第３話　ハウス

文字数 886文字

メルシーおばさんは、チワワっていう犬です。チワワという犬は、犬の中では、大きさが一番小さい種類だそうです。国語辞典では、座敷犬って書いてあることもあります。別に、お座敷で落語ができるわけではありません。犬にしては珍しく、お家の中で飼っていただけるので、座敷犬って呼ばれるんです。ちょっと、ネコに似ていますね。メルシーおばさんもお家の中で飼っていただいています。とはいっても、お家の中には間違って食べてしまうと、危険なものもあるので、いつもは、安全な二部屋だけが、自由に動き回れる場所です。お家の中で飼っていただけると特にうれしいのは、冷暖房完備になっていることです。それから、二部屋のうちの一部屋は食堂なんです。ということは、メルシーおばさんも、パパとママと一緒に食事をとります。これが重要なことは、勘のいい皆さんならもうお分かりですよね。そうなんです。パパとママが美味しそうな匂いのするものを召し上がっているときには、お願いすれば、おすそ分けにあずかれるんです。これが結構おいしくて、あ、想像しただけで、唾が出てきてしまいます。これって、最高なんですが、最近は、パパとママから、ダイエットするように注意されています。

それから、メルシーおばさんの寝室は、ハウスって呼ばれています。屋根がついていないので、ベッドって呼んだ方がわかりやすいと思うけど、パパとママが、買いに行ったペットショップでは、ハウスって呼んでいたので、パパとママは、今でも、ハウスって呼んでいます。お家の中にハウスがあるって、マトリョーシカみたいな呼び方は、やめた方がいいと思うけど、二人とも気にならないようです。見かけによらず、二人とも、メルシーおばさんより、英語が得意じゃないのかもしれません。

メルシーおばさんは、冬はハウスを愛用していますが、夏の暑い時には、ハウスを抜け出して、床でごろ寝をしています。硬い床でごろ寝をすると、背筋が伸びて、健康にとってもいいんですよ。