第209話 再会は突然に
文字数 994文字
お互いに「あっ」と言うと会釈をして通り過ぎようとした。
「山浦先生、雪まつりの資料持ってきたんだけど」
「多分担当が変わると思いますので、校長先生にお渡し下さい」
「山浦先生、本当に色々申し訳ありません」と頭を下げたので「大丈夫ですよ」と一言だけ言って通り過ぎようとした。
「亜紀ちゃん、大晦日のテレビで丸山さんが出てるのみたけど、何であんなに大切にしてくれない人と付き合ってるの?」
だから名前で呼ぶなっつうの!そう苛ついたのと同時に他人から見てそう見えるんだとショックだった。
「嫁小姑戦争で、奥さんの味方しない人に言われたくありません」
そう吐き捨てると早足で職員室に入った。
夕方家に帰ると雑誌の整理整頓をした。彼が巻頭グラビアをやったときの雑誌が出てきたので何気なくめくった。
一問一答方式でアイドルのように色んな質問に答えている。当時はそういう扱いだったのだろう。
「好きな食べ物、全世界中の女性」
思わず「キモっ」と呟いて一人で爆笑した。
「好きな女性の仕草、裸で俺の服を脱がせてくれる」
「これは黒歴史確定の気持ち悪さ」
「趣味、セックス」
「キモっいな、マジキもだわ」
そう笑って見ているとその中の一文に目が奪われた。
「セックスは今までの経験のぶつかり合い、経験豊富であればあるほど方がいい」
「苦手なタイプは全く経験のない女、経験豊富になってから俺が抱いてやる」
「キッモいな……」
そう呟きながらも彼は私のことどう思っているのか気になった。決して経験豊富だとは思っていないだろうが、この年で経験がまったくないとも思ってもいないだろう。
だから、来週は何とか誤魔化さなければならない。経験があるふりをしなければならない。
覚悟を決めて押入れから小さい段ボールを取り出した。中には沢山のDVDや本雑誌が入っている、その中から一つ取り出した。
題名をみると変態幼稚園と書いてあって、かなり際どいミニスカートを履いた保母さん風の女の人が和かに微笑んでいる。
そうこれは智が結婚する際に家に預かってと持ってきてアダルトな物達だ。
デッキにDVDを入れると本編が始まった。
中年のおじさんがおむつを履いていて、床に寝転がっている。先生役の女の人が出てきて、おじさんが「バブーバババー先生おむつ変えて下さい」と言った。
すぐに四角の停止ボタンを押した。
無理、無理、絶対無理。
大きなため息が一つ出た。私は一体どうしたらいいんだろう。
「山浦先生、雪まつりの資料持ってきたんだけど」
「多分担当が変わると思いますので、校長先生にお渡し下さい」
「山浦先生、本当に色々申し訳ありません」と頭を下げたので「大丈夫ですよ」と一言だけ言って通り過ぎようとした。
「亜紀ちゃん、大晦日のテレビで丸山さんが出てるのみたけど、何であんなに大切にしてくれない人と付き合ってるの?」
だから名前で呼ぶなっつうの!そう苛ついたのと同時に他人から見てそう見えるんだとショックだった。
「嫁小姑戦争で、奥さんの味方しない人に言われたくありません」
そう吐き捨てると早足で職員室に入った。
夕方家に帰ると雑誌の整理整頓をした。彼が巻頭グラビアをやったときの雑誌が出てきたので何気なくめくった。
一問一答方式でアイドルのように色んな質問に答えている。当時はそういう扱いだったのだろう。
「好きな食べ物、全世界中の女性」
思わず「キモっ」と呟いて一人で爆笑した。
「好きな女性の仕草、裸で俺の服を脱がせてくれる」
「これは黒歴史確定の気持ち悪さ」
「趣味、セックス」
「キモっいな、マジキもだわ」
そう笑って見ているとその中の一文に目が奪われた。
「セックスは今までの経験のぶつかり合い、経験豊富であればあるほど方がいい」
「苦手なタイプは全く経験のない女、経験豊富になってから俺が抱いてやる」
「キッモいな……」
そう呟きながらも彼は私のことどう思っているのか気になった。決して経験豊富だとは思っていないだろうが、この年で経験がまったくないとも思ってもいないだろう。
だから、来週は何とか誤魔化さなければならない。経験があるふりをしなければならない。
覚悟を決めて押入れから小さい段ボールを取り出した。中には沢山のDVDや本雑誌が入っている、その中から一つ取り出した。
題名をみると変態幼稚園と書いてあって、かなり際どいミニスカートを履いた保母さん風の女の人が和かに微笑んでいる。
そうこれは智が結婚する際に家に預かってと持ってきてアダルトな物達だ。
デッキにDVDを入れると本編が始まった。
中年のおじさんがおむつを履いていて、床に寝転がっている。先生役の女の人が出てきて、おじさんが「バブーバババー先生おむつ変えて下さい」と言った。
すぐに四角の停止ボタンを押した。
無理、無理、絶対無理。
大きなため息が一つ出た。私は一体どうしたらいいんだろう。