2022/06/03 『Uコン』飛行機の思ひで

文字数 2,385文字

ラジコン飛行機はめっちゃ高価で手が出せなかったけれど、Uコン飛行機はがんばればお小遣いでなんとか手にできた、エンジン付きの飛行機です。手に持ったグリップから伸びる2本のワイヤーでコントロールするから、Uの字コントロール、略してUコン。なのかな?

ラジコンだと空高く飛んでいった飛行機は点にしか見えないけれど、Uコンは10数メートル先(だったかな?)の近くを飛んでいるから動きが良く見える。エンジン音もよく聞こえる。手にググっと感じる飛行機の張力。ワイヤーの細かい操作で姿勢を変えるダイレクトな操縦感。同じ場所をただグルグルと旋回しているだけじゃない、ラジコンとはまた違った面白さがありました。

(大昔にスキャンした『Uコン技術』の画像です)


『Uコン技術』は1966年1月から1979年12月までの期間に発行されていたようです。ヤフオクを見たら、けっこうなお値段で出品されていました。その値段で売れるのかどうか分かりませんけど。

飛行機の前方に写っているのは、燃料の缶とタンクに燃料を入れるチューブの付いたボトルと、エンジン始動用のワニ口クリップ付きのコードがつながったでっかい電池です。
燃料は『フライトマックス』って名前でした。LAがエンジンの慣らし運転用の低パワー。A、AAとだんだんニトロの含有率が上がっていき、ハイパワーの燃料になります。バイクのバッテリーほどの大きさの、このどでかくて重い乾電池とか今でも売られているのだろうか? この頃からだんだんと充電式のバッテリーに替わっていったと思います。使い捨ての電池は処分が大変だし、もったいないからなあ。

現在ではUコンなんてやっている人はいないだろうと検索してみたら、意外とやっている人達がいて驚きました。ほとんどがおじ様達のようですが。YouTubeを見てちょっと驚いたのは、エンジンの始動にでっかいバッテリーを使用している人がいなかった事です。小っちゃな円筒形の筒の先に棒のような物が付いた装置を使っている。ラジコンエンジン用の装置なのかな? 時代は進化しているんだなあ。軽いカルチャーショックでした。



自分が使っていたのはエンヤの09エンジンでした。一番小さな入門用のエンジンです。非力だったから、せめてその上の15エンジンが欲しかったです。でも高価なんだよな~。そんなにおいそれとは買えないんだよな~。

エンジンはエンヤとフジが主流だったような気がします。この裏表紙に載っているオーエスなんてエンジンは店に置いてあったっけな~? エンヤのエンジンの外見はわりと角ばっていたけど、フジのは丸みを帯びた感じでした。自分は見た目でエンヤのほうが好きでした。


(この画像は拾い物です)


自分が作った機体の名前ってなんだったっけなーって思っていたら、YouTubeのコメント欄に「最初に作ったのはOK模型のファーストだった」と書き込みがあって、あっ、そうだっ、自分が最初に作ったのもファーストだったっ! って思い出しました。セスナ機みたいな形状の入門用の機体ですね。09から15エンジン用です。違う二人の人の画像を見たら、当時貼られていたであろう値札が貼ってあって、どうやら900円だったみたいです。友達はリボルバーって名前のちょっと変わった形状の飛行機を飛ばしていた事もありました。

このファーストは組み立てキットです。自分で木工ボンドを使って組み立てて塗料を塗ります。胴体の両側面と垂直・水平尾翼はベニヤ板の打ち抜き(切り抜き?)でした。では胴体の上下は? と言うと、なんと、このキットが入っている箱の下箱に胴体の絵が描いてあり、それをハサミで切り抜いて機体の上下に張り付けるのです。厚いボール紙だから軽量化と低価格化に役立つのかな? 色を塗ってしまえばボール紙に見えないし。


(当時撮影したフィルムのネガを、大昔にスキャナーで取り込んだ画像です)


中央の写真に写っている四角い箱は、工具入れという名前のアイロンが入っていた空き箱です。バッテリー、燃料、工具一式がちょうど収まる丈夫な箱でした。(重いアイロンが入って売られていたから頑丈だったのかな?)
そんな所にお金をかけられないから、工具入れなんてこんなもんで充分です。この箱と飛行機を自転車の荷台にくくり付けて飛ばしに行くのです。

写真の機体は最初に買ったファーストを改造した物です。初めて作った時は主翼に貼る紙の貼り方が分からなくて、ぶよぶよボコボコの主翼でした。墜落して壊れて、その後主翼を貼り換えました。障子を貼るように霧吹きで水分を含ませてから貼ると、乾いた時に表面がピンとなるって方法でうまくいきました。本来の両翼端はキットの絵のようにスパっと切れていましたが、バルサ材で骨組みを作って付け足してあります。ワイヤーは機体の外側に付いていたのを主翼の中を通すように改造してあります。あとは機体の上下がボール紙だったのをバルサ材に交換。機体の色は赤一色だったのを、セロテープでマスキングして塗り替えました。

この後3機作りました。1機作ってしまえば構造は理解出来るので、もうキットは買わずに自分で設計したオリジナルの自作機です。コンバット機というほぼ主翼だけの機体も作りました。コンバット機というのは、機体に長い紙テープを付けて飛ばし、プロペラを使って2機でテープを切りあうって競技です。でも自作機はめっちゃ敏感で、コントロールが難しかったのであまり飛ばさなかったなー。

エンジンを使った飛行機の欠点は、排気ガスに不完全燃焼した燃料が大量に含まれている事ですね。機体もベットベットになるし、手もベットベト。とってもきちゃない。燃料も独特の臭いがするしね。

なんか、またUコンを飛ばしてみたい気もするな。近くにクラブとか同好会があったら参加してみたいなあ。

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