第10話 お散歩公園

文字数 1,157文字

メルシーおばさんは、天気が良ければ、1日に2回、お散歩につれていってもらいます。お散歩のコースはお家の周りが一番多いんですが、いつも、同じルートだと、飽きてしまいますので、日によって、ルートは半分くらい入れ替えています。

犬以外にも、人間でも、哲学っていう学問を研究なさっているかたは、毎日お散歩をするのが、お好きなようです。有名なカントていう先生は、毎日同じコースを時計のように正確にお散歩されていたようです。でも、それって、メルシーおばさんには、信じられません。お散歩の醍醐味は、知らない匂いに出会うことですし、素敵な匂いに出会ったら、それこそ予定は、そっちのけです。この間も、気になる犬がいたので、その後を追いかけていったら、その犬は、メルシーおばさんのお家の方に、走っていったんです。メルシーおばさんも後を、更に追いかけていったら、お家の前についてしまい、いつもの4分の一くらいで、お散歩がおわってしまいました。ちょっと、悲しかったけど、メルシーおばさんが自分で選んだ、お散歩道ですから、仕方なかったけど、ちょっと「グスン」です。

この間は、T字路にある横断歩道をパパと渡ろうかなって、考えていたら、直角方向に曲がろうとしていた宅配便屋さんのトラックが、横断歩道の前で「どうぞ」って止まってくれたんです。それで、横断歩道を渡ろうかなって、足を出しかかったら、宅配便屋さんのトラックの横から、自動車がすごい勢いで走ってきて、危うくひかれそうになりました。皆さんも止まっている自動車の影から他の自動車が飛び出してくることがあるので、注意しましょうね。

さて、お家の周りには、滑り台のある児童公園や、それよりずっと大きな中くらいの公園がありますので、こうした公園も、お散歩コースの中に組み込んでいます。それから、公園をつなぐ遊歩道もあって、木が生えていて日陰が涼しいのでよく使っています。とはいえ、お散歩コースの中心は自動車も通るアスファルト道路です。夏はとっても暑いんです。

そんな時は、パパが大きなお池のあるお散歩公園に連れて行ってくれることがあります。公園は駐車場を除けば、舗装されていないので、歩き心地がいいんです。水の上を吹いてくる風も、涼しくって気持ちがいいんです。なので、メルシーおばさんはお散歩公園が大好きです。お池の周りを1周回ると2kmくらいあります。若い時には、いつも、お池の周りを回っていましたが、最近では、体力が落ちてきたので、メルシーおばさんも、昔ほどは歩けなくなりました。それでも、体調の良い日や、あまり暑くない天気の良い日には、お池の周りを1周します。




写真1 お散歩公園のメルシーおばさん。


写真2 お散歩公園でちょっと一休み。


写真3 クンクン、いい匂い。(これは少し、若い時の写真です)。


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