第５８５話 メルシーおばさん、潮来花嫁さんに会う（前編）
文字数 2,209文字
佐原市には、水郷佐原アヤメパークがあります。一方、潮来市には、水郷潮来あやめ園があります。水郷潮来あやめ園は、1976年に前川沿いの13haの低湿地に開園しています。水郷潮来あやめ園の面積は小さいですが、前川に沿っているため、あやめ園からは、前川を運行するサッパ舟を見ることができます。
1960年以前、潮来市では水運が主な交通手段で、嫁入りする際の花嫁や嫁入り道具等の運搬にはサッパ舟が使われて、「嫁入り舟」と呼ばれていました。
1955年3月には、美空ひばりさんの「娘船頭さん」のロケが水郷潮来で行われたのがきっかけとなり、水郷潮来は全国的に知られるようになりました。
1955年10月に、1956年公開の松竹のミュージカル映画「花嫁募集中」とタイアップして「ミス花嫁」を募集したことがきっかけとなり、「嫁入り舟」が全国的に知られるようになります。（補足参照）
さらに、1960年には、花村菊江さんの「潮来花嫁さん」が大ヒットしています。
しかし、交通手段が、水運から陸運に変化して、その後、サッパ舟を使った｢嫁入舟｣はみられなくなりました。
1985年に、つくば市で行われた「つくば国際科学技術博覧会（潮来の日）」のイベントとして「嫁入り舟」が復活しました。これがきっかけとなり、「嫁入り舟」があやめまつりのイベントになり、今では水郷潮来を代表する行事となっています。
「嫁入り舟」は、あやめまつりの期間中、水曜日と土曜日と日曜日に運行します。最近結婚したか、結婚を予定している花嫁と花婿を毎年約30組募集しています。
「潮来花嫁さん」が大ヒットした1960年には、橋幸夫さんが、デビュー作「潮来笠」をヒットさせます。1961年には、映画「潮来笠」も制作され、橋幸夫さんは、架空の人物の潮来の伊太郎を演じました。潮来地方では、い草で編んだ「あやめ笠」を使っており、それを「潮来笠」では「田笠」と呼んでいます。
2005年に、潮来市市制20周年事業として、水郷潮来あやめ園に「潮来の伊太郎」像と「潮来花嫁さん」の像が設置されました。
「あやめ笠」は、三角形の傘ですが、潮来の伊太郎の「潮来笠」は、丸い傘なので、謎があります。
今回は、潮来花嫁さんを待っているメルシーおばさんの写真です。
補足：
映画「花嫁募集中」とタイアップした「ミス花嫁」の募集は、1956年10月に行なわれたと潮来市のHPには書かれています。
しかし、「花嫁募集中」の公開は、1956年7月22日なので、1956年10月では、映画公開後になってしまいます。
1955年7月26日公開の松竹映画「花嫁はどこにいる」では、主演の男優と共演する花嫁候補役の女性を、雑誌「明星」愛読者から「明星ミス花嫁」として募集しています。これは、雑誌と映画のタイアップの最初のケースとして知られています。
「花嫁募集中」は、雑誌「明星」に連載中であり、またラジオ東京他三十四局で連続放送されている三木鮎郎の原作をミュージカル・ドラマの形式に依って、華やかで明るい喜劇に編集したものでした。つまり、「花嫁募集中」は、「明星」に関係した「花嫁はどこにいる」の延長線上にあります。
そうすると、「明星ミス花嫁」に準ずる形で、「ミス花嫁」の募集が行なわれたと推測できます。
「花嫁募集中」は、アメリカで成功して財を成し、30年振りの再婚を決意して⽇本に戻った男が、「花嫁募集中」なる珍番組を製作して、再婚の相⼿探しに奔⾛するストーリーです。
「花嫁募集中」のどこに、潮来が出て来るのかは、わかりませんでした。つまり、「ミス花嫁」の募集の条件は不明です。
「花嫁募集中」には、新人の空伸子氏が参加しています。
空伸子氏が、「ミス花嫁」の募集に応じた新人であると考えると、「ミス花嫁」の募集は、1956年7月22日以前で、前作の「花嫁はどこにいる」の公開の1955年7月26日より後と推測できます。
そこで、ここでは、「ミス花嫁」の募集の1956年は、1955年の間違いであったと考えています。
写真１ 水郷潮来あやめ園に到着したメルシーおばさん。
写真２ 「潮来の伊太郎」像の前のメルシーおばさん。
写真３ クローズ・アップです。
写真４ アヤメ園の園内の様子です。あやめ園内に見える橋は、雨情橋です。雨情橋を左に進むと前川にかかる水雲橋につながりますが、水雲橋は藤棚の影になって、写真には写っていません。
写真５ あやめ園の隣の前川です。手前の橋が、水雲橋で、後方の橋が思案橋です。左に船着き場が見えます。
写真６ ハナショウブの前のメルシーおばさん。
写真７ ハナショウブの前のメルシーおばさん。
写真８ 黄色いハナショウブの前のメルシーおばさん。
写真９ ハナショウブの前のメルシーおばさん。
写真１０ 前川の思案橋に登ってみました。
写真１１ 大きな橋（水雲橋）が見えます。橋の後方右岸に船着き場が見えます。花婿さんは、あの船着き場で、嫁入り舟にのった花嫁さんを待ちます。
写真１２ あやめ園に戻ったメルシーおばさん。
写真１３ 雨情橋が見えます。
写真１４ 嫁入り舟を見ようと、前川沿いの藤棚の下に人が集まって来ました。
