第287話佳子と麗の朝の房事 そして風呂場に

文字数 866文字

五月の夜明けは早い。

麗が窓から入る日差しで目を開けると、隣にやわらかい肌。
佳子だった。
下着を何もつけていない。
そして、麗自身も、その状態であることを把握する。

佳子も目覚めたらしい。
麗の胸に、その顔を寄せる。
「麗様、ほんま、ぐっすりでした」
「悔しいので、脱がせました」

麗は、返す言葉がない。
ただ、恥ずかしいだけで、何をどうしていいのか、わからない。

佳子は、麗をやわらかく撫で始める。
「マジに、悔しいほどのお肌」
「こんな、宝物みたいなお肌」
「つねりたくなります」
そして、本当に少しつねる。

麗は、ようやく反応。
「佳子さん、痛い」

佳子の手は下に伸びる。
「ようやく起きましたね」
「元気になっとります」

その声が、かすれた。
「あの・・・これ・・・いただきます」
麗が問い返す間もなかった。
佳子は身体を起こし、麗をそのまま包み込んだ。


激しい房事が終わると、佳子は全身が赤い。
美しい胸に汗がしたたっている。

佳子は、しばらくして、麗から身体を離す。
「ごちそうさまでした」
「まだ・・・ジンジンしとりますけど」
「麗様、お風呂です」

少し間があった。
「私も汗かきましたので、入りたいと」

麗はかなりな脱力感の中で、立ち上がる。
まだ、頭がぼやけているので、佳子の言葉をしっかり聞いていない。
佳子がバスローブを麗に着させると、佳子も同じバスローブ姿。
いつの間にか、用意をしてあったようだ。

それでも部屋を出て、廊下を歩きだせば、頭も動き出す。
ようやく、佳子の言葉を思い出す。
「佳子さん、どうしましょうか」
「先に入ってもらっても」

しかし、佳子は答えない。
そのまま脱衣場に一緒に入ってしまい、内鍵までかけている。

麗は、難しい顔になる。
「佳子さん、九条家の屋敷では湯女はお断りと」
「特別扱いとか、そういう問題があるので」

すると佳子から、麗には想定外の反論。
「特別扱いでなければ?」

麗は戸惑った。
「佳子さん、意味がわかりません」

佳子は、麗の戸惑いを気にしない。
麗のバスローブをするっと脱がすと、自分もためらいもなく脱いだ。
そして、そのまま麗の手を引き、風呂場のドアを開けている。
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