第220話 伊豆の踊子
文字数 810文字
さっき部屋を案内してくれた時と同じ人が貴族ドラマで使われそうなシルバーのワゴンでおやつを運んできてきた。小さいタルトやらケーキやらが銀色のお皿に載っている。紅茶かコーヒーかどちらにするか聞かれたので紅茶を注いでもらった。
五分ぐらいの滞在の後にホテルの人は帰ってしまった。
彼が得意気に私を見ている。
「ほら女の子が好きそうなデザートだぞ」
「もう子じゃない、でも美味しそう!これは女性の心鷲掴み」
そこまで言いかけると彼の携帯がまた鳴った。渋い顔した彼は何も言わず外に出て行った。
豪華な部屋に豪華なおやつと私が取り残されている。
「一人で食べろってこと?」
大声でそう叫ぶけど彼は帰っては来ない。
クッキーを一つ手に取ると思いっきり齧った。
「あっこれ美味しい」
学校に来客用に置いてある一缶1000円のクッキーも美味しいと思っていたが、こっちの方が上だった。
「こっちの一口タルトも食べちゃおう、うーん美味しい」
腹が立って行儀悪く取り皿を使わずにフォークでそのまま刺して食べていた。
でも「行儀悪いだろ」と注意する食べ方にうるさい坊っちゃん育ちの彼はいない。
オヤツを八割がた食べた後に「美味しいもの一人で食べても美味しくないんですけど!」と叫んだ。
けれど当然何の反応もない。不貞腐れてソファに横になった。十分後ドアが開いて彼が戻って来た。
不機嫌そうに寝転がっている私を見ると「一人にして悪かったって、ちょっとこっち来て」と呼ばれた。
カーテンを巡るとベランダに露天風呂があり太平洋が一望できた。「凄い!」感嘆の声を上げると「後で一緒に入ろう」と言われた。
冗談か本気なのかわからないけれど、激しく動揺している。
ふと冷静になった、さっきは結構凄い事をされていた。あそこから先はどうしたらいいのだろうと、どうやって考えてもわからない。
急に恐怖が襲いかかったきた。
頭の中で彼を踏み台にしたセクシー女優が裸でぐるぐる回っている。
どうしたらいいんだろう。
五分ぐらいの滞在の後にホテルの人は帰ってしまった。
彼が得意気に私を見ている。
「ほら女の子が好きそうなデザートだぞ」
「もう子じゃない、でも美味しそう!これは女性の心鷲掴み」
そこまで言いかけると彼の携帯がまた鳴った。渋い顔した彼は何も言わず外に出て行った。
豪華な部屋に豪華なおやつと私が取り残されている。
「一人で食べろってこと?」
大声でそう叫ぶけど彼は帰っては来ない。
クッキーを一つ手に取ると思いっきり齧った。
「あっこれ美味しい」
学校に来客用に置いてある一缶1000円のクッキーも美味しいと思っていたが、こっちの方が上だった。
「こっちの一口タルトも食べちゃおう、うーん美味しい」
腹が立って行儀悪く取り皿を使わずにフォークでそのまま刺して食べていた。
でも「行儀悪いだろ」と注意する食べ方にうるさい坊っちゃん育ちの彼はいない。
オヤツを八割がた食べた後に「美味しいもの一人で食べても美味しくないんですけど!」と叫んだ。
けれど当然何の反応もない。不貞腐れてソファに横になった。十分後ドアが開いて彼が戻って来た。
不機嫌そうに寝転がっている私を見ると「一人にして悪かったって、ちょっとこっち来て」と呼ばれた。
カーテンを巡るとベランダに露天風呂があり太平洋が一望できた。「凄い!」感嘆の声を上げると「後で一緒に入ろう」と言われた。
冗談か本気なのかわからないけれど、激しく動揺している。
ふと冷静になった、さっきは結構凄い事をされていた。あそこから先はどうしたらいいのだろうと、どうやって考えてもわからない。
急に恐怖が襲いかかったきた。
頭の中で彼を踏み台にしたセクシー女優が裸でぐるぐる回っている。
どうしたらいいんだろう。