第491話古今と源氏の話が決着 美幸とお風呂
文字数 1,521文字
日向先生と麗、高橋麻央まで加わった古今和歌集と源氏のコアな話はしばらく続き、ようやく本題に移る。
日向
「鈴村さんとも相談しまして、麗君にもお手伝いをと、若い人の感性を取り入れようと」
「どうしても年齢により、言葉の使い方が異なります」
「あまり古臭い言葉は、もう少し現代風に」
高橋麻央
「私も、お手伝いしたいし、佐保も写真撮影のところで協力したいと言っているよ」
麗は、いつもの遠慮はない、そのまま引き受ける。
「わかりました、やるからには本気です」
「具体的には、本の共著のお手伝いと、講演になった際の発表原稿ですね」
日向は深く頷く。
「楽しい本と講演になりそうです」
古典文化研究室の話が終わり、麗はそのまま帰宅の途につく。
最寄りの駅までは、葵と一緒。
葵は、少し落胆気味。
「全くついて行けませんでした、情けない」
麗は、返事に困る。
「葵さんに原稿を頼むことはないので、気にしないでください」
「その他の面で、財団として協力をいただければ」
葵
「はい、財団は協力させていただきます、高橋所長も楽しみにしています」
最寄りの駅で、葵と別れ、麗は少しホッとする。
「葵は、確かに京の名家のお嬢様で、九条家とも関係が深い」
「葵自身が聡明だけれど、学問的には教科書で得た知識が多い程度」
「だから、葵は古今と源氏のコラボに加えたところで、足手まといにしか、ならない」
「葵のレベルをあげるには、懸命に勉強させたとして、半年から1年以上はかかる」
葉子の顔が浮かんだ。
「葉子さんにも協力させよう、知識は深い」
「文も適切、嫌味がない」
ただ、都内での講演になった場合は、自分の大学でと考えているので、それほど気にすることはない。
問題は、京都での講演は、九条家の関係筋の大学になる。
「詩織か・・・彼女にも言わないとなあ・・・それが面倒」
「また強引にデートとやらのお誘いも」
「断るのも面倒だ、俺は九条家の次席理事でもあるし」
結局、麗は、憂鬱な顔になったけれど、高輪の家の玄関の前で、顔をやわらげる。
家の中に入ると、美幸が満面の笑顔でお出迎え。
「お疲れ様でした、お風呂になさいますか?」
麗は、慌てた。
「いえ、少し座って珈琲を飲もうかなと」
美幸は笑顔で「はい、かしこまりました」と、早速珈琲を淹れて麗の前に。
「ホンジュラスにいたしました、この近所に珈琲豆店がありまして」
麗は、ホンジュラスを少し飲み、感心する。
「コクがすごい、苦味と甘味がちょうど良く、飲み飽きない味」
その後は、定例通り予定の確認。
美幸
「京の九条家からは、近所のマンションの正式契約が済んだとのこと」
「花園美幸様、葵様、奈々子様と蘭様は、いつでも引っ越しできるとのこと」
「不動産からも人を出して、引っ越しを万全にするとのことで、麗様自身が何かをするということはありません」
「それ以外には・・・今週は特に言われておりません」
麗は、ただ頷くのみ。
それでも、「恵理と宗雄の遺体処理が、今週内にあるはず」と思うけれど、ここで美幸が何も言わないのだから、麗には知らせたくない、心配させたくないとの、大旦那の意思と受け止める。
その後は、少し汗ばんでいたこともあり、美幸と風呂に入る。
美幸は、麗を洗いながら、本当にうれしそうな顔。
「ほんま、麗様をお風呂で独占できるなんて、夢見ておりました」
「いつもは、順番待ちに並んで、時間も短く」
麗は、やはり、まだ恥ずかしい。
美幸は、全く隠さないので、目のやり場に困る。
美幸は、そんな麗を笑う。
「麗様?何を今さら?」
「しっかり見てもらわんと」
「バストアップ体操とお腹引き締めと、ヒップアップと、二の腕ダイエットも、ずうっとしたんです」
