第235話麗と直美の神保町デート(4)お茶の水を散歩してアパートに帰る。

文字数 1,190文字

麗と直美は天丼を食べ終わり、駿河台の坂をのぼる。
巨大な大学ビルや病院ビル、ニコライ堂を横目に見て、聖橋を渡る。

麗は直美に謝った。
「本当は、ニコライ堂も、そこに見える湯島聖堂も見てもらいたかったけれど」
「時間がなくて、ごめんなさい」
直美は、麗の手を握ったまま。
「いえ、見知らぬ東京の街を歩けて・・・ほんま、新鮮です」
「京都とは全く違う雰囲気で面白いです」
「三省堂とか丸善とか、へえ・・・って思って」

麗は、神田明神に直美を誘った。
「江戸の総鎮守です」

直美は、目を輝かせる。
「へーーー!ここです?」
「これ、アニメで見ました!」
「スクールアイドルのラブライブの!」
麗は、ほぼ知らない、スクールアイドルとかラブライブなので、黙っていると直美は、麗の手を引く。
「麗様、参拝しましょう!」

参拝を終えても、直美は大はしゃぎ。
新築の文化交流館で、たくさんの江戸土産を買い、京都に発送している。

帰りはお茶の水から中央線経由になった。
直美は、麗にピッタリと寄り添う。
「ほんま、楽しゅうて・・ありがたいことで」
麗は、直美をしっかり抱える。
「中央線は揺れるから、気をつけて」

直美は、麗の気配りが、うれしい。
「ほんま・・・やさしい人や・・・」
「デートまで誘ってくれて」
「そのまま、お世話係して終わりだけでなくて」
そして思った。
「今夜は、ずっと可愛がってもらう」
「東京で最後の夜やもの」

中央線の揺れで、麗に抱き寄せられるたびに、身体がビクンとなるけれど、それもうれしい。
中央線に乗る前には楽しみにしていた見知らぬ駅名も、目に入らない。
「四谷、中野とか高円寺とか新聞とか雑誌で見ただけで見たいと思うとったけど、無理や」
「身体の奥が・・・もう・・・あかん」

特に直美は懸命に耐えて、麗と吉祥寺で井の頭線に乗り換える。
麗はやさしい声。
「直美さん、歩き疲れた?」
直美は、首を横に振る。
「いえ、あの・・・そうじゃなくて」
「麗様を欲しくなって」と思うけれど、さすがに口に出すのは恥ずかしい。

久我山で降りて、直美は顔を真っ赤にして歩く。
アパートが近いけれど、その距離もまどろっこしい。
とにかく麗が欲しい、心も身体も、我慢が出来ない状態で、ようやくアパートに入った。

麗も、直美の「状態」をわかっていたようだ。
何も言わずに、直美をベッドに誘うと、直美は、麗にむしゃぶりつく。
「メチャクチャにしてください・・・うちも・・・メチャクチャにします」

いつもにも増して、激しい交情だった。
麗も、直美も、余韻で身動きが、しばらく出来ない。
なかなか呼吸も落ち着かない。

それでも麗は、少し落ち着き、直美の美しく豊かな胸を見ている。
直美は、恥ずかしそうな顔。
「メチャクチャになってしまいました」
「麗様、素敵でした」

麗は、直美を抱き寄せる。
「直美さん、可愛いなあって」
直美は、麗に身体を押し付ける。
「うち・・・離れられません・・・」
涙声になっている。
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