第410話 メルシーおばさん、観音寺で、紫陽花を見る

文字数 1,293文字

観音寺は、紫陽花が有名な牛久市にあるお寺です。観音寺は、牛久大仏(「第340話 メルシーおばさん、牛久大仏さんに会う」)や阿見のアウトレットモール(「第184話 メルシーおばさん、あみプレミアム・アウトレットへ行く」)の近くにあります。観音寺の紫陽花の花が咲いたようなので、行ってみました。紫陽花は綺麗でした。観光協会の案内には、「紫陽花の季節には、歩くのが困難なほど(紫陽花が)咲き乱れます」と書かれていましたが、歩くことは容易でした。観光案内を書いた人は、文才が有り余っていたのだと思います。

観音寺は、寺伝によると1226年に、十一面観音をまつる堂として建立されています。

1525年に本堂が建立されます。1707年の改修では、本堂が立て替えられ、1525年の旧本堂側廻りの柱を転用して、仁王門が建立されます。つまり、1707年には、本堂と仁王門が立て替えられたのですが、仁王門は、旧本堂側廻りの柱を転用しているので、仁王門の方が古い材料を使っていることになります。この古い柱材は、1992年から1994年の仁王門の改修工事で取り換えられています。

2012年に、取り外した古い柱の炭素14年代法による年代測定が行われました。その結果、この柱は、1525年より前の、13 世紀後半か,14 世紀初頭に伐採されたもので、十一面観音と同じ年代と推定されました。観音寺本堂は鎌倉時代後期に建築され,当初材を転用しつつ,1525年と1707年に再建されたことが明らかになりました。

今まで、関東地方にある鎌倉時代建立の古社寺建築物は、6棟(栃木・神奈川・埼玉)だけで、茨城・千葉・群馬の各県と東京都内には鎌倉時代の社寺建築は皆無とされてきました。2012年の調査で、観音寺の本堂と仁王門は、鎌倉時代にさかのぼる、茨城県内最古の寺院建築になりました。

仁王門の近くには、推定樹齢300年のイチョウの巨木と推定樹齢400年のカヤの古木があります。2本の巨木の間には、境内の巨木を利用して彫られた「火炎の彫刻」があります。

参考

炭素14年代法による茨城県牛久市観音寺の年代 坂本 稔・今村峯雄・一色史彦・若狭 幸・松崎浩之
file:///C:/Users/oiras/Downloads/kenkyuhokoku_176_06.pdf




写真1 自動車を降りると駐車場にも紫陽花がありました。


写真2 参道の階段と仁王門が見えてきました。階段の両脇には、紫陽花があります。


写真3 階段下の紫陽花です。


写真4 階段を登ったメルシーおばさん。参道がよく見えます。


写真5 階段脇の紫陽花です。


写真6 仁王門を通って境内に入ったメルシーおばさん。境内には、参道沿いほど紫陽花は多くありません。


写真7 本堂の前のメルシーおばさん。


写真8 仁王門の横の推定樹齢300年のイチョウの前のメルシーおばさん。


写真9 「火炎の彫刻」の前のメルシーおばさん。


写真10 「火炎の彫刻」の後ろに、推定樹齢400年のカヤの古木が見えます。


写真11 一巡したので、お家に帰ります。参道には紫陽花がたくさんありましたが、境内には少なかったです。
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