第34話 最近ちょっと目が赤いんです

文字数 1,571文字

メルシーおばさんの目は、ちょっと大きいんです。「つぶらな瞳ちゃん」って褒めて下さる方もいますが、お顔を上から見ると「出目金」みたいって、いわれることもあります。皆さんも、容姿について、いろいろといわれることはあると思いますが、モノは見方で変わってくるって割り切ることが肝心と思いますわ。もっとも人間の場合には、最近は、整形手術をする方も多いようですね。手術をしない方でも、女性は殆どお化粧をしますし、最近では、男性でもお化粧をする方が増えているって、聞いています。人間は、自分で、自分の容姿はかくあるべしって、理想像があるようで、それはすごいことだなあって思っています。え、それは、当たり前ですって。違いますよ。犬の場合、理想の容姿を決めるのは、飼い主なんです。ブルちゃん(ブルドック)が好きな飼い主の方もいますし、プーちゃん(プードル)が好きな飼い主の方もいます。だから、ブルちゃんもプーちゃんもそれぞれ、理想の容姿なんです。犬もお化粧して、リボンをつけてもらうことはありますが、整形手術をしたっていう話は、交通事故で、怪我をした犬以外では聞きません。それは、飼い主が、理想の容姿の犬を選んで、飼っているからだと思いますわ。犬には犬種があります。お顔も違いますが、大きさも違います。人間ですと、身長とか体重くらいを問題にするだけですが、メルシーおばさんのチワワとセントバーナードでは大きさも違います。これも、理想の体型を求めた結果ですよ。ペットショップに行くと、ケージの中に、犬が入っていて、ラベルに犬種、誕生日、体重が書いてあります。この中に「ミックス」って書かれた犬もいます。昔ながらの言い方では、「雑種」です。でもミックスの犬って、あんまり人気がないんです。それは、犬種が理想の容姿を求めて作り出されているからだと思いますわ。そういえば、人間って、全員雑種なんですね。犬で言えば、雑種が理想の容姿になるのは、難しいですから、人間が理想の容姿に近づくことが難しいのは当然ですわね。

メルシーおばさんがSF小説「3000年の東京」を書いたとします。その頃になると、人間は、遺伝子組み換えで、自分の容姿を理想に近づけることができるようになっています。もちろん倫理規定があって、なんでも変えることはできませんが、病気の治療に遺伝子組み換えは使えるようになっているでしょうし、お鼻を高くしたいといった副作用の少ないプチ整形遺伝子組み換えもできるようになっているでしょう。そうすると人間にも犬種みたいに、人間種(人種ではないのでこうかきます)ができます。そこで、人間は理想の容姿を求めていきますから、「3000年の東京」には、チワワみたいな人間種やプーちゃんみたいな人間種が登場します。たまに、昔ながらの雑種の人間種の方が登場して、「余は容姿にはこだわらん」などというのでしょうか。遺伝子組み換えの容姿は、本人ではどうにもならないので、ご両親が決めるはずです。これって、犬の容姿を飼い主が決めるのと同じ評価の構造です。人間の容姿の考え方も、犬みたいになるのでしょうか。

さて、話をメルシーおばさんの目に戻します。この間、パパがメルシーおばさんの目が赤いことに、気が付きました。それで、ちょっとしてから、獣医の先生に見て頂き、目薬を出していただきました。それからは、ちょっとだけ目薬をさすことになりました。目薬をさすと、最初は、何が起こっているかわからずに、びっくりしましたが、すぐに、慣れました。目薬って、目がちょっと冷たくなるだけなんですね。


写真1 ウサギさんと遊んでいる目の赤いメルシーおばさん。


写真2 正面をむいた目の赤いメルシーおばさん。


写真3 赤い目はなおりました?
ママがこのポーズは名画「真珠の耳飾りのチワワ」に、似ているといっています。

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