2023/12/18 『ラランド・ニシダ』の小説を読む

文字数 1,273文字

お笑い芸人ラランド・ニシダが書いた小説『不器用で』が今年の7月に出版されていたと知り、どんな小説を書いたんだろうと気になりました。するとその本に載っている小説のうちの一編が、小説投稿サイト『カクヨム』で無料公開されているという事だったので、ちょっと読みに行ってきました。

無料公開されている小説のタイトルは「遺影」。中学生の少年が主人公の話です。文字数2万字弱。
さっそく読み始めてみたんですけれど、これがまたムチャクチャ胸糞が悪い設定。貧乏な家庭の同級生の女の子を、家が貧乏だからという理由だけでいじめるって話。
気分が悪すぎて途中で読むのをやめようかと思ったんですけど、たった2万字だし、この話をどんな結末で締め括るのか気になったので最後まで我慢して読みました。

読み終わった感想としては、
「最後はこういう終わり方でいいんだな、このあと主人公といじめられていた女の子はいったいどうなったのかとても気になる」
「こういう小説が『純文学』ってやつなんだな~」
とか。

物語の結末がどうなったのかをちゃんと最後まで書かずに終わって、あとは各自で考えてねって書き方はホラー小説っぽいかもとか思ってしまった。ホラー小説って完全な決着が書かれないまま終わる事の方が多いような気がするからなんだけど。
最後は決着不明とか生死不明とか「俺たちの戦いはこれからだ!」みたいに結末が完全には書かれない作品もあるけれど。
(純文学は今までほぼほぼ読んだ事がなくて、エンタメ小説ばかり読んできた自分のトンチンカンな感想だろうけれど)

あと気になったのは、めちゃくちゃ比喩表現を使いまくっているな~って事。「〇〇のように」「まるで○○のようだ」が多すぎるんじゃないかと。比喩にしなくてもそのまんま描写すれば伝わるよなって思う箇所が多かった。

何かを細かく描写する文章は良いけれど、この部分の細かい描写は必要なくない? って箇所がいくつかあった。細かく描写しているから何かあるのかな? って思っていても特に何も無し。そこから何かを感じ取れるかって事も無いような。さらっと書いてもいい所はさらっと書いて、描写の濃淡のメリハリがあった方が良いのかも?


ラランド・ニシダが書いた「アクアリウム」というタイトルの小説がもう一作『カクヨム』で無料公開されています。『不器用で』には5作品載っているのですが、そのうちの2作品が公開されているわけです。本と完全に同じなのか、多少は手直しされているのかは不明ですが。
このニシダの処女作である「アクアリウム」は去年一度読んでいましたが、薄っすらとしか覚えていなかったのでもう一度読み直してみました。これも文字数2万字弱。
「ザ・純文学!」

この小説には一部にほんの軽いグロとも言えないようなグロ描写があります。そういうのに過剰に弱い人もいるようで、概要欄にちゃんと書いておいて欲しかったって人がいました。幼少の頃から大量の残酷・グロ描写を目にして来た自分は何とも思わなくて「え?」って思ったんだけれど、まあ、人によってはそういう事もあるんでしょうね~。


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