第229話 洞峰公園の名残りのバラとマリーゴールド

文字数 1,170文字

洞峰公園のマリーゴールドとサルビアが咲き始めました。
花の量が多いのは、マリーゴールドです。

そこで、メルシーおばさんは、「洞峰公園で、マリーゴールドが咲きました」と書こうと思ったのですが、筆が止まってしまいました。

何故かというとマリーゴールドとサルビアは、恐らく9月まで咲き続けるのです。

それでは、6月に花の写真を載せる必要はありません。7月、8月、9月、いつでも良いのです。

メルシーおばさんが困っているので、パパが、助け舟を出してくれました。マリゴールドと一緒に、最後のバラ(名残りのバラ)の写真を載せればいいのではないかというアイデアです。

こうして、タイトルは、「洞峰公園の名残り(なごり)のバラとマリーゴールド」に決まりました。

名残りのバラというと、アイルランドの詩人トーマス・ムーア(Thomas Moore)の書いた詩の夏の名残りのばら(The Last Rose of Summer)を思い浮かべる人も多いと思います。

この詩はブラーニーの木立(The Groves of Blarney)というアイルランド民謡の旋律と共に、アイルランドの旋律 (A Selection of Irish Melodies)第5巻(1813年12月出版)に収録されています。

民謡のブラーニーの木立は、日本に入って、バラではなく白菊を歌った唱歌「庭の千草」になりました。夏の名残りのばらを知らない日本の子どもでも、「庭の千草」は知っていますよね。

さて、今回のタイトルには、「名残りのバラ」を入れましたが、「夏の名残りのパラ」にするか迷いました。最後のバラは、6月に咲くのですが、「夏の名残り」というと6月には、既に秋になっているようで変です。

調べてみると、トーマス・ムーアは1805年にアイルランドのキルケニー州のジェンキンズタウン城に滞在し、「ローザのオールドブラッシュ」(Rosa 'Old Blush')の品種のバラの花に触発されています。

ローザのオールドブラッシュは、四季咲きばら誕生に大きく貢献した品種で、60日に一度よりも速いペースで咲き続けます。最良の花壇用品種という人もいます。

なので、詩のイメージとは違いますが、夏にこだわる意味はなさそうです。なお、メルシーおばさんの写真の名残りのバラは、アンジュラ(Angela、Angel天使の女性形)という1984年に、ドイツで開発された品種で、四季咲きです。バラの四季咲きは、温度が高ければ年4回花が咲くという意味で、実際には、冬を除いた年3回花が咲くようです。






写真1 メルシーおばさんと名残りのバラ


写真2 オレンジ色のマリーゴールドとサルビアとメルシーおばさん。


写真3 黄色のマリーゴールドとサルビアとメルシーおばさん。


写真4 黄色のマリーゴールドとメルシーおばさん。
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