第360話 メルシーおばさん、土浦のひな祭りに行く

文字数 1,434文字

メルシー家のあるつくば市の隣町の土浦市は水戸街道の宿場町で、霞ヶ浦にも接して水陸交通の要所として商業が栄えた町です。

土浦城址に隣接する中城通りは、江戸時代より土浦市の商業の中心エリアでした。

ここの呉服商「大徳」を再生した土浦まちかど蔵「大徳」は、江戸時代末期に造られた見世蔵、袖蔵、元蔵、向蔵の4棟の建物からなり、見世蔵には、観光案内所があります。

土浦まちかど蔵「大徳」の向かいにある、土浦まちかど蔵「野村」には、江戸時代後期から明治時代初期に建造された野村家の3つの蔵があります。母屋の1階は休憩所、2階には資料館になっています。袖蔵は多目的工房として、文庫蔵は作品展示用のギャラリースペースとして、レンガ蔵は喫茶店として活用されています。

「土浦の雛まつり」(2月4日~3月3日)は、土浦まちかど蔵の周辺を中心に約70ヵ所で開催されます。

江戸・明治時代の雛人形、手作りの「つるし雛」、日本一のレンコンの産地のレンコンの花たくや葉を使用した「霞蓮(かれん)雛人形」、霞ヶ浦のタニシで作られた「かすみ人形」などの雛人形が展示されます。

ということで、ちょっと前になりますが、「土浦の雛まつり」に行ってきました。

「かすみ人形」は、地元の日本画家、神林隻山(かんばやしそうざん)氏が昭和の初めに霞ヶ浦のタニシを使って創作して人形です。その後、だだ一人「かすみ人形」を製作していた中尾房次郎氏も亡くなりました。現在、かすみ人形保存研究会二期生が数名で「かすみ人形」を制作しているそうです(2018年の情報)。最近では、霞ケ浦のタニシも少なくなり、とても貴重になっています。

雛人形は大きく分けると、京雛、江戸雛(関東雛)に分かれます。

京雛は、朝廷、公家がモデルです。

江戸雛は、武家がモデルです。

京雛を代表するお雛様に、皇室の厳粛な儀式の衣装を再現した皇宮雛があります。

伝統的には、京雛は、男雛が向かって右、江戸雛は、男雛が向かって左と言われますが、最近は、江戸雛の配置が多いようです。

今回見たお雛様で、男雛が向かって右の京雛スタイルは、「かすみ人形」だけでした。


写真1 土浦まちかど蔵「野村」です。お雛様は、ピンクの旗の白い文庫蔵にいました。


写真2 文書蔵に入ったメルシーおばさん。


写真3 「かすみ人形」のお雛様です。どこにタニシがあるかわかりますか。


写真4 かすみ人形のタニシです。


写真5 左が普通のお雛様で、右が「霞蓮雛人形」です。


写真6 「霞蓮雛人形」のアップです。衣装は、蓮の葉でできています。


写真7 文書蔵を見回して、そろそろ退出しようと考えているメルシーおばさん。


写真8 土浦まちかど蔵「大徳」の前のメルシーおばさん。「大徳」には、犬は入れなかったので、「大徳」の写真は、この1枚だけです。


写真9「野村」文書蔵を案内してくれたおじさんが、是非行くべきと推薦した個人宅にお邪魔しました。


写真10 ものすごい数のお雛様です。たくさんありすぎて、1枚の写真には、全部は入りません。


写真11 明治42年のお雛様です。


写真12 飾り羽子板も多数ありました。お雛様と飾り羽子板は、お孫さんも含めて、女の子が生まれる度に、増えて、今の数になったそうです。


写真13 皇室の厳粛な儀式の衣装を再現した皇宮雛です。


写真14 これは、最近人気のビッグサイズファッションのお雛様です。


写真15 ママが写真を撮る邪魔にならないように、おとなしくしているメルシーおばさん。そろそろ帰りましょうね。

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