2023/11/29 「74式戦車」は今年度で引退か~

文字数 1,661文字

11月17日放送分の『沸騰ワード10』で、自衛隊に取り憑かれた男・カズレーザーが陸上自衛隊の74式戦車の取材をしていました。
「ゴジラ映画と言えば74式戦車!」と言っていましたが、自分的には「怪獣映画と言えば61式戦車!」ですね。別に好きだったわけではないですが、強く印象に残っているのは61式の方です。61式は熱線でグニャ~っと溶けて怪獣にすぐやられちゃったりして弱かったし。(ウルトラセブンに登場した怪獣戦車の車体部分が61式戦車)

61式は74式のひとつ前に採用されていた戦車で、かなり古臭い形状をしていてもっこりとした丸っこい戦車です。特徴的なのが砲身の先に装着されているT字型のマズルブレーキ。家庭用のエントツみたいな形でカッコ悪~いっ! って思っていました。(古くは家庭用の焼却炉の煙突、もっと古ければ薪釜の風呂の煙突、最近なら薪ストーブの煙突。T字型なのは先端からの雨水の侵入防止)(T字型のマズルブレーキは反動を抑えるというよりも、発射煙を左右に吹き飛ばして前方の視界を確保するためらしい)

今年度で引退となってしまう74式戦車ですけど、61式戦車に比べるとかなりスマートでかっこよくて好きでした。90式や10式もかっこいいけれど、ちょっと直線的なデザインすぎるかもしれません。流線形的なデザインが残る74式は「ザ・戦車!」って感じがします。

74式で特徴的なのが油気圧サスペンションによって車体を前後左右に傾けられる事。改造してエアサスを取り付けた車みたいに自由自在に姿勢を変えられます。昔読んだ小説に登場した74式戦車は、土を盛った傾斜地でこの油気圧サスペンションを利用して、対空砲火として使用する場面がありました。

74式は今年度で引退という事で、本来は国家機密である戦車の内部もテレビカメラで撮影されていました。戦車の内部は狭いんだろうなとは思っていましたが、想像していたよりもはるかに上をいく狭さ! ほぼほぼ身動きができないくらいに狭い! こんな場所に長時間いたら全身のあらゆる箇所が痛くなりそうです。しかし訓練ではこの狭い戦車に何日も乗りっぱなしだと聞いて、めっちゃ過酷だーっ! って思いました。空調が付いてないから夏はとんでもなく暑いし、冬もとんでもなく寒いらしいですし。

74式の内部の撮影の時も他の戦闘車両の撮影の時も、ハッチ部分はモザイクが掛けられていましたけれど、やはりそこは重要な機密部分なんでしょうね。ABC兵器にも耐えられる構造になっているはずですから。

(※追記:そういえば戦車内の床に穴が開いていて地面が見えていたなあ。その穴は雨天時にハッチを開放している場合に、侵入して来た雨水を排出するためだと言っていた。という事は車内は完全密閉ではないという事かな? それとも必要な時にはその穴も閉じられるのか? そのような構造には見えなかったけれど。だとするとハッチ部分にモザイクが掛かっていたのは装甲の厚さを秘匿するためだったのかもしれない。潜水艦の取材の時もハッチ部分にモザイクが掛けられていて、機密情報だと言っていたし)

長年使い込まれた戦車の外観がめっちゃくちゃ渋くてかっこよかったです。表面のすれ傷や塗装が剥がれて地肌が露出して茶色くなった部分とか、古美術品のような味わい深さがありました。
あと面白かったのは、戦車内に搭乗している隊員と戦車の外にいる隊員との会話が、砲身を通してできる事でした。使用しない時はただの貫通した鉄の筒ですから、伝令管みたいに会話ができるんですね。生活の知恵みたいな感じです。

74式戦車は今年度で引退という事で、なんかもったいない気がします。戦後の日本では不要になった戦車をブルドーザーに改造したらしいですけど、74式も何かに流用できないものでしょうか。砲塔部分を外して牽引車にするとか。
まあ、改造費と新品の車両を作るのと同じくらいの費用になってしまうのならやらない方がいいけれど。各部の部品も摩耗していそうでメンテナンスの費用も掛かりそうですし。


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