第310話 同窓会
文字数 1,602文字
ご飯は食べてきたと言うのでお風呂を沸かし、彼をお風呂に入れた。
一人で部屋にいるとバラエティ番組の騒がしい音声が頭を通り抜けていく。
この後、彼とちゃんと話し合おう。でもどうやって切り出したらいいのだろうか
それにこの部屋にも彼の部屋にもお互いの物があり過ぎる。それはどうしたらいいのだろうか。
そんな事を考えているとテレビに彼が出ているのに気がついた。
愛妻家の芸人さん達に独身代表として何やら文句を言っている。
「結婚したら別れる時どうするの?何で稼いだ金の半分渡さなくちゃいけないの?てゆうかそんな永遠に同じ人を好きでいられる?」
非難轟々浴びているが彼はまだ続ける。
「だって俺子供も嫌いだし、結婚する意味がわからない。これで結婚してちょっと浮気でもしようもんなら、即謹慎謝罪会見だぞ?そんなリスク負ってまで結婚する必要ある?」
また他の芸人さんから非難を浴びているが、彼は臆することなくこう言った。
「おまけに結婚しないって言いまくってるだけでテレビ沢山呼ばれる、こんないいことないよな」
わざわざ聞かなくても本音をこうやって教えてくれる。テレビって便利だなと呆れながら思った。
確かに私が彼の立場だったら結婚なんてしたくないだろう、テレビの中の彼が言う通り結婚したところで彼に得な事は何一つなく損しかない。
次の瞬間、テレビの画面が急に天気予報に変わった。
後ろを見ると風呂上がりの重ちゃんが慌てた様子でテレビのリモコンを操作していた。
「地方はこの時間帯にやってんのか」とブツブツ呟いている。
今は午後十時半、もう終電はないし泊まっていって貰うしかない。明日の朝に別れ話を切り出そう。
今日が最後の夜だ、そう心を決めた。
冷蔵庫からお茶を出し彼に渡すと笑顔を作った。
私のスマホの着信音が鳴った。こんな時に塚田くんからメッセージが入っていた。
「明日夕方6時に高崎駅前のファミレスで待ってる。しっかり考えてきて返事を下さい」と書いてあった。背後から訝し気なしげちゃんが言った。
「何でLINE入ってんの?俺がいれてって言ったら面倒だって言ってたのに」
「同窓会に行った時にみんなでグループ作ろうって言われたの。
インストールしてあげるまで言われたら断れないじゃん」
そういうと彼も「まぁな」と言って笑った。
「誰からなの?」と聞かれたので「塚田君から、明日会うから。預かった資料返さなくちゃいけないし、校長先生と教頭先生からお礼のお菓子も預かってるからそれも渡す」
彼が怪訝な顔をする。
「どこで会うの?」
「高崎駅前のファミレス、夕方6時に約束した」
彼はそれ以上何も言わなかった。
二人でベッドに寝転びながらLINEを使ってどうでもいいスタンプを送り合って遊んだ。
ふと彼の綺麗な横顔を見ていると最後ぐらい彼に可愛く甘えようと思った。
寝転んでいる彼に抱きつくと「何?どうしたの?」と彼が嬉しそうに髪を撫でてきたのでキスすると彼は喜んでいた。
「何?どうしたの?今日なんか変だけど?」
「そういう気分なんだ」といい彼の服を脱がしにかかった。
彼が満足することを全てやり終えた後、寝息が聞こえてきた、多忙な彼は疲れてもう寝たらしい。彼の髪を撫でた。
「寂しくなるね」
そう呟いて彼の腕の中に顔を埋めた。
連日の寝不足がたたって私もウトウトとして夢の中へと入っていく。
次に気がついたのは朝の九時だった。朝の何重もの携帯アラームは彼の手によって全て綺麗に解除されている。
朝八時の新幹線に乗ると言っていた彼はもう居ない。
お茶を飲もうと台所に行くと私が好きなチーズケーキが1箱置いてあった。これ東京駅で売ってるやつで並ばないと買えないのに。
冷蔵庫に貼ってあったホワイトボードに「愛を込めて、シゲちゃんより」と凄く綺麗な字で書いてある。
涙がポロポロと流れて止まることを知らない。
でも今日こそ彼に電話をかけようと思う。
