2022/05/12 ハライチ岩井が原作の漫画『ムムリン』を読んでみた

文字数 1,506文字

『まんが未知』の司会者であるハライチ岩井が漫画の原作をやっているという事で、どんな内容の作品かと興味があったので『ムムリン』を読んでみた。
藤子・F・不二雄先生っぽさの中に藤子不二雄Ⓐ先生っぽさも少し感じさせる絵柄。
読んでみると、主人公の少年の性格・言動は岩井そのものという感じ。
正直、自分にはこのモラハラモンスターみたいな少年を、今の段階では好きになれない。ムムリンに対する態度は、弱い物いじめのように感じられて不快だ。

ムムリンがなぜこの少年の家に居候しているかの理由も弱い気がする。宇宙船の爆発事故で、四次元空間に放り出されて少年の部屋に現れたわけだが、こんなにひどい事ばかりを言う少年と同居したいと思うかな? 行く当てのないムムリンを哀れに思った、少年の心優しい母のおかげで同居する事になったわけだけれど、もっと優しくて親切な子供のいる家を探せば良かったのにと思う。少女にはペット禁止という理由で断られたが、もっともっと探せば良い家が見つかったのではないかな。

この少年の部屋に同居するならば、もっと強い動機や理由が必要な気がする。どうしても少年と一緒にいなければならない理由が。
よくある例としては、ムムリンのとても大切な何かが、四次元空間を抜けた拍子に少年の身体に入ってしまって取り出せないとか、間違って何かの魔法的な契約を結んでしまって離れられないとか、この少年が特殊な体質だったりして、この少年からしか何かのエネルギーを補給できないとか。
いろんなキャラがどっかからやって来て同居する漫画って昔から沢山あるけれど、ドラえもん以外はどんな理由だったか思い出せない。Qちゃん、怪物くん、ウメ星デンカ、ジャングル黒べえ、どんな理由で同居していたんだっけなー?


はたしてこの少年には友達がいるのだろうかと思う。自分だったらこういう性格の人間とは友達にはなれない。もし同級生だったとしても、かなり距離を置いての付き合いになりそうだ。
少年が言っている事は正しいのだろうが、社会の中での人間同士の関係などは、そんなに少年が言っている通りにはいかないような気がする。
この少年には、他人に対する愛情や親切心や優しさなどが欠如しているように見える。このまま大人になれば、社会の中で将来孤立してしまいそうだ。

何話かは、この少年にも良い所があるように描かれている。だが、これはキャラ設定がブレているのか、それとも普段は表面に表さないが、本当は他人を思いやる優しい気持ちが有るのか、それがどちらなのか今の所分からない。
もしかするとムムリンと交流している内に、この少年はモラハラモンスターから脱却して、人間らしい優しい心を持った少年になっていくという物語なのかもしれないが。
最終回で、大人になった少年がムムリンのためにNASAなどで技術者になり、宇宙船を開発してあげて、ムムリンを故郷の星に帰してあげるとかの、パクリみたいなベタな展開の話にするのだけはやめてほしい。(著作権問題でOUTになった、同人誌のドラえもんの最終回のパクリみたいな展開はやっちゃダメだよな)

この少年を不快だと感じる人は、けっこういるのではないかと思う。これをわりと万人向けにするには、普段は普通に明るく優しい少年でムムリンとも仲良しだが、自分や友人、その他の人に理不尽な事を言ったり行動する人間に対する時だけ、モラハラモンスターと化して徹底的に相手をやり込める。あるいは、心理学などを駆使して、巧みな話術で相手を優しく改心させる。とかの設定にすればどうだろう。
そんなんじゃ面白い漫画にならないかな? (不快な少年だからこそ、面白いと思う人もいるだろうし)

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