第26話 コスモ山浦
文字数 1,762文字
「そんなに行けって言われてるのに、お見合いパーティーは行かないの?結婚したくない主義なの?」
やばい、とうとう丸山さんにまで心配され始めた、恥ずかし過ぎる。
「私は丸山さんみたいに結婚したくない派ではなくて、結婚したい派です。子供も欲しいし。ちゃんと自分の家族が欲しいって常々思ってます」
「じゃあどうして結婚相手探そうと思わないの?」
「なんか面倒くさくなっちゃって。実は30歳で婚活したんです。弟も社会人になったし、どうしても子供欲しいから結婚しようと思って。でも上手くいかないんです、私条件厳しいんですよ」
「条件ってどんな条件?年収一千万円とか?」
丸山さんが高飛車なキャラ設定のタレントが相手に求める条件みたいなことを言った。
「聞きたいですか?興味ないと思いますけど、いいですか発表しますよ」
そう言うと丸山さんは穏やかに「聞きたいよ」と言ってくれた、本当にいい人。
「年収なんかどうでもいいんです。私だって働いてるから、まず第一に健康な人!」
丸山さんはそれを聞いて吹き出した。「健康な人ってそこら辺歩いてる人殆ど当てはまってるよ」
「まぁそうなんです。段々厳しくなりますよ。第二に優しい人」
「優しい人もそこら辺歩いてる人結構当てはまってるよ」丸山さんはまた笑った。
「でもここからが厳しいですよ、第三に家事ができる人」「家事か、そんなん俺もそうだけど、一人暮らしの奴は殆どできそうだけどな」
「そして第四」「まだあるの?」と丸山さんはまた笑った。「実家に同居してくれって言わない人」
「あー成る程、俺は自分の親と同居なんか鳥肌立つけど、田舎は多そうだな。はい、そして第五は?」
「第五もあるってよくわかりましたね、第五は36歳以上の人、私35なので年上がいいんです。年下だと弟とかぶっちゃって」
「成る程、俺は42歳だよ」と丸山さんがまた調子良く言ったので「年上は全然大丈夫です」と調子良く返した。
「でも流石に結婚してすぐ死んじゃったら嫌なんで五十歳より下がいいです。そして第六いきますよ、いいですか?これが厳しいですよ、男の人側から聞いたらうへぇってなる条件ですよ」
「はい、覚悟して聞く、はいどうぞ」「偏差値五十以上の大学出てて欲しいですね。これは経験から学びました」彼が難しい顔をして問いかけた。
「経験からとは?」
「結婚相談所で何人か紹介される訳ですよね、私地元の国立大学でてるんですけど可笑しいことに地元じゃ天才扱いなんですよ。
私は全然気にしないのに、この条件クリアしてない人は「俺はアキさんほど頭良くないしとか、頭いい大学出てると違うね」って嫌みったらしく言ってくるんです。
人が卑屈になってるの見るの嫌なんです。
うちの弟だってあんなに馬鹿だし、すぐ仕事ミスするし、給料も少ないけど自信持って明るく生きてるのに。
そう言うと、「お笑い芸人になりたいから大学行かなかったって人は?」
「だから学歴を求めてるんじゃなくて、私は自分の仕事を自信持って一生懸命やってる人が好きなんです。
私はたまたま勉強が好きだったから大学に行っただけで、職人さんとか自分の道を極めてて素敵じゃないですか」
丸山さんを見たら真剣な眼差しで私を見ていたので思わず目を逸らした。
そして私の悪いところがどんどん出てくる。緊張すると特にとにかく喋り過ぎるのだ。
「この間クーラーの修理に来てくれてた村の電気屋さん玄さんっていうんですけど、中卒でずっと電気製品の修理一筋なんです。
最新の家電も詳しくて何でも治しちゃうんですよ。どんな時も優しいし、頼れるし、他の人と違って卑猥な事も言ってこないし素敵だなって」
「じゃあ玄さんは駄目なの?」
「玄さんもうお孫さんいらっしゃるんですよ、学校にファンの子がもう一人いるんですけど、あと四十年早く出会えてたらって。
でも玄さん争奪戦が壮絶だったみたいで、あのバイタリティ溢れる村の人達相手じゃ絶対に私達勝てないよってよく笑いながら話してます。
って私に喋らせすぎでしょ?私のつまんない話なんかどうでもいいんです。丸山さんの話聞きたいです」
