第55話 大きなペットショップ

文字数 1,267文字

メルシーおばさんは、超小型犬なので、ドッグフードも少ししか食べません。そのため、いつも上等な美味しいドッグフードをいただいています。このドッグフードはちょっとだけ、高いので、近くのドラッグストアには置いてありません。そこで、ドッグフードの残りが少なくなると、大きなペットショップまで、買い出しに行きます。ペットショップには、ドッグフードだけでなく、犬や猫、小鳥、お魚などのペットも売っています。パパとママは、たまには、メルシーおばさんを犬や猫がたくさんいるところに、連れて行った方が良いだろうと、お考えのようで、メルシーおばさんをペットショップまで、連れていってくださいます。メルシーおばさんも、お留守番はつまらないので、喜んで、ペットショップまで連れていってもらいます。

このペットショップの優れている点は、ペット用のカートが置いてあることです。一見すると、スーパーに置いてあるカートと同じに見えますが、カートの床には、ペット用のおしっこシートが敷いてあって、ペットがおもらしをしても大丈夫になっています。もちろん、メルシーおばさんは、よほどの非常事態でもなければ、おもらしはしませんが、シートが敷いてあると、ペットが乗ってもいいですよという印なので、安心して、カートに乗ることができます。写真に見えますように、カートには、ペット専用カートって書いてあります。

ここまでは、快適ですが、実際には、問題もあります。

第1に、ペット専用カートなのに、あまり乗り心地が良くないことです。

カートの車輪は鉄でできていて、ガタゴトします。ガタゴト揺れるバスや電車には、吊り輪っていう便利なものがついていて、人間は、吊り輪につかまるそうですが、ペット専用カートには、吊り輪みたいな便利なものはついていません。ですから、ペット専用カートが揺れるたびに、メルシーおばさんは、自分が、カートから、飛び出してしまわないか、ヒヤヒヤしながら、カートに乗っています。

第2に、ペット専用カートって書いてあるのに、パパとママは、ちゃんと表示を読んでいないらしく、お買い物が進むと、メルシーおばさんの隣に、ペットフードや歯磨きガムなどが乗ってきます。ペットフードも歯磨きガムもペットではないと思いますが、パパとママは、気にならないようです。もちろん、ペットショップには、ペットフードを買いに来ていますから、ペットフードを買って帰らないと、メルシーおばさんが、腹ペコチワワになってしまって、大変なことになるのは良くわかります。でも、お荷物が増えると、ペット専用カートの中で、メルシーおばさんの居場所がだんだん狭くなって、居心地が悪くなります。居心地が悪くなって、なんとかして欲しいなって思う頃になると、レジに進んで、ペット専用カートとお別れすることになり、正直、ほっとします。


写真1 久しぶりのペットショップに、落ち着かないメルシーおばさん。


写真2 広々としたカートはご機嫌です。


写真3 カートが狭くなって居心地が悪いわ。


写真4 カートが揺れて、飛び出さないか心配なの。



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