジュウケンドー』じゃなくて『リュウケンドー』でしょうがっ!」
ってその男に言いたかったのだが、とりあえずやめておいた。
その後も何度もジュウケンドーって言っている。その度に言いたくて言いたくてウズウズしたが、必死でこらえる。

また別の親戚の集まりがあった時、バス移動の車中でその家の中学生と小学生の姉妹が、ピンク色の音楽プレイヤーかゲーム機(?)みたいな奴で音出しで音楽を聴いている。
この曲は一発で分かった。『マクロスF』のシェリルの歌声だ。マクロスFは名曲ぞろいで、当時はヘビロテでめちゃくちゃ聴いていた。その時も、
「マクロスFが好きなの? 俺も好きなんだよ」
って言いたくて言いたくて仕方が無かったのだが、その心をググっと抑えて必死で耐える。

もし仮に、そんな事を大勢の親戚の居る前で自分が言い出したとしよう。するとたちまち、あの家の○○はいい歳こいてオタク趣味の持ち主だ、気持ち悪い、頭がおかしい、などと言う罵詈雑言を浴びせかけられ、罵倒されて迫害され、村八分にされる事は火を見るよりも明らかな事だ。
そんな危険な行為は絶対に犯してはならない。

♪闇にか~くれて生きる、俺たちゃオ~タ~ク人間なのさっ♪

最近のオタクの皆さんは人目もはばからずにパフォーマンスを繰り広げているようだが、まだオタクがオタクと言う名称で呼ばれていなかった古の時代には、普段は自分がオタクであるという真実を胸の奥深くに隠し、一般社会に巧妙に紛れてすごし、仲間内で集まった時くらいにその秘められた真実のオタク魂の全パワーを完全解放する! って感じでした。
大体の人はそんな感じでしたが、例外の人も数人おられました。ごく普通の一般人に対して漫画やアニメの話題を平気で話す人、同人誌即売会からコスプレのまま帰る人(ちなみに早瀬未沙の制服姿でしたので、まあ、ギリ普通の服に見えなくも無い)など。

現在のように大っぴらにオタク活動をなさっている皆さんには、他人に迷惑を掛けない範疇であるならばそれは個人の自由だし、特に全く全然何かを言いたいとかの気持ちはありません。
しかし自分としてはやっぱり、ひっそりコッソリオタクでいる方が、ちょっとばかりの背徳感とか感じられて好ましいです。
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