2024/03/30 『GPT-4 Turbo』が無料で使えるようになった件

文字数 3,875文字

先日『GPT-4 Turbo』が無料で使えるようになったと書いたけれど、それがどこで使えるようになったのかは書かなかった。それはあえて書かなかった。なぜなら、そこはな~んとなく胡散臭いというか、不信感をぬぐい切れないというか、そんな風に自分が感じていたからだ。

そこの存在を初めて知ったのはYouTubeでだった。通常は月額20ドルかかる「GPT-4」が、そこでは無料で使えてしまうと知って、これはありがたい神サイト! と最初は思った。しかし、世の中に本当にそんなうまい話ってあるものなのか? と疑ってしまう。世間では「タダほど安いものはない」という言葉と同時に、「タダほど高いものはない」とも言われている。無料という言葉に目がくらみ、喜んで飛びついてとんでもない事態に陥るという、詐欺まがいのようなものに引っかかることもある。

月額20ドルのサービスがなぜ無料で使えてしまうのか、その納得できる詳しい説明がされていないと、これは完全には信用できない。(一応、なぜ無料なのかは書いてはあるが、説明になっていないと思う)でもまあ、新しく開始したサービスにはよくある事だが、最初は制限なしの無料で使いたい放題だけれど、利用者が増えて世間の認知度が高くなるとサービスに制限を設けたり、制限はしないけれど、もっと高度な機能が使える有料プランを設定したりするのは常套手段ではある。だからそこもいたって健全な普通のサービスを提供しているだけなのかもしれない。……でもやはり、石橋を叩いて叩いて叩き壊して、結局は渡らない性分の自分には不信感が残る。

YouTubeで最初にそこを知った時には、運営元は日本の企業であると言っていた。しかし別の情報では、画像生成をした時、その画像が表示される前に、一瞬だけ某国の文字が表示されると書かれてあった。日本の企業だとしたらあり得ない。英語だったらともかく。(プログラムの作成を某国に依頼した、とかだったらあり得るのかもしれないが)

そしてさらに調べてみたところ、日本に一応会社はあるらしいが、本社はやはり某国だった。その日本の会社に、本当に人がいるのかどうかは疑わしい。製品を販売している会社ではないから、事務や営業などの社員は必要ないはず。何かの問い合わせには、日本語ができるスタッフが某国からのリモートで対応できるはず。日本の会社はひょっとすると、よくある名前だけで実体のない、幽霊会社なのかもしれない。(これは単なる自分の妄想だから、ちゃんとした企業の可能性もある)

本家の「GPT-4」の利用規約には、ユーザーが使用したデータをAIに学習させないと書いてあるらしい。ところがそこの規約にはそんなことは書いてないという。(自分で実際に読んでみたが、やはりそれらしきことは書かれていなかった)ということは、ユーザーが使用したデータをAIに学習させる、またはそのデータを別の何かに利用する、ということも考えられる。

個人的な遊びで使う分にはそれほど影響がないのかもしれないが、国や地方自治体などの公的機関、および企業の極秘情報などは、そこでは取り扱わない方が賢明だろう。無料で使えるというのをエサにして、重要で貴重なデータを収集するのが目的なのかもしれないし。(これは単に自分の妄想だから、そんなことは決してない、健全な会社なのかもしれない)

で、更に色々と調べていると、興味深い事が書かれているページを見つけた。その人も、本来有料であるはずの「GPT-4」が、無料で使えてしまうのはおかしいと感じていたようだ。その人はこう考えた。使用しているそのAIは、本当に「GPT-4」なのか? もしかするとそれは、誰もが無料で使える「GPT-3.5」なのではないか? と。この発想は自分にはなかったから驚かされた。

本当に「GPT-4」ならば2023年4月までの情報を持っているはず。しかし「GPT-3.5」だとすれば、2021年9月までの情報しか持ってはいない。それを確認するには簡単な質問をしてみればいい。それはYouTubeで何度も見た方法。日本の首相は誰なのかという質問だ。今回は自分で実際にやってみた。

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【「GPT-3.5-16K」への質問】(24/03/22)

Q:2023年1月時点の日本の首相は誰ですか?