私は自分の短所を反省して、彼に話のバトンを渡すことにした。
やばい、とうとう丸山さんにまで心配され始めた、恥ずかし過ぎる。
「私は丸山さんみたいに結婚したくない派ではなくて、結婚したい派です。子供も欲しいし。ちゃんと自分の家族が欲しいって常々思ってます」
「じゃあどうして結婚相手探そうと思わないの?」
「なんか面倒くさくなっちゃって。実は30歳で婚活したんです。弟も社会人になったし、どうしても子供欲しいから結婚しようと思って。でも上手くいかないんです、私条件厳しいんですよ」
「条件ってどんな条件?年収一千万円とか?」
丸山さんが高飛車なキャラ設定のタレントが相手に求める条件みたいなことを言った。
「聞きたいですか?興味ないと思いますけど、いいですか発表しますよ」
そう言うと丸山さんは穏やかに「聞きたいよ」と言ってくれた、本当にいい人。
「年収なんかどうでもいいんです。私だって働いてるから、まず第一に健康な人!」
丸山さんはそれを聞いて吹き出した。「健康な人ってそこら辺歩いてる人殆ど当てはまってるよ」
「まぁそうなんです。段々厳しくなりますよ。第二に優しい人」
「優しい人もそこら辺歩いてる人結構当てはまってるよ」丸山さんはまた笑った。
「でもここからが厳しいですよ、第三に家事ができる人」「家事か、そんなん俺もそうだけど、一人暮らしの奴は殆どできそうだけどな」
「そして第四」「まだあるの?」と丸山さんはまた笑った。「実家に同居してくれって言わない人」
「あー成る程、俺は自分の親と同居なんか鳥肌立つけど、田舎は多そうだな。はい、そして第五は?」
「第五もあるってよくわかりましたね、第五は36歳以上の人、私35なので年上がいいんです。年下だと弟とかぶっちゃって」
「成る程、俺は42歳だよ」と丸山さんがまた調子良く言ったので「年上は全然大丈夫です」と調子良く返した。
「でも流石に結婚してすぐ死んじゃったら嫌なんで五十歳より下がいいです。そして第六いきますよ、いいですか?これが厳しいですよ、男の人側から聞いたらうへぇってなる条件ですよ」
「はい、覚悟して聞く、はいどうぞ」「偏差値五十以上の大学出てて欲しいですね。これは経験から学びました」彼が難しい顔をして問いかけた。
「経験からとは?」
「結婚相談所で何人か紹介される訳ですよね、私地元の国立大学でてるんですけど可笑しいことに地元じゃ天才扱いなんですよ。
私は全然気にしないのに、この条件クリアしてない人は「俺はアキさんほど頭良くないしとか、頭いい大学出てると違うね」って嫌みったらしく言ってくるんです。
人が卑屈になってるの見るの嫌なんです。
うちの弟だってあんなに馬鹿だし、すぐ仕事ミスするし、給料も少ないけど自信持って明るく生きてるのに。
そう言うと、「お笑い芸人になりたいから大学行かなかったって人は?」
「だから学歴を求めてるんじゃなくて、私は自分の仕事を自信持って一生懸命やってる人が好きなんです。
私はたまたま勉強が好きだったから大学に行っただけで、職人さんとか自分の道を極めてて素敵じゃないですか」
丸山さんを見たら真剣な眼差しで私を見ていたので思わず目を逸らした。
そして私の悪いところがどんどん出てくる。緊張すると特にとにかく喋り過ぎるのだ。
「この間クーラーの修理に来てくれてた村の電気屋さん玄さんっていうんですけど、中卒でずっと電気製品の修理一筋なんです。
最新の家電も詳しくて何でも治しちゃうんですよ。どんな時も優しいし、頼れるし、他の人と違って卑猥な事も言ってこないし素敵だなって」
「じゃあ玄さんは駄目なの?」
「玄さんもうお孫さんいらっしゃるんですよ、学校にファンの子がもう一人いるんですけど、あと四十年早く出会えてたらって。
でも玄さん争奪戦が壮絶だったみたいで、あのバイタリティ溢れる村の人達相手じゃ絶対に私達勝てないよってよく笑いながら話してます。
って私に喋らせすぎでしょ?私のつまんない話なんかどうでもいいんです。丸山さんの話聞きたいです」
私は自分の短所を反省して、彼に話のバトンを渡すことにした。