麗がようやく美幸を正面に見た瞬間だった。
美幸は、麗をしっかりと抱いている。
日向
「鈴村さんとも相談しまして、麗君にもお手伝いをと、若い人の感性を取り入れようと」
「どうしても年齢により、言葉の使い方が異なります」
「あまり古臭い言葉は、もう少し現代風に」
高橋麻央
「私も、お手伝いしたいし、佐保も写真撮影のところで協力したいと言っているよ」
麗は、いつもの遠慮はない、そのまま引き受ける。
「わかりました、やるからには本気です」
「具体的には、本の共著のお手伝いと、講演になった際の発表原稿ですね」
日向は深く頷く。
「楽しい本と講演になりそうです」
古典文化研究室の話が終わり、麗はそのまま帰宅の途につく。
最寄りの駅までは、葵と一緒。
葵は、少し落胆気味。
「全くついて行けませんでした、情けない」
麗は、返事に困る。
「葵さんに原稿を頼むことはないので、気にしないでください」
「その他の面で、財団として協力をいただければ」
葵
「はい、財団は協力させていただきます、高橋所長も楽しみにしています」
最寄りの駅で、葵と別れ、麗は少しホッとする。
「葵は、確かに京の名家のお嬢様で、九条家とも関係が深い」
「葵自身が聡明だけれど、学問的には教科書で得た知識が多い程度」
「だから、葵は古今と源氏のコラボに加えたところで、足手まといにしか、ならない」
「葵のレベルをあげるには、懸命に勉強させたとして、半年から1年以上はかかる」
葉子の顔が浮かんだ。
「葉子さんにも協力させよう、知識は深い」
「文も適切、嫌味がない」
ただ、都内での講演になった場合は、自分の大学でと考えているので、それほど気にすることはない。
問題は、京都での講演は、九条家の関係筋の大学になる。
「詩織か・・・彼女にも言わないとなあ・・・それが面倒」
「また強引にデートとやらのお誘いも」
「断るのも面倒だ、俺は九条家の次席理事でもあるし」
結局、麗は、憂鬱な顔になったけれど、高輪の家の玄関の前で、顔をやわらげる。
家の中に入ると、美幸が満面の笑顔でお出迎え。
「お疲れ様でした、お風呂になさいますか?」
麗は、慌てた。
「いえ、少し座って珈琲を飲もうかなと」
美幸は笑顔で「はい、かしこまりました」と、早速珈琲を淹れて麗の前に。
「ホンジュラスにいたしました、この近所に珈琲豆店がありまして」
麗は、ホンジュラスを少し飲み、感心する。
「コクがすごい、苦味と甘味がちょうど良く、飲み飽きない味」
その後は、定例通り予定の確認。
美幸
「京の九条家からは、近所のマンションの正式契約が済んだとのこと」
「花園美幸様、葵様、奈々子様と蘭様は、いつでも引っ越しできるとのこと」
「不動産からも人を出して、引っ越しを万全にするとのことで、麗様自身が何かをするということはありません」
「それ以外には・・・今週は特に言われておりません」
麗は、ただ頷くのみ。
それでも、「恵理と宗雄の遺体処理が、今週内にあるはず」と思うけれど、ここで美幸が何も言わないのだから、麗には知らせたくない、心配させたくないとの、大旦那の意思と受け止める。
その後は、少し汗ばんでいたこともあり、美幸と風呂に入る。
美幸は、麗を洗いながら、本当にうれしそうな顔。
「ほんま、麗様をお風呂で独占できるなんて、夢見ておりました」
「いつもは、順番待ちに並んで、時間も短く」
麗は、やはり、まだ恥ずかしい。
美幸は、全く隠さないので、目のやり場に困る。
美幸は、そんな麗を笑う。
「麗様?何を今さら?」
「しっかり見てもらわんと」
「バストアップ体操とお腹引き締めと、ヒップアップと、二の腕ダイエットも、ずうっとしたんです」
麗がようやく美幸を正面に見た瞬間だった。
美幸は、麗をしっかりと抱いている。