写真１５ あやめ園より前川の上流にある水郷旧家磯山邸です。古民家ホテルですが、嫁入り舟のカップルの待機所にもなっています。
写真１６ 水郷旧家磯山邸の前の前川です。写真中央に嫁入り舟がスタートする舟着き場が見えます。
1960年以前、潮来市では水運が主な交通手段で、嫁入りする際の花嫁や嫁入り道具等の運搬にはサッパ舟が使われて、「嫁入り舟」と呼ばれていました。
1955年3月には、美空ひばりさんの「娘船頭さん」のロケが水郷潮来で行われたのがきっかけとなり、水郷潮来は全国的に知られるようになりました。
1955年10月に、1956年公開の松竹のミュージカル映画「花嫁募集中」とタイアップして「ミス花嫁」を募集したことがきっかけとなり、「嫁入り舟」が全国的に知られるようになります。（補足参照）
さらに、1960年には、花村菊江さんの「潮来花嫁さん」が大ヒットしています。
しかし、交通手段が、水運から陸運に変化して、その後、サッパ舟を使った｢嫁入舟｣はみられなくなりました。
1985年に、つくば市で行われた「つくば国際科学技術博覧会（潮来の日）」のイベントとして「嫁入り舟」が復活しました。これがきっかけとなり、「嫁入り舟」があやめまつりのイベントになり、今では水郷潮来を代表する行事となっています。
「嫁入り舟」は、あやめまつりの期間中、水曜日と土曜日と日曜日に運行します。最近結婚したか、結婚を予定している花嫁と花婿を毎年約30組募集しています。
「潮来花嫁さん」が大ヒットした1960年には、橋幸夫さんが、デビュー作「潮来笠」をヒットさせます。1961年には、映画「潮来笠」も制作され、橋幸夫さんは、架空の人物の潮来の伊太郎を演じました。潮来地方では、い草で編んだ「あやめ笠」を使っており、それを「潮来笠」では「田笠」と呼んでいます。
2005年に、潮来市市制20周年事業として、水郷潮来あやめ園に「潮来の伊太郎」像と「潮来花嫁さん」の像が設置されました。
「あやめ笠」は、三角形の傘ですが、潮来の伊太郎の「潮来笠」は、丸い傘なので、謎があります。
今回は、潮来花嫁さんを待っているメルシーおばさんの写真です。
補足：
映画「花嫁募集中」とタイアップした「ミス花嫁」の募集は、1956年10月に行なわれたと潮来市のHPには書かれています。
しかし、「花嫁募集中」の公開は、1956年7月22日なので、1956年10月では、映画公開後になってしまいます。
1955年7月26日公開の松竹映画「花嫁はどこにいる」では、主演の男優と共演する花嫁候補役の女性を、雑誌「明星」愛読者から「明星ミス花嫁」として募集しています。これは、雑誌と映画のタイアップの最初のケースとして知られています。
「花嫁募集中」は、雑誌「明星」に連載中であり、またラジオ東京他三十四局で連続放送されている三木鮎郎の原作をミュージカル・ドラマの形式に依って、華やかで明るい喜劇に編集したものでした。つまり、「花嫁募集中」は、「明星」に関係した「花嫁はどこにいる」の延長線上にあります。
そうすると、「明星ミス花嫁」に準ずる形で、「ミス花嫁」の募集が行なわれたと推測できます。
「花嫁募集中」は、アメリカで成功して財を成し、30年振りの再婚を決意して⽇本に戻った男が、「花嫁募集中」なる珍番組を製作して、再婚の相⼿探しに奔⾛するストーリーです。
「花嫁募集中」のどこに、潮来が出て来るのかは、わかりませんでした。つまり、「ミス花嫁」の募集の条件は不明です。
「花嫁募集中」には、新人の空伸子氏が参加しています。
空伸子氏が、「ミス花嫁」の募集に応じた新人であると考えると、「ミス花嫁」の募集は、1956年7月22日以前で、前作の「花嫁はどこにいる」の公開の1955年7月26日より後と推測できます。
そこで、ここでは、「ミス花嫁」の募集の1956年は、1955年の間違いであったと考えています。
写真１ 水郷潮来あやめ園に到着したメルシーおばさん。
写真２ 「潮来の伊太郎」像の前のメルシーおばさん。
写真３ クローズ・アップです。
写真４ アヤメ園の園内の様子です。あやめ園内に見える橋は、雨情橋です。雨情橋を左に進むと前川にかかる水雲橋につながりますが、水雲橋は藤棚の影になって、写真には写っていません。
写真５ あやめ園の隣の前川です。手前の橋が、水雲橋で、後方の橋が思案橋です。左に船着き場が見えます。
写真６ ハナショウブの前のメルシーおばさん。
写真７ ハナショウブの前のメルシーおばさん。
写真８ 黄色いハナショウブの前のメルシーおばさん。
写真９ ハナショウブの前のメルシーおばさん。
写真１０ 前川の思案橋に登ってみました。
写真１１ 大きな橋（水雲橋）が見えます。橋の後方右岸に船着き場が見えます。花婿さんは、あの船着き場で、嫁入り舟にのった花嫁さんを待ちます。
写真１２ あやめ園に戻ったメルシーおばさん。
写真１３ 雨情橋が見えます。
写真１４ 嫁入り舟を見ようと、前川沿いの藤棚の下に人が集まって来ました。
写真１５ あやめ園より前川の上流にある水郷旧家磯山邸です。古民家ホテルですが、嫁入り舟のカップルの待機所にもなっています。
写真１６ 水郷旧家磯山邸の前の前川です。写真中央に嫁入り舟がスタートする舟着き場が見えます。
