第341話 メルシーおばさんのここ掘れ、ワンワン
文字数 1,388文字
良い子の皆さん、日本の昔ばなしの「花咲かじいさん」は知っていますよね。
童謡・唱歌「花咲かじいさん」では、次のように歌われています。
うらのはたけで ポチがなく
しょうじきじいさん ほったれば
おおばん こばんが ザクザク ザクザク
いじわるじいさん ポチかりて
うらのはたけを ほったれば
かわらや かいがら ガラガラ ガラガラ
この歌詞の「ポチがなく」の部分は、童謡のもとになった昔ばなしでは、次のようになっています。
「ポチ(昔ばなしでは白)は、おじいさんのすそをくわえて、畑のすみの、大きなえのきの木の下までつれて行って、前足で土をかき立てながら、
『ここ掘れ、ワン、ワン。
ここ掘れ、ワン、ワン』
となきました」
「花咲かじいさん」のお話が正しければ、飼い主が正直なら、犬は優秀なトレジャーハンターになるはずです。
でもちょっと変です。
古代トロイアの遺跡からプリアモスの財宝を発掘したシュリーマンさんも、ツタンカーメンのお墓から黄金のマスクを発見したカーターさんも、トレジャーハンターに犬をつかっていませんでした。それどころか、フィクションの世界の「宝島」や、「ディズニーのカリブの海賊」にもトレジャーハンターの犬はでてきません。
それからもっと不思議な点もあります。
メルシーおばさんは、時々、縄文遺跡の公園にお散歩に行きます。
公園には、考古学の博物館があり、お宝が展示されています。そのお宝は、昔のおちゃわんのかけらや貝殻です。ポチが、掘り出した「かわらや、かいがら」とほぼ同じです。
賢い読者の皆さんはもうお気づきですよね。
つまり、いじわるじいさんが考古学を勉強していれば、ポチが、「かわらや、かいがら」を掘り出した時に、「ポチ、すごいぞ。大したお宝だ」と喜んだはずです。
そんなわけで、メルシーおばさんが、縄文遺跡の公園に行くと、パパは、メルシーおばさんの方を見て、今日こそは、お宝を掘り出すのではないかと期待しているようです。
ポチのように地面を掘り返す習性のある犬も多いようです。この習性は、犬の祖先のオオカミが、土を掘って作った巣穴で生活して、捕まえた獲物を巣穴に隠して保管した名残と言われています。それは、大事なストレス発散法でもあります。
でも、メルシーおばさんは、地面を掘り返しはしません。その理由は、「第212話 メルシーおばさんのストレス発散法」で、書いたように、メルシーおばさんは、段ボール箱をかじることでストレスを発散するからです。
こうして、縄文遺跡の公園に行っても、メルシーおばさんは、パパが期待する「ここ掘れ、ワンワン」にはならずに、いつもクルールなお顔でお家に帰ってきます。
写真1 縄文遺跡の公園の一番高いところは広場です。遠くに、縄文住居がみえます。
写真2 縄文住居に近づいてきたメルシーおばさん。
写真3 縄文住居の回りをお散歩しているメルシーおばさん。
写真4 広場の端には、貝塚の断面が見えます。お宝が埋まっていそうです。
写真5 広場の端から貝塚の断面観察施設の屋根が見えます。
写真6 貝塚の断面観察施設の前にきました。博物館の人は、ここにお宝があるといっています。ほんとかな?
写真7 広場で夕陽を浴びて休んでいるメルシーおばさん。
写真8 お宝には目もくれないで、気持ちよくお散歩しているメルシーおばさん。メルシーおばさんは、お宝よりもお散歩が好きです。
童謡・唱歌「花咲かじいさん」では、次のように歌われています。
うらのはたけで ポチがなく
しょうじきじいさん ほったれば
おおばん こばんが ザクザク ザクザク
いじわるじいさん ポチかりて
うらのはたけを ほったれば
かわらや かいがら ガラガラ ガラガラ
この歌詞の「ポチがなく」の部分は、童謡のもとになった昔ばなしでは、次のようになっています。
「ポチ(昔ばなしでは白)は、おじいさんのすそをくわえて、畑のすみの、大きなえのきの木の下までつれて行って、前足で土をかき立てながら、
『ここ掘れ、ワン、ワン。
ここ掘れ、ワン、ワン』
となきました」
「花咲かじいさん」のお話が正しければ、飼い主が正直なら、犬は優秀なトレジャーハンターになるはずです。
でもちょっと変です。
古代トロイアの遺跡からプリアモスの財宝を発掘したシュリーマンさんも、ツタンカーメンのお墓から黄金のマスクを発見したカーターさんも、トレジャーハンターに犬をつかっていませんでした。それどころか、フィクションの世界の「宝島」や、「ディズニーのカリブの海賊」にもトレジャーハンターの犬はでてきません。
それからもっと不思議な点もあります。
メルシーおばさんは、時々、縄文遺跡の公園にお散歩に行きます。
公園には、考古学の博物館があり、お宝が展示されています。そのお宝は、昔のおちゃわんのかけらや貝殻です。ポチが、掘り出した「かわらや、かいがら」とほぼ同じです。
賢い読者の皆さんはもうお気づきですよね。
つまり、いじわるじいさんが考古学を勉強していれば、ポチが、「かわらや、かいがら」を掘り出した時に、「ポチ、すごいぞ。大したお宝だ」と喜んだはずです。
そんなわけで、メルシーおばさんが、縄文遺跡の公園に行くと、パパは、メルシーおばさんの方を見て、今日こそは、お宝を掘り出すのではないかと期待しているようです。
ポチのように地面を掘り返す習性のある犬も多いようです。この習性は、犬の祖先のオオカミが、土を掘って作った巣穴で生活して、捕まえた獲物を巣穴に隠して保管した名残と言われています。それは、大事なストレス発散法でもあります。
でも、メルシーおばさんは、地面を掘り返しはしません。その理由は、「第212話 メルシーおばさんのストレス発散法」で、書いたように、メルシーおばさんは、段ボール箱をかじることでストレスを発散するからです。
こうして、縄文遺跡の公園に行っても、メルシーおばさんは、パパが期待する「ここ掘れ、ワンワン」にはならずに、いつもクルールなお顔でお家に帰ってきます。
写真1 縄文遺跡の公園の一番高いところは広場です。遠くに、縄文住居がみえます。
写真2 縄文住居に近づいてきたメルシーおばさん。
写真3 縄文住居の回りをお散歩しているメルシーおばさん。
写真4 広場の端には、貝塚の断面が見えます。お宝が埋まっていそうです。
写真5 広場の端から貝塚の断面観察施設の屋根が見えます。
写真6 貝塚の断面観察施設の前にきました。博物館の人は、ここにお宝があるといっています。ほんとかな?
写真7 広場で夕陽を浴びて休んでいるメルシーおばさん。
写真8 お宝には目もくれないで、気持ちよくお散歩しているメルシーおばさん。メルシーおばさんは、お宝よりもお散歩が好きです。