第194話 勿来(なこそ)の関公園のメルシーおばさん

文字数 945文字

今回は、勿来(なこそ)の関公園に行ってきました。

勿来は、以北は蝦夷地なので「来る勿れ」(くることなかれ、来ちゃだめよ)という意味だそうです。

アメリカのテキサス州フォートワースには、砦があり、その先は、ネイティブ・アメリカンの住んでいるところなので、Where the West Begins(これより西部が始まる)といいます。勿来も気分は同じです。

勿来の関所で、記念撮影をしようと思ったのですが、関所の写真は1枚も撮れませんでした。

何でも知っているウィキペディアさんは、次のようにいっています。

「なこその関」は関といいますが、関所とはいいません。また、「なこその関」は、和歌など文学作品以外の古代の史料には記載がなく、所在地は分かっていません。

古代ギリシアの哲学者プラトンが、著書の中で記述したアトランティスみたいです。

勿来の関は、歌枕(和歌の題材とされた日本の名所旧跡)です。平安から江戸時代に125首の短歌が勿来の関を歌枕にして作られました。知名度は、アトランティス以上です。

こんなに有名なのに所在地がわからないと不便です。江戸時代初期に、福島県いわき市勿来町を「なこその関」と呼ぶことを思いついた人がいて、ここが有名になりました。

ですから、勿来の関公園には、2つの建物がありますが、関所はないんです。

2001年(平成13年):文学歴史館(1988年開館の観光施設)が供用再開。
2007年(平成19年):体験学習施設吹風殿が開館。平安貴族の邸宅風の建物と庭園をデザインしています。

なお、百人一首の「滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ」は、京都の嵐山を歌っています。勿来の関とは関係ないそうです。

125首の中では源義家さんの次の和歌が一番有名です。

吹く風を なこその関と 思へども 道もせにちる 山桜かな

吹風殿は、名前を、この和歌からとっています。


写真1 吹風殿です。


写真2 勿来に来てしまったメルシーおばさん。


写真3 吹風殿の前の太鼓橋のもとで佇(たたず)むメルシーおばさん。


写真4 平安時代にタイムスリップして、ご機嫌なメルシーおばさん。



写真5 石橋を足でたたいて渡っているメルシーおばさん。


写真6 文学歴史館のスロープを登っているメルシーおばさん。

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