第274話 彼岸花

文字数 936文字

彼岸花(ヒガンバナ、曼殊沙華)の原産地は中国大陸で、日本では帰化植物になります。幕末の1854年に、日米和親条約(Convention of Peace and Amity between the United States of America and the Empire of Japan)によって日本は鎖国を解きますが、彼岸花はその1854年に日本から米国に導入されています。

日本の彼岸花は、三倍体植物で、種子ができず、球根で増えます。彼岸花は、クローンのため、秋のお彼岸のころに一斉に、同じ大きさ、色、草丈で咲き揃い見事な風景になります。

秋分の2022年9月20日を中日(ちゅうにち)とし、前後各3日を合わせた各7日間(9月17日から24日)を秋のお彼岸といいます。

三途川(さんずのかわ)が、此岸(現世)と彼岸(あの世)の境目にあります。日本では、お彼岸は昼夜・東西が平行になり、三途川を渡れる時であると言われ、祖先供養の彼岸会(ひがんえ)を行います。

三途川は、ギリシア神話のオルフェウスとエウリュディケーにも、ステュクスという名前で出てきます。同じような伝承は世界各地にあります。

実は彼岸花は全身猛毒です。食べたら、彼岸(あの世)にいってしまいます。この性質を使って、彼岸花は、ネズミ、モグラ、虫などが近寄らないように、田んぼやお墓に多く植えられています。

メルシーおばさんは、大抵のお花は近寄って何だろうと匂いを嗅いでみます。

しかし、メルシーおばさんはとっても優秀な番犬ですから、彼岸花の匂いが一寸(ちょっと)しただけで、彼岸花が大変危険なお花であることを直ぐに理解しました。

メルシーおばさんは、綺麗な彼岸花を見るのは好きですが、彼岸花は危険ですから、決して近寄りません。

パパは、メルシーおばさんが、彼岸花と並んでいるツーショットを撮りたかったようですが、それはかないませんでした。



写真1 彼岸花とちょっと離れて座っているメルシーおばさん。


写真2 一見するとツーショットに見えますが、彼岸花はメルシーおばさんの後方に離れています。



写真3 パパが、メルシーおばさんと彼岸花のツーショットを何度も撮りたがっているので、付き合い切れないと感じているメルシーおばさん。

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