第203話麗の周囲で、様々に動き出す

文字数 1,201文字

高橋麻央は、古典文化研究室で、日向先生を話をしている。

高橋麻央
「日向先生、話がすごいことになりましたね」
日向
「はい、おそらく、こうなるとは思っていましたけれど」
「でも、これが私たちにも、良い結果と思います」
「もちろん、日本文化の継承のためにも、これを崩してはなりません」
高橋麻央
「出版の話も九条財団が全面バックアップとなり、気持が楽になりました」
「今は、出版社も厳しい条件を出して来るので」
日向
「そうですね、出版に際して、お金を求められるケースが増えてきたようです」
「概ね、100万は覚悟です」
高橋麻央
「出版社も不況で、この後、何社生き残るのか」
「紙出版も経費がかるようで、電子書籍化を軌道に乗せられないと、厳しいとか」
日向
「私どもの世代は、どうしても紙にこだわりますが、若い人、これからの人は・・・」
「そんな難しい時代に、協力して紙の本を出していただけるなど、ありがたいことです」
高橋麻央
「麗君は、以前は名前を出すのを嫌がりました」
「今は九条麗様なので、どうでしょうか」
日向
「いや・・・それでも嫌がるはず、そういう性格かな」
「以前は学生の身分という理由から、今度は九条の後継者だからこそ、出したくないでしょうね、とにかく立ち回りは慎重です」
高橋麻央
「時に、引っ込み思案とか、無理やり引きずり込みたくなります」
「そうやって、古典文化研究室に引きずり込んだのですが」
日向
「何はともあれ、まず作業を進めましょう、麗君にもしっかり連絡を取って」
「出版形態は、紙に追加して、電子書籍でもかまいません」
「まずは、正確な本文作成をしましょう」
「私も出来るだけ、顔を見せます」
高橋麻央と日向先生の打ち合わせは、長く続いている。


さて、京都九条家では、大旦那、五月、茜が、次の土曜日の理事会の事前打ち合わせをしている。
大旦那
「この間、麗に顔合わせをした関係衆が全員集まる」
「それと料亭部門か」
五月
「麗様も、理事としてご挨拶」
「すでに直美には、その旨を」

「どんな意見を言うのか、あるいは黙っているか」
大旦那
「菓子屋が、和菓子の歴史が面白いと言うとった」
「銀行も乗り気や、出版にもつながる」

「観光にも、良い影響がありますね」
五月
「職人さんも、面白いようで、この屋敷の職人も参加したいとか」
大旦那
「文は麗がええけど・・・忙しいかな」
「お世話になった高橋先生との仕事もあるしな」
五月
「頼めば、おそらく麗様は、書いてくれると思いますが」
「時期を麗様と調整しましょう」

「あれこれと、わからなくなるかもしれない」
「専属の予定係も必要になるかと」
「私が、やりましょう、性格がわかっているので」

大旦那が茜を見た。
「そうなると、男女の関係にならん茜のほうが無難やな」
「あくまでもビジネスでやり切らんとミスが出る」
「茜、やってくれるか」

茜は、しっかりと頷く。
「むしろ、やりたかったので」
「実に楽しみです」
茜の顔は、しっかりと輝いている。
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