2022/06/12 小学生の頃『サイフ』を拾った話

文字数 534文字

小学校の低学年の頃の話です。
下校途中に交通量の多い道路につながる急な坂道を下っていました。
あと10メートルほどで坂を下りきるという所で、右手からバイクに乗ったおじさんが走って来ました。バイクはカブみたいなやつだったと思います。

おじさんはジャンパーの前のジッパーを留めずに、マントのようにパタパタとはためかせています。するとそのはためくジャンパーのポケットから、何か黒い物がポロっと落ちました。
あわてて駆け寄って拾ってみるとそれはサイフです。おじさんに声をかけようと思っても、もうすでに遠くへ走り去ってしまってどうにもなりません。

「このサイフどうしよう?」

『サイフを拾ったら交番に届ける』これがこの世のルールです。
親と一緒にだったか単独でだったか忘れてしまいましたが、とにかく交番にそのサイフを届けました。
やがて月日は過ぎ、3ヶ月と14日後に(だったかな?)落とし主が見つからないという事でサイフをもらえました。たしか2千円ぐらい入っていたような気がします。小学生にとってはわりと大金です。

おじさんは警察にサイフを落としたって届けなかったんですね。交番にサイフを届けてくれる人なんかいないと思ったのか、2千円くらいならまあいいかって事だったのかもしれませんけど。

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