第192話 クリスマスイブ
文字数 1,001文字
「本当に何も用意してなくてごめんなさい」
心から謝ると彼は優しく笑ってくれた。
「俺があげたいからあげたんだ。言っておくけど俺は女に貢ぎたいんだよ。もっと何か買わせてくれ」
「……バブリーだね、でも私も何かあげなきゃ、何がいいの?」
彼は食べる物にはあんまり拘らないけれど、自分の洋服とか鞄とか身につける物に凄く拘っている。
素材がとかブランドがとか形状がとかよくわからない拘りが沢山あるのだ。そんな人に軽々しく自分が選んだプレゼントはあげられない。
「あきの体が欲しいかな」
軽々しく冗談を言ってきたのでキッと睨んだ。「わかった真面目に考える。えー別に何にも欲しいものないしなー」
「言ってくれないと何買っていいかわかんないし、だって私が可愛いって思って買ったTシャツくそダサイって言われるし」
彼が思い出したように笑い出した。「あのバナナの奴か、寒くなってきてから着てるの見ないけど」
「あれ驚くことに赤ちゃん用、子供用もあったし男性向けも売ってたから!ダサいって言うけれど、人気が出ると踏んでる人がどこかにいるから!」
「じゃああのバナナのTシャツが欲しい」
「何でそれが欲しいの?クソださいんじゃないの?」
「一周回ってかっこいいただろ!」
「意味わかんないけど、わかった」
近くにいたトナカイの格好をした大学生グループが久しぶりの知り合いに会ったみたいで大騒ぎしていた。
「亜紀ちゃんってお正月は仕事休みでしょ?何してるの?」
あんまり答えたくない質問だ。でも聞かれたから仕方ない。
「お正月はホワイトアンドブラックのデビューしてから今年までのライブのDVDを見る日ってマイルールで毎年決まってるから」
「そうか、一緒に見てやりたいけど」
「本当に思ってる?」「35パーぐらいは思ってるよ」「思ったより高い」
そう言って二人で目を合わせて笑った。
「俺は一月の三連休にやっと休めるからそれまで頑張って働くよ。だから三連休は予定入れないでおいて」
大きく頷くとまた頬を触り軽くキスした。
「もう大丈夫だから行って、行かないと皆さん散々重ちゃんのこと好き勝手に噂してると思う。やっぱりそうだったんだって」
「そうだな」
彼はそう言って面倒くさそうに顔をしかめた。どうせ後でまた帰ってくるんだけれども、打ち上げに向かう彼の後ろ姿を見えなくなるまでずっと見ていた。
心から謝ると彼は優しく笑ってくれた。
「俺があげたいからあげたんだ。言っておくけど俺は女に貢ぎたいんだよ。もっと何か買わせてくれ」
「……バブリーだね、でも私も何かあげなきゃ、何がいいの?」
彼は食べる物にはあんまり拘らないけれど、自分の洋服とか鞄とか身につける物に凄く拘っている。
素材がとかブランドがとか形状がとかよくわからない拘りが沢山あるのだ。そんな人に軽々しく自分が選んだプレゼントはあげられない。
「あきの体が欲しいかな」
軽々しく冗談を言ってきたのでキッと睨んだ。「わかった真面目に考える。えー別に何にも欲しいものないしなー」
「言ってくれないと何買っていいかわかんないし、だって私が可愛いって思って買ったTシャツくそダサイって言われるし」
彼が思い出したように笑い出した。「あのバナナの奴か、寒くなってきてから着てるの見ないけど」
「あれ驚くことに赤ちゃん用、子供用もあったし男性向けも売ってたから!ダサいって言うけれど、人気が出ると踏んでる人がどこかにいるから!」
「じゃああのバナナのTシャツが欲しい」
「何でそれが欲しいの?クソださいんじゃないの?」
「一周回ってかっこいいただろ!」
「意味わかんないけど、わかった」
近くにいたトナカイの格好をした大学生グループが久しぶりの知り合いに会ったみたいで大騒ぎしていた。
「亜紀ちゃんってお正月は仕事休みでしょ?何してるの?」
あんまり答えたくない質問だ。でも聞かれたから仕方ない。
「お正月はホワイトアンドブラックのデビューしてから今年までのライブのDVDを見る日ってマイルールで毎年決まってるから」
「そうか、一緒に見てやりたいけど」
「本当に思ってる?」「35パーぐらいは思ってるよ」「思ったより高い」
そう言って二人で目を合わせて笑った。
「俺は一月の三連休にやっと休めるからそれまで頑張って働くよ。だから三連休は予定入れないでおいて」
大きく頷くとまた頬を触り軽くキスした。
「もう大丈夫だから行って、行かないと皆さん散々重ちゃんのこと好き勝手に噂してると思う。やっぱりそうだったんだって」
「そうだな」
彼はそう言って面倒くさそうに顔をしかめた。どうせ後でまた帰ってくるんだけれども、打ち上げに向かう彼の後ろ姿を見えなくなるまでずっと見ていた。