第252話 メルシー家の新しい冷蔵庫

文字数 1,385文字

野尻湖から帰った次の日曜日のことです。ママは、「あれ、このヨーグルト、いつもより水っぽいわ。作り方が変わったのかしら」と言いました。メルシーおばさんは、いつもママの大好きなヨーグルトのお裾分けを頂いていますので、この話は、他人事では済まされません。メルシーおばさんも、「ヨーグルトが不味くならなければ良いのに」と思いました。

月曜日になって、ママは、冷蔵庫が冷えていないことに気がつきました。どうやら、ヨーグルトが不味くなったのは、冷蔵庫が故障したためらしいです。氷はできているので、冷凍庫は壊れていないようです。

この冷蔵庫は、メルシーおばさんが、今のお家に住み始める前から使われています。つまり、何年使われているかはわかりませんが、10年以上過ぎた年代物で修理の対象にはなりません。そこで、パパとママはその日のうちに電気屋さんにいって、新しい冷蔵庫を注文してきました。最近は、ICが不足しているので、納品するまで3か月といった機種もあったようですが、ともかく、在庫のある機種を注文して、木曜日には、納品されることになりました。

つまり、3日間は、冷蔵庫のない生活をしなければなりません。

メルシーおばさんのドッグフードは常温保存できますが、トッピングの温泉卵とゆでチキンとリンゴは、冷蔵庫に保存しないと腐ってしまいます。メルシーおばさんは、「トッピングがなくなると一寸残念だな」と思っていました。

結局、パパとママは、新しい冷蔵庫が来るまでの間、氷入りの発泡スチロールの箱を並べて、キャンプモードで食品を冷蔵する計画を立てました。

冷蔵庫の前には、大きめの発泡スチロールの箱が3つ並んで、その中に氷と食品を入れる生活が始まりました。

発泡スチロールの中の氷は、半日で融けてしまいますので、パパとママは、3日間、朝晩スーパーへ行って氷を調達し、汗だくになりながら、新しい氷を発泡スチロールの中の融けた氷と入れ替えていました。

メルシーおばさんのトッピングもこうして無事に冷蔵できることになり、いつも通りのお食事が続けられました。

待ちに待った木曜日の朝、やっと新しい冷蔵庫が配達されてきました。ママとパパは、「三種の神器はすばらしい!」とか言いながら、発泡スチロールから冷蔵庫に食品を入れ替えていました。あれ、最近は、三種の神器なんていいませんよね。これでは、パパとママの歳がわかってしまいそうです。

こうして、温泉卵とゆでチキンととリンゴは、発泡スチロールの箱を出て、再び冷蔵庫に収まりました。

読者の皆さんの使っている冷蔵庫には、10年以上前の製品はないと思いますが、10年で冷蔵庫も進歩しています。新しい冷蔵庫では、水を冷蔵庫のしかるべき場所に入れると、冷凍庫にキューブ状の氷が出てきます。手品みたいです。これは、メルシー家の古い冷蔵庫にはない機能でした。

こうして、簡単にキューブ状の氷ができることがわかりましたので、さっそく、メルシーおばさんも、水入れに氷を入れて頂き、ご機嫌になっています。


写真1 新しい氷を感心して見ているメルシーおばさん。


写真2 氷水を味見しているメルシーおばさん。


写真3 氷水を味わって、「美味しい」と満足しているメルシーおばさん。メルシーおばさんはシェフになった気分です。


写真4 もう一度味見して、「ちょっと冷たすぎるかしら」と考えているメルシーおばさん。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み