A:2023年1月時点での日本の首相は、菅義偉(すが・よしひで)でした。

(※2021年9月までの情報しかないのに、2023年1月の首相を答えてしまう。しかも間違っている。菅さんは2020-21年。「GPT-3.5」に日付を指定せずに日本の首相は誰かと聞くと、通常は菅さんだと答える。しかし今回は2023年1月時点と指定しているのに、菅さんだと答えるのはおかしい。が、まぁ、それはどうでもいい)

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【「GPT-4」への質問】(24/03/22)

Q:2023年1月時点の日本の首相は誰ですか?

A:申し訳ありませんが、私の情報は2021年9月までのものであり、それ以降の具体的な事象については知ることができません。それ以降の情報を得るには、最新のニュースや信頼性のあるウェブサイトをご覧いただくことをお勧めします。

(※「GPT-4」なら2023年4月までの情報を持っているはずなのにこの答え。君、本当は「GPT-3.5」だろ?!)

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【「GPT-4 Turbo」への質問】(24/03/27)

Q:2024年3月時点の日本の首相は誰ですか?

A:2024年3月時点で、情報が更新されていないため、現在の日本の首相についての最新情報を提供することができません。最新の情報を得るには、信頼できるニュースソースや公式発表をご確認ください。

(※2023年4月までの情報しか持っていないので、2024年3月時点の日本の首相を聞いても無理。だからこの答えが正解)

Q:2023年1月時点の日本の首相は誰ですか?

A:2023年1月時点での日本の首相は岸田文雄です。

(※2023年4月までの情報だったらちゃんと正確に答えられる。「GPT-4 Turbo」は本物なのかもしれない。しかし、「一日40回、3時間まで」の壁はどうなる? ユーザー全員が使用すれば、一瞬でリミットを超えてしまうはず。もしかすると複数の契約をしているのか? それだと経費が掛かりすぎて、無料だと経営が苦しいはずだが、それを超える何らかのメリットがあるのか? OpenAIとの企業同士の特別な契約とかあるのか? でもそれだと無料で使われてしまうOpenAIは、損をしそうな気がするが。ひょっとすると、「GPT-3.5」で答えられそうな質問はそちらに回すとか、リミットを超えたら「GPT-3.5」に切り替わるとか、「4」か「3.5」かは抽選のルーレットのようなもので決まる、運まかせガチャだとか?)

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「GPT-4」が無料で使えるってのがここの売りだったのに、「GPT-4」だと思って使っていたのは、どうやら「GPT-3.5」だったようだ。こいつぁー、とんだインチキだぜっ! 「GPT-3.5」なんて誰だって無料で使える。

ここのもう一つの売りは、複数のAIの中から好みのAIを選択できるという点にもあった。ちゃんと「GPT-4」を選択しているのにもかかわらず、中身が「GPT-3.5」だったとはね。表示が「GPT-4」になっていれば、そりゃあみんな「GPT-4」だと思っちゃうよね。

月額20ドルの課金をしなけりゃ使えない「GPT-4」。しかも課金をしてさえなお、一日40回、3時間までしか使えないはずが、無料で無制限に使えるなんておかしいと思った。

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ここでは、つい先日「お友達紹介キャンペーン」というものをやっていた。お友達に新規加入をしてもらえれば、その友達と自分も双方が「GPT-4 Turbo」が無料で無制限に使えるというもの。
これ、普通に考えたら、お友達を紹介した人には特別な特典として、「GPT-4 Turbo」が無料で無制限に使える。友達を紹介できなかった人は、「GPT-4 Turbo」が使えないって思っちゃいませんか?

ところがだ! キャンペーンが終了した翌日からサイトがリニューアル。そして、すべてのユーザーが「GPT-4 Turbo」を無料で無制限に使えるようになった! なーんそれっ!!! あのキャンペーンは、特別な特典をもらえるキャンペーンじゃなかったんかいっ!!

こんな事なら、無理してXの相互フォローの人に頼んで、お友達紹介キャンペーンになんて申し込まなかったのに! たた単に何もしなくても、リニューアル後には誰でも「GPT-4 Turbo」が使えていたのにっ! なんだかそのキャンペーンに、勝手に運命的なものを感じてしまっていた自分が滑稽すぎて恥ずかしいっ!!

ちなみに、「GPT-4 Turbo」をユーザー全員が使えるようになった代わりに、通常の「GPT-4」と「GPT-3.5-16K」は使えなくなったらしい。まぁ、どーでもいーや、そんなこと。なんか精神的にちょっと疲れた……。


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