第481話 メルシーおばさん、つくば道を行く(後編)

文字数 1,413文字

今回は、旧旅籠屋の大越邸を紹介します。

大越邸は約150年前の明治時代には旅籠として使われていた古民家です。長年空き家でした。

2004年から2005年に、工学院大学後藤研究室の学生さんによって調査・改修工事が行われました。

2008年の第1回「筑波山麓秋祭り」では、大越邸を「筑波山茶屋」として開放しました。以後、2012年の第5回筑波山麓秋祭りまで、大越邸は、毎年公開されます。しかし、公開部分は建物の一部でした。

2013年から2019年には、法政大学赤松研究室(赤松佳珠子)の学生さんを中心に、「大越邸プロジェクト」(筑波プロジェクト)が進められます。大越邸は、赤松研究室1期生の一人である杉原由樹子さんのおじいさまのお屋敷でした。

筑波プロジェクトは、家主である大越延夫さんを始め、筑波女性の会・つくばオリーブクラブ・筑波山麓秋祭り実行委員会の協力のもと、祭りの間に参拝や登山目的の方々に大越邸を休憩所として開放しました。

赤松研究室は、「筑波山茶屋」として公開された部分以外の数十年間誰も住まわず、倉庫化していた家の中を、まず、片付け・掃除しました。

大越邸に眠っていた古い机や、座布団を使い、休憩所・座布団かふぇの空間を作りました。

2013年には、一階テラス部分、二階部分も公開しています。

2013年には、2階のぼろぼろになっていた障子を復活させるため、祭り期間中に、「光と障子のワークショップ」を行いました。ワークショップでは、訪れた人に好きな障子紙を貼ってもらい2階の障子を完成させています。

2014年には、裏庭へ続く、通り土間を復活させました。

2015年には、「ばんぶーでっき」を製作し、2016年には、階段の手すりを改修しました。

2018年春の御座替祭の時に筑波大学建築・地域計画研究室主催で「ふくれみかんツアー」が開催されます。2018年の秋には、赤松研究室も「ふくれみかんツアー」を共催しました。

2020年には、例年の「大越邸」とともに、同じ筑波山麓にある「旧小林邸ひととき」でのお風呂プロジェクトが始動しています。これに伴い、「大越邸」の管理は、筑波大学に主体が移っています。


写真1 つくば道を進むと大越邸が見えてきました。


写真2 大越邸のアップです。2階が印象的です。


写真3 二階の明かり障子です。


写真4 1階は、休憩所・座布団かふぇですが、混んでいたので、2階の休息所を見せてもらいました。


写真5 2階の明かり障子の前のメルシーおばさん。この障子は、「光と障子のワークショップ」で復活したもので、「和のステンドグラス」と呼ばれています。


写真6 明かり障子です。


写真7 明かり障子のクローズアップです。


写真8 入り口受付には、「ふくれみかんツアー」の旗がありました。この旗で、筑波山神社前のバス停から、ツアーの参加者を誘導します。


写真9 福来(ふくれ)みかんの前のメルシーおばさん。


写真10 福来みかんです。福来みかんは、筑波山の在来種で、香りと酸味が強く、主に、皮を七味唐辛子に使います。


写真11 福来みかんの案内板の前のメルシーおばさん。これから、つくば道を戻ります。


写真12 つくば道からは、2の鳥居が見えました。


写真13 お家でお土産の福来みかんを調べているメルシーおばさん。


写真14 福来みかんをよく調べているメルシーおばさん。


写真15 福来みかんの余りに強い香りに、目が点になったメルシーおばさん。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み