第376話 メルシーおばさん、忠犬タローに会う

文字数 2,148文字

メルシーおばさんは、茨城フラワーパークの河津桜見学(第358話 いばらきフラワーパークの河津桜)と同じ日に、石岡駅前広場で忠犬タローに会ってきました。

おまけに、パパが、撮影したイギリスの有名な忠犬のグレーフライアーズ・ボビーの写真も載せておきます。

忠犬と言えば、みなさん、御存知のハチ公は、飼い主の死後10年間、渋谷駅に通っています。

ボビーは、飼い主の死後14年間、飼い主のお墓の傍らで過ごしました。

忠犬タローは、飼い主とはぐれてから17年間、石岡駅に通っています。

タローは長生きしたので、忠犬のレコードホルダーかもしれませんね。

忠犬タローの話

1964年、玉造町に住む5歳の亮子さんは、玉造町駅から石岡駅まで鹿島鉄道を利用して、石岡市にある石岡善隣幼稚園に通っていました。コロは、自宅から玉造町駅まで、亮子さんをお見送りするのが日課でした。

ある日、コロは、亮子さんについて、玉造町駅で鹿島鉄道に乗ってしまい、下車した石岡駅で、亮子さんとはぐれてしまいました。

亮子さんのお父様は、石岡駅の周辺で、コロを探します。幼稚園で、コロを見たという報告もありましたが、コロに会うことはできませでした。

コロは、幼稚園とは常磐線の反対側にある石岡東小学校に迷い込み、タローという名前で飼われるようになります。タローは、毎朝、校門で子供たちを迎えます。タローは、子供たちが登校後、約2km離れた石岡駅まで通い飼い主を待ちました。タローは、昼間は、学校で子供たちと遊びますが、夕方も、石岡駅まで通い飼い主を待ちました。これは1981年のタローが死ぬ前日まで17年続きました。

石岡市にはペット霊園がなく、タローは、土浦市乙戸のペット霊園(乙戸沼公園から500m)に埋葬されました。現在、ここは、霊園として管理されていません。

2009年5月、亮子さんは朝日新聞で小学校に迷い込んだタローという名前の犬の記事を見つけます。タローの記事は、離れ離れになったコロと日付が一致していました。亮子さんが、当時の小学校の校長先生を尋ねて見たタローの写真はコロでした。タローと別れてから、45年が経っていました。

地元の有志がこの物語を後世に伝えようと銅像を建てました。 石岡市内に住む彫刻家の平田寿一さんが、タローの両脇に児童を配した銅像を製作しました。銅像は「みんなのタロー」と命名され、石岡駅西口前に設置され、2017年4月14日に、除幕式が行われました。

タローの話は、「志村どうぶつ園 45年ぶり奇跡の再会 コロと我が家の犬(2009年12月19日、2015年2月14日)」などテレビでも取り上げられています。

2012年には、「あした会えるさ―忠犬タローものがたり(今泉 文彦著)」 が出版されました。

2022年には、映画「石岡タロー」が製作されました。

グレーフライアーズ・ボビーの話

グレーフライアーズ・ボビー(Greyfriars Bobby)は、スコットランドのエディンバラのグレーフライアーズにいたスカイ・テリア(skye terrier)の犬です。

ボビーは、市警に勤務するジョン・グレイ(John Gray)さんに飼われて、2年間生活を共にしますが、1858年2月15日に、グレイさんは結核で死去して、グレーフライヤーズ教会の墓地(Greyfriars Kirkyard)に埋葬されます。グレイさんより14年長く生きたボビーは、残りの生涯をグレイさんの墓の傍らで過ごしました。ボビーは、墓地の裏手のカフェで、食事をもらっていました。

1872年1月14日にボビーはカフェの店主の娘さんに見守られながら、16歳で息を引き取りました。墓地への犬の埋葬は禁止されていたため、ボビーは、ジョン・グレイさんのお墓に近い門のすぐ内側に埋葬されます。1981 年5 月13 日に序幕されたホビーの墓石は、教会の前(墓地内)にあります。

グレーフライヤーズ教会の墓地は、ジョージ・マッケンジーの呪い、ハリー・ポッターのヴォルデモート卿のモデルのトーマス・リドルさんのお墓、掘り返された死体の話で知られ、心霊ツアーも行われる世界で1番恐ろしい墓地です。近くには、ローリングさんがハリー・ポッターを書いたElephant House Cafeもあります。


写真1 フラワーパークで河津桜を見終わって、一休みしているメルシーおばさん。


写真2 お昼を食べたレンストランのメルシーおばさん。これから、タローに会いにいきます。


写真3 石岡駅近くに来ました。タローが通った道です。


写真4 タローか通った踏切に電車がきました。


写真5 踏切を越えて進むと、「みんなのタロー」の銅像がありました。


写真6 銅像のアップ写真です。


写真7 石岡駅の2階にあるタローの説明です。


写真8 説明文だけアップしました。


写真9 土浦市乙戸の旧ペット霊園です。昔あった馬頭観音はありませんでした。タローが可哀想なので、代わりに大聖寺の馬頭観音を写真合成しています。


写真10 1872 年につくられたグレーフライアーズ・ボビーの銅像です。


写真11 ボビーが食事をもらっていたボビーズ・バーです。建物の上には、グレーフライヤーズ教会の屋根も見ます。左の小径を通れば、墓地に入ります。
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