第523話 メルシーおばさん、おおほりの渡しに行く

文字数 1,649文字

取手市にある「おおほりの渡し」は、なぜか、「大堀の渡し」ではなく、「小堀の渡し」と書きます。

「第381話 メルシーおばさん、長禅寺三世堂に行く」では、取手市の長禅寺と旧取手本陣染野家住宅を紹介しています。

水戸街道の取手宿は、染野家住宅の場所にありました。利根川を挟んで、千葉県側には、青山宿がありました。江戸時代、利根川には、橋がかかっていなかったので、「取手・青山の渡し」あるいは、「取手の渡し」と呼ばれる渡船が、青山宿と取手宿を結んでいました。

この「取手・青山の渡し」は、現在の国道6号の大利根橋の下流側に位置していました。

時代が下って、 1914年に利根川の大改修工事によって、取手市の小堀(おおほり)地区と取手宿の間に利根川が移設されました。その結果、今まで、取手宿と地続きであった小堀地区は、利根川の対岸になってしまいました。そこで、小堀地区の住民は、「小堀の渡し」の自主運航を始めました。

小堀地区の「小堀」の桟橋は、「取手・青山の渡し」より2㎞下流側にあります。「小堀の渡し」は、そこから、対岸の1.5km上流の取手宿近く(現在の「取手ふれあい桟橋」)を目指して、運行されました。

1967年に、「小堀の渡し」は、取手町が運航する公営の渡船になりました。

1999年に、小堀循環バスの運行が始まり、「小堀の渡し」は歴史的な役割を終えます。

2001年に、 取手市は「小堀の渡し運航条例 」を施行して、「小堀の渡し」の保存を決めました。2002年から、「小堀の渡し」は民間委託で、運用されています。

2014年に、「小堀の渡し」は、運航開始100周年を迎えました。利根川で、渡船が残っているのは、「小堀の渡し」だけです。

なお、水戸街道では、江戸川にも、有名な「矢切の渡し」が、残っています。

2020年3月に就航した現在の渡船(とりで号)は、東京藝術大学学長の日比野克彦氏が「市の鳥、カワセミにちなんだ、カラフルで、水面に映ったときの輝き」をイメージして、船体色を、デザインしています。

とりで号は、定員は12人のアルミ船で、長さ9.95m、幅3.00mあります。 自転車、原動機付き自転車(50cc以下)は1人1台まで無料で載せられます。ペットはケージに入れれば乗船可能です。

メルシーおばさんは、ケージに入りたくなかったので、今まで、「小堀の渡し」を避けていましたが、利根川にある唯一の渡船なので、乗船しない条件で、見に行ってきました。

今回は、駐車場に近い「取手ふれあい桟橋」を目指しました。


写真1 小堀の渡し(取手ふれあい桟橋)に着いたメルシーおばさん。


写真2 桟橋の入り口のゲートは鍵がかかっていて入れません。


写真3 ゲートの外から見た桟橋です。


写真4 渡船の到着まで時間があるので、休んでいるメルシーおばさん。


写真5 とりで号は、こちらから来るはずです。


写真6 とりで号が見えてきました。


写真7 とりで号を見ているメルシーおばさん。


写真8 とりで号は、桟橋に近づいてきました。


写真9 着岸はすぐそこです。


写真10 着岸した船頭さんが、ゲートの鍵をあけてくれました。とりで号の前方の赤い部分(中二階)は、フライングデッキです。


写真11 とりで号の後方を調べているメルシーおばさん。


写真12 とりで号の前方を調べているメルシーおばさん。


写真13 前から見たとりで号です。お客さんは1人です。


写真14 ママに抱っこして、とりで号をみているメルシーおばさん。後方に、1階船室への入り口が見えます。


写真15 ママに抱っこして、とりで号をみているメルシーおばさん。操舵席前の円形のワイパーが見えます。


写真16 船頭さんが、出航の準備を始めました。桟橋には、立入禁止の看板がつけられました。


写真17 出航したとりで号を見ているメルシーおばさん。


写真18 とりで号は鉄道橋の近くで、向きを変えました。


写真19 とりで号に、さよならしているメルシーおばさん。


写真20 とりで号は、次第に小さくなって行きます。

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