第424話 メルシーおばさんのホタル狩り(前編)

文字数 1,414文字

「狩り」は、獣を捕まえる意味ですが、「狩り」から、捕まえる意味がなくなった用例に、 桜狩り、紅葉狩り、ホタル狩りがあります。桜狩りと紅葉狩りは、平安時代から使われた言葉で、枝を折って持ち帰る意味でした。ホタル狩りは、 17 世紀後期から使われた言葉で、蛍を捕まえる意味でした。現在では、桜狩り、紅葉狩り、ホタル狩りの「狩り」は鑑賞を意味しています。

ホタルは、世界中に2000種類以上が生息しますが、陸棲が多く、水棲は10種類のみです。ホタルの羽化は夏に限定されません。

日本のホタルの代表種のゲンジボタル(Luciola cruciata)は、水棲(流水域)で、幼虫は川の中流域にすみ、カワニナだけを食べます。 関東では、5月から6月に羽化します。

ヘイケボタル(Luciola lateralis)は止水域に棲み、幼虫はカワニナだけでなくモノアラガイやタニシなどの淡水生巻貝類を捕食し、やや富栄養化した環境にも適応します。鰓呼吸と空気呼吸を併用するため、泥の中にも棲めます。関東では5月から9月に羽化します。

陸生のヒメボタル (Luciola parvula)の幼虫は森林の中に棲み、カタツムリ等を食べます。分布は西日本中心で関東にはいません。

つくば市周辺では30年くらい前までは、花室川沿い等で、広くホタルが見られましたが、最近では、ホタルは激減しています。

今回は、ヘイケボタルのいる阿見町の実穀近隣公園を紹介します。

2013年10月から、「実穀近隣公園ほたる野会」が、実穀近隣公園周辺の水辺に飛んでいたヘイケボタルを復活する活動を始めました。ホタルの人工飼育を8月から翌年 5 月まで行い、6月に幼虫を放流して、7月と8月にホタルの観賞を しています。町の里親制度を活用した実穀近隣公園の環境整備や、ホタルの天敵であるザリガニの駆除、ホタルの幼虫の人工飼育と放流を行っています。2015年 7 月に、ホタルの飛翔が復活し、以降は毎年ホタルが見られます。

メルシーおばさんが、5月に実穀近隣公園にいった時の写真と、7月にパパが撮影したホタルの写真を紹介します。

実穀近隣公園ほたる野会 広報あみ No.669 2016/12 p.23
https://www.town.ami.lg.jp/cmsfiles/contents/0000002/2674/web161125all.pdf

実穀近隣公園ほたる野会
https://www.youtube.com/watch?v=4jgeqAEfcpU



写真1 駐車場から竹林の中の道を進んで行きます。


写真2 竹林は、小川で途切れて、左は公園の芝生広場です。


写真3 小川の前に「実穀近隣公園ほたる野会」の看板がありました。


写真4 小川に沿って進んでいくメルシーおばさん。7月の夜、この小川には、ホタルがいませんでした。


写真5 芝生広場がとても気持ちがよいです。


写真6 芝生広場で休んでいるメルシーおばさん。


写真7 公園の駐車場と反対の端にきました。5月には、山藤がありました。


写真8 公園の駐車場と反対の端にあったもう1枚の「実穀近隣公園ほたる野会」の看板です。7月には、この看板の後ろの側溝周辺にホタルがいました。



写真9 シャガが咲いていました。


写真10 7月に撮影したヘイケボタルです。


写真11 7月に撮影したヘイケボタルです。



写真12 公園近くの道の中央の草に留まっていたヘイケボタルです。
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