第272話 追撃される
文字数 1,204文字
あーもう、仕方が無い。
どうにもならない子供を相手にするよう複雑な心境になった。
ティッシュを渡すと彼女は涙と鼻水を拭いた、
「サラちゃん、もう嘘つくのやめなよ。昔はとんでもない人だったけれど、今はちゃんと私と付き合ってくれてるし、お互いに信頼し合ってる、と思う。それに昔と違ってモテるからって今は女遊びできる時代じゃないよ」
彼女は机に伏して余計に泣き出してしまった。一体どうしたらいいんだろう、正直ちょっと面倒くさい。
しげちゃん早く帰ってこないかな。
五分ぐらいその場でテレビを眺めていると、サラちゃんはようやく泣き止み、顔を上げた。
「丸山さんは私とか他の女芸人にも怒らないし優しくて、紳士的で、かっこよくて、ずっと彼女いないからみんな狙ってたのに」
彼は実は女芸人さんたちを快く思っていない。
自分の冠番組持っている大御所の女芸人さんのことは実力があると尊敬しているが、若い女芸人さんたちは実力がないのにテレビでチヤホヤされてと愚痴をこぼしているのをよく聞く。
けれどサラちゃんからすると、そんなこと知ったことない。敵意を剥き出しにする。
「なのに、結局あんたみたいなしたたかな女子アナみたいな奴が持ってくんでしょ?!」
正直凄く嬉しかった。
「嬉しい、したたかな女子アナって褒め過ぎでしょ?」そう喜ぶと「何でそれで褒められてると思うの?!」
「したたかな女子アナっていい女の代名詞じゃん」
彼女は何も返さずにまた机に伏した。
しばらくしてまた顔を上げたと思ったら
「何であんたみたいな地味な女が丸山さんと付き合えるの?」
「地味専なんじゃないの?」と返すとまた泣き出した。
一分くらいすると再び反撃の言葉を思いついたようで得意気に顔を上げた。
「今35歳なんでしょ?なんであんたみたいなおばさんと?」
「熟女好きらしいよ、70代までいけるって今朝自慢気に言ってたから」
彼女はまた泣き出した。
あーもう面倒臭い。
しばらくするとまた顔を上げ
「でも私、丸山さんのこと絶対に諦めません!」と宣言した。
いくら年齢が私の半分とはいえ、こんなにもしつこいと苛ついてくるのもまた事実だった。
大きなため息をついたその数秒後、玄関のドアがガチャっと開く音がした、彼が帰って来たようだ。更に数秒後リビングのドアがおそるおそる開いた。
玄関に靴があったので、誰か来ているとは思ったらしいがサラちゃんだとは思わなかったようだ。
「サラちゃん!何で来たの?!どうやって家わかったの?」
彼は少し怯えている。
サラちゃんは泣きながら叫んだ。
「丸山さんはどうしてこのおばさんがいいんですか?年齢から見ると若くて綺麗に見えるけど、それだけじゃないですか」
すると彼は三秒間目を瞑ると静かにこう言った。
「サラちゃん、俺の彼女を悪く言うのは止めてくれ。おばさんじゃないよ……熟女って言って」
「まだ熟女じゃないって言ってるでしょ!」
私がそう言い返すと彼はいつものようにヒッヒッヒッと笑った。
どうにもならない子供を相手にするよう複雑な心境になった。
ティッシュを渡すと彼女は涙と鼻水を拭いた、
「サラちゃん、もう嘘つくのやめなよ。昔はとんでもない人だったけれど、今はちゃんと私と付き合ってくれてるし、お互いに信頼し合ってる、と思う。それに昔と違ってモテるからって今は女遊びできる時代じゃないよ」
彼女は机に伏して余計に泣き出してしまった。一体どうしたらいいんだろう、正直ちょっと面倒くさい。
しげちゃん早く帰ってこないかな。
五分ぐらいその場でテレビを眺めていると、サラちゃんはようやく泣き止み、顔を上げた。
「丸山さんは私とか他の女芸人にも怒らないし優しくて、紳士的で、かっこよくて、ずっと彼女いないからみんな狙ってたのに」
彼は実は女芸人さんたちを快く思っていない。
自分の冠番組持っている大御所の女芸人さんのことは実力があると尊敬しているが、若い女芸人さんたちは実力がないのにテレビでチヤホヤされてと愚痴をこぼしているのをよく聞く。
けれどサラちゃんからすると、そんなこと知ったことない。敵意を剥き出しにする。
「なのに、結局あんたみたいなしたたかな女子アナみたいな奴が持ってくんでしょ?!」
正直凄く嬉しかった。
「嬉しい、したたかな女子アナって褒め過ぎでしょ?」そう喜ぶと「何でそれで褒められてると思うの?!」
「したたかな女子アナっていい女の代名詞じゃん」
彼女は何も返さずにまた机に伏した。
しばらくしてまた顔を上げたと思ったら
「何であんたみたいな地味な女が丸山さんと付き合えるの?」
「地味専なんじゃないの?」と返すとまた泣き出した。
一分くらいすると再び反撃の言葉を思いついたようで得意気に顔を上げた。
「今35歳なんでしょ?なんであんたみたいなおばさんと?」
「熟女好きらしいよ、70代までいけるって今朝自慢気に言ってたから」
彼女はまた泣き出した。
あーもう面倒臭い。
しばらくするとまた顔を上げ
「でも私、丸山さんのこと絶対に諦めません!」と宣言した。
いくら年齢が私の半分とはいえ、こんなにもしつこいと苛ついてくるのもまた事実だった。
大きなため息をついたその数秒後、玄関のドアがガチャっと開く音がした、彼が帰って来たようだ。更に数秒後リビングのドアがおそるおそる開いた。
玄関に靴があったので、誰か来ているとは思ったらしいがサラちゃんだとは思わなかったようだ。
「サラちゃん!何で来たの?!どうやって家わかったの?」
彼は少し怯えている。
サラちゃんは泣きながら叫んだ。
「丸山さんはどうしてこのおばさんがいいんですか?年齢から見ると若くて綺麗に見えるけど、それだけじゃないですか」
すると彼は三秒間目を瞑ると静かにこう言った。
「サラちゃん、俺の彼女を悪く言うのは止めてくれ。おばさんじゃないよ……熟女って言って」
「まだ熟女じゃないって言ってるでしょ!」
私がそう言い返すと彼はいつものようにヒッヒッヒッと笑った。