第340話九条屋敷での蘭と麗 そして茜
文字数 1,049文字
麗と茜、特に茜の心配は杞憂に終わった。
二人の話を聴き取っていた涼香が五月に相談、五月が大旦那に報告、了承を得て不動産の麻友と学園の詩織、銀行の直美にまで連絡を取った。
その名目としては、「葵祭無事終了のお礼で下鴨神社へ」、それだけで全員が了承したとの話を聞き、麗は驚く。
そんな麗に涼香は耳打ち。
「みんな麗様に会いたいので、渡りに船です」
五月は笑う。
「いずれわかって嫉妬されるよりは、ましや」
そんな状態の麗のスマホにメッセージ。
蘭からだった。
「九条屋敷の門の前まで来ました」
麗は、それで終わっている蘭の気持ちを読む。
「つまり、格が違い過ぎて、入って来るのにためらうのか」
麗は蘭に「今、三条さんが門まで行く、一緒に入って来い」と端的に返す。
さて、蘭が三条執事長に先導され、玄関に入って来ると、お世話係たちが大騒ぎ。
「蘭ちゃん?あらーー!」
「可愛い!まあ、お人形さんみたいや」
「美人や、花の女子高生やなあ」
「うちも、戻りたいわ、こんな時代に」
そんな大騒ぎが耳に入った麗は、玄関に出ようと思った。
その麗に、茜が付き添う。
「うちも、蘭ちゃん見たい」
麗
「そう?蘭は可愛いと言うより、健康優良児だよ」
茜は、麗に呆れた。
「そういうことを言わないの」
その麗と茜が玄関に出ると、蘭は真っ赤な顔で、お世話係たちに囲まれている。
「麗様・・・おはようございます!」
「今日はよろしくお願いします!」
麗は、蘭の緊張顔が面白い。
「うん、どうして赤い顔?風邪でも引いた?」
「とにかく、リビングに、大旦那も五月さんもいる」
すると蘭の顔は、ますます赤く緊張気味。
「あ!はい!」と声も裏返る。
麗は仕方ないなと思ったので、蘭の手を軽く握る。
「手に汗かいている、落ち着け」
蘭は下を向く。
「そんなこと言われても・・・緊張します」
そんな麗と蘭が面白いのか、茜がからかう。
「さっき麗ちゃん、蘭ちゃんは健康優良児やって」
「なあ、もうちょっと言い方があると思わん?」
蘭は少しムッとした顔。
麗の手をきつめに握り返す。
麗は、少し慌てた。
「ああ、可愛いと思うよ」
ただ、その後の言葉が、悪かった。
「丸々としている」
これには、茜も呆れた。
「蘭ちゃん、うちが教育しとくわ」
蘭もしっかりと頷く。
「お願いいたします」
茜
「今日の夜は、麗ちゃんの文句大会しよ」
蘭
「桃香ちゃんも美里ちゃんも入れましょう」
麗は、そんな茜と蘭の会話を聞きながら思った。
「さすが茜さんだ、上手に蘭を落ち着かせた」
そして蘭に声をかけた。
「来てくれてありがとう」
蘭は、その言葉で、途端に目が潤んでいる。
二人の話を聴き取っていた涼香が五月に相談、五月が大旦那に報告、了承を得て不動産の麻友と学園の詩織、銀行の直美にまで連絡を取った。
その名目としては、「葵祭無事終了のお礼で下鴨神社へ」、それだけで全員が了承したとの話を聞き、麗は驚く。
そんな麗に涼香は耳打ち。
「みんな麗様に会いたいので、渡りに船です」
五月は笑う。
「いずれわかって嫉妬されるよりは、ましや」
そんな状態の麗のスマホにメッセージ。
蘭からだった。
「九条屋敷の門の前まで来ました」
麗は、それで終わっている蘭の気持ちを読む。
「つまり、格が違い過ぎて、入って来るのにためらうのか」
麗は蘭に「今、三条さんが門まで行く、一緒に入って来い」と端的に返す。
さて、蘭が三条執事長に先導され、玄関に入って来ると、お世話係たちが大騒ぎ。
「蘭ちゃん?あらーー!」
「可愛い!まあ、お人形さんみたいや」
「美人や、花の女子高生やなあ」
「うちも、戻りたいわ、こんな時代に」
そんな大騒ぎが耳に入った麗は、玄関に出ようと思った。
その麗に、茜が付き添う。
「うちも、蘭ちゃん見たい」
麗
「そう?蘭は可愛いと言うより、健康優良児だよ」
茜は、麗に呆れた。
「そういうことを言わないの」
その麗と茜が玄関に出ると、蘭は真っ赤な顔で、お世話係たちに囲まれている。
「麗様・・・おはようございます!」
「今日はよろしくお願いします!」
麗は、蘭の緊張顔が面白い。
「うん、どうして赤い顔?風邪でも引いた?」
「とにかく、リビングに、大旦那も五月さんもいる」
すると蘭の顔は、ますます赤く緊張気味。
「あ!はい!」と声も裏返る。
麗は仕方ないなと思ったので、蘭の手を軽く握る。
「手に汗かいている、落ち着け」
蘭は下を向く。
「そんなこと言われても・・・緊張します」
そんな麗と蘭が面白いのか、茜がからかう。
「さっき麗ちゃん、蘭ちゃんは健康優良児やって」
「なあ、もうちょっと言い方があると思わん?」
蘭は少しムッとした顔。
麗の手をきつめに握り返す。
麗は、少し慌てた。
「ああ、可愛いと思うよ」
ただ、その後の言葉が、悪かった。
「丸々としている」
これには、茜も呆れた。
「蘭ちゃん、うちが教育しとくわ」
蘭もしっかりと頷く。
「お願いいたします」
茜
「今日の夜は、麗ちゃんの文句大会しよ」
蘭
「桃香ちゃんも美里ちゃんも入れましょう」
麗は、そんな茜と蘭の会話を聞きながら思った。
「さすが茜さんだ、上手に蘭を落ち着かせた」
そして蘭に声をかけた。
「来てくれてありがとう」
蘭は、その言葉で、途端に目が潤んでいる。