第16話 メルシーおばさんの美容法

文字数 1,912文字

犬はあまりきれい好きでないって思ってません?メルシーおばさんのお友達でも、ノミがつかないようにノミよけパウダーをかけてもらっている犬がいます。でも、メルシーおばさんは、とてもきれい好きなんです。メルシーおばさんは、清潔ですから、ノミよけパウダーなんて、いりませんわ。今回は、メルシーおばさんの美容法を紹介しますね。

メルシーおばさんは1週間に1回はかならずお風呂に入るんです。多い時には2回はいります。お風呂の回数は、パパとママが相談して決めています。

ひとつは、「最近、メルちゃんは、犬臭いよ。そろそろお風呂にいれた方がいいんじゃないかい?この間、お風呂に入ったのはいつだった?」てな具合で、入浴日が、決まるの。もう一つは、「昨日と今日は雨続きで散歩にいっていないな。散歩代わりにお風呂で汗をかいたほうがいいんじゃないかい?」って、散歩代わりにお風呂にはいるんです。これって、サウナ健康法と同じでしょう。つまり、メルシーおばさんのお風呂は、美容法でもあるのよ。

それでは、お風呂の美容法を説明するわ。

1回目のお風呂:まず、最初に温水シャワーをかけながら、シャンプーをかけて2度洗いして、首から下をきれいにします。普通の犬の美容法はここで終わりだけど、メルシーおばさんの場合は、ここからがスタートね。次に写真1のようにお風呂(つまりポリバケツね)に入ります。ここで、お湯から上の部分にシャワーをかけながら、毛をゆすって、残っているシャンプーをきれいに落とします。次にお風呂に入ったままで、犬用のシャンプーで顔と頭を丁寧に洗います。あ、さっきの首から下で使ったのは人間用のシャンプーです。ここで一度、お風呂から出ます。お風呂のお湯はいったん捨てて、新しいきれいなお湯をくみなおします。

2回目のお風呂:お風呂にお湯がいっぱいになる間に、3度目のシャンプーをして汚れを完全に落とします。このころになると泡がよく立ちます。シャンプーをシャワーで軽く流し落として、仕上げににコンディショナーをつかいます。これも、人間用のコンディショナーです。よく、ブラッシングをしたあと、シャワーでコンディショナーも流し落とします。このころには、お風呂にお湯がいっぱいになっているので、2回目のお風呂にはいり、シャワーをかけながらコンディショナーの残りも落とします。このときは、お風呂の中の泡がなくなるまで、丁寧に、毛をもんで、シャワーでお湯を入れ替えながらきれいにします。

ここまでは、ちょっと、熱いけど、いい気持ちです。問題は、この次です。首から下は、お風呂で、念入りに洗っているので、とっても、きれいになっているわ。でもね、首から上は、犬用の目にしみないシャンプーが付いたままになっているの。つまり、最後に、首から上の犬用シャンプーをどうして洗い流すかという大問題が残っているわけ。皆さんなら、この難問をどう対処なさいますか?

パパの解決法はとっても乱暴です。要するに、人間と同じ方法です。体を押さえておいて、頭の上からシャワーをかけるんです。もうちょっと、犬の性質に配慮してもらえるといいんですけど、首から上は、犬用シャンプーだから、問題ないと考えているようです。ちょっと前までは、近くのペットショップに、ドッグワッシュマシーン(全自動犬洗い機)があって、そのなかに犬を入れてボタンを押すと、自動車の洗車機のように、自動的に犬を洗濯してくれたようです。パパは、頭の上からのシャワーは、ドッグワッシュマシーン(全自動犬洗い機)に比べれば、ずっと、丁寧で、優しい方法だと考えているのかもしれません。でも、メルシーおばさんは、頭の上からのシャワーは大嫌いです。これさえなけば、お風呂は最高の美容法なんですけど。画竜点睛(がりょうてんせい)を欠いていると思います。どなたか、良い解決法をパパに教えて下さるととっても嬉しいです。というわけで、お風呂の気配があるとメルシーおばさんは、出来るだけ、見つからないように、机や椅子の下に隠れます。でも、残念ながら、最後は、いつも見つかって、お風呂に、入ることになるんです。

お風呂に入った翌日に、ママのお母さんに、会うと、メルシーおばさんを抱っこして、とってもいいにおいがするって喜んでくださいます。お風呂に入ると、体中にコンディショナーのいい匂いがするんです。香水はつけませんが、犬にとって美容がいかに大事なことかおわかりいただけましたか。



写真1 お風呂で失礼します。


写真2 2回目のお風呂で失礼します。


写真3 お風呂で暑くて舌を出して失礼します。


写真4 お風呂に入りたくないので、椅子の下に隠れているメルシーおばさん。

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