第31話 犬も歩けば山寺に登る

文字数 1,278文字

コロナウイルスが流行ってきて、パパとママは予定していた、タイへの観光旅行をキャンセルしたみたい。え、どうして、そんなことがわかるかって?パパとママが海外旅行をするときには、わたしは、獣医の先生のところのペットホテルで、お留守番になるんです。でも、すこし前に、予約していたペットホテルをママが電話でキャンセルしていたから、ああ、旅行は行かなくなったんだって、わかったの。ペットホテルでのお留守番は、いつもよりはつまらないけど、それは、ダイエットの貴重な機会なの。前回のお泊りは3日で、200gダイエットできたので、ママが感心していたわ。お泊りがなくなった分だけ、ダイエットに気をつけなくちゃ。

その代わりということで、コロナウイルスが危なくないところ、っていうことで、山寺に行ってきたの。国内旅行だと、わたしも一緒にいけるの。今回は移動は自動車だから問題なし。チワワは、電車にも乗れるわ。でもその話は別の時ね。ドライブインタイプのホテルで、犬も室内で泊まれる(要するに、お家と同じ条件の)部屋を予約してもらい、わたしも一緒にお泊りしたわ。

山寺は、山の上にあるお寺で、犬も行けるということで、えらばれたの。山の上までは、1000段くらいの階段を上らなくちゃいけないのよ。パパが色々調べた結果、「犬は山寺には上れるが、降りることはできない」っていう驚愕の結論に達したわ。要するに、行きはよいけど帰りは怖いっていうわけ。え、これって、要するに行けないってことと同じじゃない。わたしは、駐車場で一匹でお留守番なんていやよ。わたしは、もう、ここは、少し吠えて、駐車場で一匹でお留守番なんて絶対にいやよって、伝えるしかないなって、思った瞬間に、パパが言ったわ。「メルちゃんは行きは、自分で歩いて、帰りは抱っこ紐だな」え、抱っこ紐ってなにそれ?わたし、そんなの知らないわよ。

結局、パパとママが相談して、わたしに合うサイズの犬用抱っこ紐をネットで注文したわ。3日くらいして、抱っこ紐が来たので、わたしが試着してみて、これならOKっていうことで、旅行に予定通り行くことになったの。

山寺の駐車場までは、自動車でいきました。わたしは、そこから、リードを付けてもらって、自分の足で歩きはじめました。1000段の階段を全て自分の足で踏破っていいたいところですけど、残念ながら、一番最後の20段は、階段1段の高さが高すぎて、チワワのわたしには登れなかったの。でも、そこを除けば、全て踏破したわ。山寺の一番奥のお寺で、抱っこ紐に乗り換えて、下山です。途中ですれ違った人が、わたしのことを赤ちゃんと間違えて、「あ、犬だ」と驚いたり、「わんちゃん、おとなしいですね。うちの犬は、とても、そんなにおとなしく抱っこされないわ」って、感心されたりしたわ。わたしは、ともかくらくちんなので、抱っこ紐がすっかり、気に入りました。


写真1 ママにリードを引かれて、階段を自力で登っています。


写真2 抱っこ紐はとってもいい気持ちです。


写真3 抱っこ紐だと、自分で歩くよりも、遠くまで見渡せるので、いい景色なの。


ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み