塚田君に会った後、そのままの勢いで電話をかけよう、絶対に。
一人で部屋にいるとバラエティ番組の騒がしい音声が頭を通り抜けていく。
この後、彼とちゃんと話し合おう。でもどうやって切り出したらいいのだろうか
それにこの部屋にも彼の部屋にもお互いの物があり過ぎる。それはどうしたらいいのだろうか。
そんな事を考えているとテレビに彼が出ているのに気がついた。
愛妻家の芸人さん達に独身代表として何やら文句を言っている。
「結婚したら別れる時どうするの?何で稼いだ金の半分渡さなくちゃいけないの?てゆうかそんな永遠に同じ人を好きでいられる?」
非難轟々浴びているが彼はまだ続ける。
「だって俺子供も嫌いだし、結婚する意味がわからない。これで結婚してちょっと浮気でもしようもんなら、即謹慎謝罪会見だぞ?そんなリスク負ってまで結婚する必要ある?」
また他の芸人さんから非難を浴びているが、彼は臆することなくこう言った。
「おまけに結婚しないって言いまくってるだけでテレビ沢山呼ばれる、こんないいことないよな」
わざわざ聞かなくても本音をこうやって教えてくれる。テレビって便利だなと呆れながら思った。
確かに私が彼の立場だったら結婚なんてしたくないだろう、テレビの中の彼が言う通り結婚したところで彼に得な事は何一つなく損しかない。
次の瞬間、テレビの画面が急に天気予報に変わった。
後ろを見ると風呂上がりの重ちゃんが慌てた様子でテレビのリモコンを操作していた。
「地方はこの時間帯にやってんのか」とブツブツ呟いている。
今は午後十時半、もう終電はないし泊まっていって貰うしかない。明日の朝に別れ話を切り出そう。
今日が最後の夜だ、そう心を決めた。
冷蔵庫からお茶を出し彼に渡すと笑顔を作った。
私のスマホの着信音が鳴った。こんな時に塚田くんからメッセージが入っていた。
「明日夕方6時に高崎駅前のファミレスで待ってる。しっかり考えてきて返事を下さい」と書いてあった。背後から訝し気なしげちゃんが言った。
「何でLINE入ってんの?俺がいれてって言ったら面倒だって言ってたのに」
「同窓会に行った時にみんなでグループ作ろうって言われたの。
インストールしてあげるまで言われたら断れないじゃん」
そういうと彼も「まぁな」と言って笑った。
「誰からなの?」と聞かれたので「塚田君から、明日会うから。預かった資料返さなくちゃいけないし、校長先生と教頭先生からお礼のお菓子も預かってるからそれも渡す」
彼が怪訝な顔をする。
「どこで会うの?」
「高崎駅前のファミレス、夕方6時に約束した」
彼はそれ以上何も言わなかった。
二人でベッドに寝転びながらLINEを使ってどうでもいいスタンプを送り合って遊んだ。
ふと彼の綺麗な横顔を見ていると最後ぐらい彼に可愛く甘えようと思った。
寝転んでいる彼に抱きつくと「何?どうしたの?」と彼が嬉しそうに髪を撫でてきたのでキスすると彼は喜んでいた。
「何?どうしたの?今日なんか変だけど?」
「そういう気分なんだ」といい彼の服を脱がしにかかった。
彼が満足することを全てやり終えた後、寝息が聞こえてきた、多忙な彼は疲れてもう寝たらしい。彼の髪を撫でた。
「寂しくなるね」
そう呟いて彼の腕の中に顔を埋めた。
連日の寝不足がたたって私もウトウトとして夢の中へと入っていく。
次に気がついたのは朝の九時だった。朝の何重もの携帯アラームは彼の手によって全て綺麗に解除されている。
朝八時の新幹線に乗ると言っていた彼はもう居ない。
お茶を飲もうと台所に行くと私が好きなチーズケーキが1箱置いてあった。これ東京駅で売ってるやつで並ばないと買えないのに。
冷蔵庫に貼ってあったホワイトボードに「愛を込めて、シゲちゃんより」と凄く綺麗な字で書いてある。
涙がポロポロと流れて止まることを知らない。
でも今日こそ彼に電話をかけようと思う。
塚田君に会った後、そのままの勢いで電話をかけよう、絶対に。