第35話 犬より強い包帯

文字数 1,511文字

この間、パパとお散歩にいったら、前足2本で逆立ちした歩いているプーちゃん(ミニ・プードル)に出会いました。チワワは、プーちゃんほどは、筋肉の力が強くないので、1m以上ジャンプしたり、逆立ちしたまま歩くことはできませんが、ちょっとつかまりながら2歩足で、立つことはできます。

プーちゃんに比べると、チワワはか弱いんです。お友達のチワワはテーブルから落ちて、打ちどころが悪くて骨折して、ギブスをはめていました。え、そんなに骨が細いはずはないですって。メルシーおばさんに限らず、チワワは大変に気が強いので(単に、小さいので怖がりなだけだとおっしゃる方もいますけど)飼い主以外の方が触れることが少ないので、どのくらいチワワが繊細かご存じない方も多いんです。チワワの足はスマートで、足の骨は、クリスマスのときに売っているローストチキンの骨くらいの太さしかありません。ちなみにメルシーおばさんは、ローストチキンの足の骨がだいすきなんですが、あれはたまらないですよね。あ、ごめんなさい、美味しい話になるとつい脱線してしまいます。けがの話でしたね。

この間、パパに抱っこしてもらっていて、床に下ろしてもらうときに、パパが間違えてメルシーおばさんから、ちょっとだけ早く手を放してしまいました。要するに、ちょっとだけ、墜落したんです。メルシーおばさんは大慌てで足をバタバタさせたんです。正確にいうと、普通に歩くように足を動かしたんですが、足が床に着いていなかったので、空回りしたんです。そして、空回りの状態から、突然、前足が床に着いたので、前足に衝撃をうけて、右足の爪にけがをしてしまいました。墜落した高さは20cmくらいです。足から血が出て、血がそこらじゅうの床についてしまいました。パパがけがをした足に救急絆創膏を貼ってくださいました。でも、メルシーおばさんは、絆創膏が気になって仕方がないので、お口で、絆創膏をとってしまいました。そうしたら、10分くらいで、また、血が出てしまいました。床がまた血だらけになりました。血が止まらないので、パパが、獣医の先生のところに、連れていって下さいました。獣医の先生は、「爪が折れていました」とおっしゃって、折れた爪を取り除いて、傷口を消毒して、包帯を巻いて下さいました。それから、念のために、化膿防止の抗生物質を出して下しました。

メルシーおばさんが、お口で、また包帯も取ってしまったんじゃないかですって。そうなんです。メルシーおばさんは包帯が気になって仕方がなかったのですが、そこは、さすが獣医の先生です。獣医の先生が巻いてくださった包帯は、犬よりも強い包帯で、メルシーおばさんの力では、どうしても外すことのできないものでした。ただし、この包帯は、締め付ける力が非常に強いため、そのままで置いておくと血の巡りが悪くなって、かえって病気を悪化させるそうです。ですので、止血ができたら、1時間ほどで、外してくださいと言われました。

メルシーおばさんが犬よりも強い包帯に挑戦している写真がありますかって。そうなんです。こうしたときには証拠写真をとっておけば、如何に、包帯が強力かを皆様にお見せできたんですが、写真は残念ながらありません。パパがメルシーおばさんのケガにすっかり気を取られて、写真を撮るのを忘れてしまったんです。でも、皆様のお飼いになっている犬が、絆創膏や包帯をお口で取り外してお困りになったら、獣医の先生のところには、犬より強い包帯があるってことを思い出していただければ、きっと、お役に立つと思いますわ。


写真1 気になる後足をなめているメルシーおばさん。


写真2 前足をなめているメルシーおばさん。



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