第488話不機嫌な麗は、お世話係たちとの混浴で笑い出す。
文字数 1,381文字
蘭との電話が終わっても、麗は機嫌が悪い。
元々田舎には興味がないし、同窓会のために田舎に戻るなど論外。
蘭に言った通り、由美は嫌いだった。
通学でベタベタして来るから、適当に頷いていただけ。
麗から声をかけたことは、一度もない。
それを勝手に勘違いして、受験で東京に泊まっているのに、バレンタインチョコのために「田舎に帰れ」と怒って泣く。
由美の泣き声も思い出した。
「何で東京に行くの?地元の大学に何でしないの?地元が一番なのに」
麗は反論した。
「どこに住もうと、どこの大学に通おうと、その人の勝手では?」
「君に指図される理由もないし、君自身にそんなことを強いる権限はない」
と言っても、返って来るのは「私が地元の大学にしたのに、麗君は自分勝手過ぎる、酷い」そればかりしつこく繰り返した。
バレンタインチョコの受け取りを拒否すれば、奈々子や蘭にまで文句を言う。
同窓会のことで連絡がつかなければ、また蘭にまで怒る。
「どこまで自分勝手な女なんだ、他人の迷惑を考えない」
麗が不機嫌な顔になっていると、美幸が入って来た。
少し心配そうな顔。
「どうかなされました?何やら・・・」
麗は、顔を普通に戻す。
「いえ、美幸さんには関係ないので」
「お気になさらぬように」
美幸は、麗を風呂に誘う。
「麗様、お風呂へ、みんな待っとります」
麗は、気分転換が必要と思った。
「ああ、待たせると、皆さん、のぼせてしまうかな」
麗が風呂場に入ると、いつものにぎやかさに囲まれる。
「今日はお疲れ様でした」
「よう歩かれました?ふくらはぎを揉みましょう」
「いつも思いますが、足もきれいで」
「ほんまです、すべすべや」
麗は恥ずかしいので、何とか話題を変えようとする。
「今度はみんなで、明日香村とか、斑鳩とか、桜井も」
お世話係が一斉に歓声をあげた。
「あらーーー!楽しみや、さすが麗様」
「明日香村散歩?遠足みたいや」
「斑鳩の法隆寺、中宮寺、法起寺、法輪寺も、また渋い」
「三輪さんに参拝して、長谷寺も素敵やなあ」
「また希望の目が・・・うれしいわぁ・・・」
「ほらーーー!そこで喜び過ぎて、麗様の顔の前でブルンブルンさせて!」
「そや、やり過ぎや、麗様が恥ずかしいって目を閉じとる」
「あまり揺らすと、垂れるって、雑誌に書いてあったけど?」
「そう言わんと、まだまだ立派や、自信ある」
そこでまた大笑いの渦になるので、麗はますます目を開けられない。
それでも、湯舟に入れば、相当隠れるので、麗は目を開ける。
お世話係は、麗に身を寄せ、また話しかける。
「麗様、このお風呂のために、毎日身体を磨いとります、もっと目を開けて」
「その通りで、みな必死に」
「ある人はバストアップと、お尻引き締め?」
「あはは!うちは二の腕を引き締めて」
「そう?ついでに、おなかも最近ぽっこりと?」
「もーーー!大して変わらん、五十歩百歩や!」
「それにしても、よう揺れる、これみよがし?ぷかぷか浮いとるし」
麗は、目を開けたことを後悔した。
「どう対応すればいい?」
「見るのも恥ずかしい、でも目を閉じたままでもなあ・・・」
「見て欲しいと言われて断るのも」
それでも、この混浴風呂は、何も考えないので気楽。
「みんな・・・それぞれに、きれいで、健康で」
と当たり障りのない言葉を返す。
「あはは、健康優良児の集まり?」
誰かが笑うと、お世話係たちが一斉に笑う。
これには麗もいつの間にか、笑い出している。
元々田舎には興味がないし、同窓会のために田舎に戻るなど論外。
蘭に言った通り、由美は嫌いだった。
通学でベタベタして来るから、適当に頷いていただけ。
麗から声をかけたことは、一度もない。
それを勝手に勘違いして、受験で東京に泊まっているのに、バレンタインチョコのために「田舎に帰れ」と怒って泣く。
由美の泣き声も思い出した。
「何で東京に行くの?地元の大学に何でしないの?地元が一番なのに」
麗は反論した。
「どこに住もうと、どこの大学に通おうと、その人の勝手では?」
「君に指図される理由もないし、君自身にそんなことを強いる権限はない」
と言っても、返って来るのは「私が地元の大学にしたのに、麗君は自分勝手過ぎる、酷い」そればかりしつこく繰り返した。
バレンタインチョコの受け取りを拒否すれば、奈々子や蘭にまで文句を言う。
同窓会のことで連絡がつかなければ、また蘭にまで怒る。
「どこまで自分勝手な女なんだ、他人の迷惑を考えない」
麗が不機嫌な顔になっていると、美幸が入って来た。
少し心配そうな顔。
「どうかなされました?何やら・・・」
麗は、顔を普通に戻す。
「いえ、美幸さんには関係ないので」
「お気になさらぬように」
美幸は、麗を風呂に誘う。
「麗様、お風呂へ、みんな待っとります」
麗は、気分転換が必要と思った。
「ああ、待たせると、皆さん、のぼせてしまうかな」
麗が風呂場に入ると、いつものにぎやかさに囲まれる。
「今日はお疲れ様でした」
「よう歩かれました?ふくらはぎを揉みましょう」
「いつも思いますが、足もきれいで」
「ほんまです、すべすべや」
麗は恥ずかしいので、何とか話題を変えようとする。
「今度はみんなで、明日香村とか、斑鳩とか、桜井も」
お世話係が一斉に歓声をあげた。
「あらーーー!楽しみや、さすが麗様」
「明日香村散歩?遠足みたいや」
「斑鳩の法隆寺、中宮寺、法起寺、法輪寺も、また渋い」
「三輪さんに参拝して、長谷寺も素敵やなあ」
「また希望の目が・・・うれしいわぁ・・・」
「ほらーーー!そこで喜び過ぎて、麗様の顔の前でブルンブルンさせて!」
「そや、やり過ぎや、麗様が恥ずかしいって目を閉じとる」
「あまり揺らすと、垂れるって、雑誌に書いてあったけど?」
「そう言わんと、まだまだ立派や、自信ある」
そこでまた大笑いの渦になるので、麗はますます目を開けられない。
それでも、湯舟に入れば、相当隠れるので、麗は目を開ける。
お世話係は、麗に身を寄せ、また話しかける。
「麗様、このお風呂のために、毎日身体を磨いとります、もっと目を開けて」
「その通りで、みな必死に」
「ある人はバストアップと、お尻引き締め?」
「あはは!うちは二の腕を引き締めて」
「そう?ついでに、おなかも最近ぽっこりと?」
「もーーー!大して変わらん、五十歩百歩や!」
「それにしても、よう揺れる、これみよがし?ぷかぷか浮いとるし」
麗は、目を開けたことを後悔した。
「どう対応すればいい?」
「見るのも恥ずかしい、でも目を閉じたままでもなあ・・・」
「見て欲しいと言われて断るのも」
それでも、この混浴風呂は、何も考えないので気楽。
「みんな・・・それぞれに、きれいで、健康で」
と当たり障りのない言葉を返す。
「あはは、健康優良児の集まり?」
誰かが笑うと、お世話係たちが一斉に笑う。
これには麗もいつの間にか、笑い出している。