第275話 メルシーおばさんの奈良犬

文字数 1,375文字

つくば市には、国指定文化財の遺跡が3か所あります。

小田城跡と平沢官衙遺跡(ひらさわかんがいせき)と金田官衙遺跡(こんだかんがいせき) の3か所です。

小田城跡は、第32話「小田城にいってお疲れだジョー」で紹介しています。

今回は、平沢官衙遺跡を紹介しますね。

官衙とは、官庁のことで、官衙遺跡とは、古代の政庁である国衙や郡衙跡を指します。

713年に天皇は、各国(現在の県)の事情を知り地方統治の指針とするため、風土記(地誌)の編纂を命令します。このとき、書かれた50冊以上の風土記のうち、出雲国風土記、播磨国風土記、肥前国風土記、常陸国風土記、豊後国風土記の5冊だけが現存します。

646年に、常陸国が設置され、石岡市に国府(石岡小学校敷地内)と国分寺(府中5-1-5)が置かれました。

第196話「常陸風土記の丘の獅子頭と桜」で紹介した「常陸風土記の丘」は、近くに国府があったことを記念しています。

平沢官衙遺跡は「常陸国風土記」に登場する11郡のうち、筑波郡の郡衙(郡役所)跡と考えられています。発掘調査によって奈良・平安時代の高床式倉庫跡約50棟が確認されました。

1997年から校倉、土倉、板倉3棟の復元工事が始まり、2003 年からは歴史公園(平沢官衙遺跡歴史ひろば)として一般に解放されています。

春には、「春の芝焼き」が、夏には、「万灯夏まつり」が、秋には「つくば物語」と称したコンサート・演劇が開催されます。

復元された建物は次の3棟です。

1号建物(第19号建物跡)高床校倉、寄棟・目板打ち厚板流れ葺

2号建物(第18号建物跡)高床土壁塗双倉、寄棟・茅葺

3号建物(第33号建物跡)高床板倉、切妻・槫板葺

日本に犬が来たのは1万年くらい前です。奈良時代の長屋王の邸宅(奈良県)からは、「御馬屋犬」「若翁犬」「御犬」などと書かれた木簡が出土しています。王族の子供を意味する「若翁」という言葉を冠した「若翁犬」は、長屋王の子供達のペットだったようです。犬は人間とずっと仲良しだったんですね。

奈良時代には、中国からさまざまな経典が輸入されましたが、鼠が紙を食い荒らしてしまい、経典(本)を守るために、鼠をとる猫も中国から連れてこられ、寺社で飼われるようになりました。夏川草介さんの「本を守ろうとする猫の話」に出て来る猫は、このことを知っていたのでしょうか。

庶民が猫を飼うようになったのは室町時代以降らしいです。

猫が日本に来たのは、チワワよりはずっと古いですが、普通の犬に比べれば新参者なんですね。

メルシーおばさんは、奈良犬 になった気分で、3つの復元建築を中心に、歴史公園をお散歩したので、その写真を紹介しますね。



写真1 3棟の建物と筑波山が見える歴史公園の入り口です。春には、芝焼きをします。


写真2 広い芝生をご機嫌に走り回っているメルシーおばさん。


写真3 上の写真をポスター風に加工しました。親善大使になれるかな。


写真4 1号建物の前のメルシーおばさん。


写真5 1号建物の前のメルシーおばさん。光線で随分違って見えます。


写真6 2号建物の前のメルシーおばさん。不思議な穴の空いた建物です。


写真7 2号建物の横のメルシーおばさん。


写真8 3号建物の前のメルシーおばさん。


写真9 3号建物の横のメルシーおばさん。


写真10 1号建物と2号建物の横のメルシーおばさん。
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