2023/04/17 小学生の頃に遊んだ公園や通学路に行ってみた(1)

文字数 1,204文字

先日映画を観に行った帰りに、そういえばこの近くに小学校低学年の頃によく遊んだ公園があったよな。と思い出したので行ってみる事にした。
小学校の時引っ越しをして、それ以来この公園に来る事はなくなったから、ずいぶんと久しぶりだった。車で公園の横の道を通る事はたまにあったが、横目でちらっと見るくらいで、今まで実際に公園内に入る事はなかった。

久しぶりに行った公園内は、子供の頃とまるで違っていた。衝撃だったのは、この公園の象徴的な存在だった、コンクリート製の富士山みたいな形をしたすべり台がなくなっていた事だ。
上から見ると円形で頂上は平ら。頂上にぐるっと一周鉄柵があった。側面は桃色ですべすべのゆるいカーブ状になっていて、いろんな方向にすべり降りられた。登る場所には河原に転がっているような自然石が埋め込まれており、そこに手を掛け足を掛けて登っていた。

経年劣化で滑る部分の表面のコンクリートが剥がれ落ちるとかして、取り壊しとなったのかもしれない。よく遊んでいたすべり台がなくなってしまっていたと知り、とても寂しい気分になる。
他には周囲にブランコやシーソーなどもあったはずだが、それらもない。砂混じりの固く締まった土の、ただの平地になってしまっている。端にバスケットボールのゴールが新設されているが。

トイレの場所は同じで形も同じような気もするが、内部は変わっているのかもしれない。
以前の遊具はなくなってしまっていたが、横に長い公園の奥に、新しい遊具が設置されていた。富士山型のすべり台ほどのインパクトがまったくない、ごく普通の遊具であるが。
公園の奥は昔はどうなっていたのかは、はっきりとは思い出せないが、花壇や遊歩道のような感じになっていた気がする。藤棚が頭上にあるベンチは当時もあったが、作り直されているようにも見える。

そういえば、と思い出す。小学生の同級生たちと夕暮れ時にこの公園にいた。もう薄暗くなってきたから家に帰ろうという事になった。
公園の外灯が点きはじめる。子供は家に帰る時間だ。だが、大人はまだ帰らなくともよい。その時公園のベンチに寄り添うように座っている若いカップルがいた。
「あの二人、これからキスするんだぜ。見ていこう」という事になり、同級生たち全員で植え込みの茂みの中に隠れた。(まあ、言い出したのは自分なのだが)
しかし、いくら待っても男女はキスしない。「くっ付いて座って暗くなったらキスするんじゃないの? 早くしてよっ」と思っていたがしてくれない。その後、みんな待ちくたびれてしまって解散。懐かしい変な思いで。

公園の敷地内の周囲には様々な種類の樹木が植えられているが、公園の入り口付近に植えられている、ヒマラヤスギだと思われる巨木がある。小学生の頃見上げていた木の下に立ち、同じように見上げてみる。懐かしい。この木の姿は当時の記憶と変わらない。久しぶりだな、と心の中で木に挨拶をしてみた。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み