第227話 伊豆の踊子
文字数 1,422文字
その瞬間九時を告げるカラクリ時計の軽快な音が鳴った。
彼が時計を指差した。「今九時だから、一時間イチャついて十時からしようか」と淡々と言った。
「やめてよ、時間区切ったらあと三十分でしなきゃいけないとか思っちゃうじゃん」
「俺は時間できっちり予定を決めるのが好きなんだよね。もう決めたから!」
「決めててもいいけど私に言う必要ないでしょ?」
「というか、いつの間に風呂入って来たの?」「三階にあったよ、入ってくれば?」
「俺は今時間を決めたんだよ、その通り動かないと嫌なんだよ!」
「神経質すぎでしょ?」
彼を指差して笑うと
「脱いだ服をあんなにきっちり畳む人に言われたくないから」と浴衣が入ってた手提げ袋に入れた洋服を指さされた。
「いいでしょ?綺麗に畳まないと気が済まないから!」
「その手提げちょっと見せて」「何で?」
私が怪訝に彼を見ると
「ちょっとだけでいいから、お願い」「理由を聞かせてくれたら考えてもいいよ」と笑顔で言った。
「ちょっとだけその畳んだワンピースの匂いかがせて」「このど変態が!」
「わかった、じゃあ諦める。そのかわり携帯貸して」
彼に手渡すと彼は携帯の電源を切った。机に置いてあった自分の携帯の電源も切って私の携帯の横に並べた。
「よしっ、これで何の邪魔も入らない。俺さっきシャワー浴びて綺麗に石鹸で手洗ったからな」
「わかってるって」
「じゃあ今から亜紀のこと口説いてやる」
彼は私が浴衣の上に着ていた茶羽織を「これいらない」と取ってソファにかけた。
彼は私を抱きしめ、こう言った。
「俺が浴衣好きなこと知ってて着替えて来てくれたの?」
「そんな事知らなかった」と笑うと「この浴衣可愛いね」と言った。
「お風呂の受付の人に五種類から選べますよって言われて、年甲斐もなくこの蝶にした。外に着ていく訳じゃないからいいかなって思って」彼は私を見つめて「似合うよ」と言った。
「本当調子いいことばっかり言って」と言い返すと「俺嘘はつかないから」と言って頬に手をあててキスをした。
いつもならもっとしているのに彼はキスを途中で止めた。
「この髪型可愛いいね、初めて出会った時みたい」
「あの時もそうだけど、お団子にして結んでるだけだよ」そう笑った。
「初めて会った日、俺とこんなに愛し合うって思ってた?」
「思ってるわけないじゃん、自分とは違う世界に住んでる人だって思ってたし」
「俺は違うな、この子とずっと一緒にいることになるって直ぐにわかったんだよね。俺の直感は凄く当たるんだ。外した事ないからな」
そう真剣に語る彼を愛しく見ていた。
「亜紀はいつから俺のこと好きだと思ってくれたの?」
急に自分に話を振られて一瞬困った。
「いつって聞かれると困るとけど……一緒に山登ってた時には好きだって思ってたのかもしれない。ちょっと変だけど、優しいし、面白いし、背も高くてかっこいいなって思ってたから」
「……予想以上に早くて驚いた。じゃあもっと早く俺のこと受け入れろ」
そう笑うと彼はまた私にキスした。
キスをしながら浴衣の帯をとられたなと思ったけれど、身を任せていた、
もうどうにでもなれと全てを受け入れた。
ベッドの上に連れて行かれた。着ている物を全部脱がされた後に甘いキスをして彼がこう囁いてきた。
「亜紀、世界で一番綺麗だね」
その瞬間雪乃さんのことが思い出されて「はい?」と怒りMAXで聞き返すと彼は露骨に焦り出し「神よ、そろそろ俺のこと許してくれ」と叫んだ。
「あーもう嫌だ」と引きつった顔で笑った。
彼が時計を指差した。「今九時だから、一時間イチャついて十時からしようか」と淡々と言った。
「やめてよ、時間区切ったらあと三十分でしなきゃいけないとか思っちゃうじゃん」
「俺は時間できっちり予定を決めるのが好きなんだよね。もう決めたから!」
「決めててもいいけど私に言う必要ないでしょ?」
「というか、いつの間に風呂入って来たの?」「三階にあったよ、入ってくれば?」
「俺は今時間を決めたんだよ、その通り動かないと嫌なんだよ!」
「神経質すぎでしょ?」
彼を指差して笑うと
「脱いだ服をあんなにきっちり畳む人に言われたくないから」と浴衣が入ってた手提げ袋に入れた洋服を指さされた。
「いいでしょ?綺麗に畳まないと気が済まないから!」
「その手提げちょっと見せて」「何で?」
私が怪訝に彼を見ると
「ちょっとだけでいいから、お願い」「理由を聞かせてくれたら考えてもいいよ」と笑顔で言った。
「ちょっとだけその畳んだワンピースの匂いかがせて」「このど変態が!」
「わかった、じゃあ諦める。そのかわり携帯貸して」
彼に手渡すと彼は携帯の電源を切った。机に置いてあった自分の携帯の電源も切って私の携帯の横に並べた。
「よしっ、これで何の邪魔も入らない。俺さっきシャワー浴びて綺麗に石鹸で手洗ったからな」
「わかってるって」
「じゃあ今から亜紀のこと口説いてやる」
彼は私が浴衣の上に着ていた茶羽織を「これいらない」と取ってソファにかけた。
彼は私を抱きしめ、こう言った。
「俺が浴衣好きなこと知ってて着替えて来てくれたの?」
「そんな事知らなかった」と笑うと「この浴衣可愛いね」と言った。
「お風呂の受付の人に五種類から選べますよって言われて、年甲斐もなくこの蝶にした。外に着ていく訳じゃないからいいかなって思って」彼は私を見つめて「似合うよ」と言った。
「本当調子いいことばっかり言って」と言い返すと「俺嘘はつかないから」と言って頬に手をあててキスをした。
いつもならもっとしているのに彼はキスを途中で止めた。
「この髪型可愛いいね、初めて出会った時みたい」
「あの時もそうだけど、お団子にして結んでるだけだよ」そう笑った。
「初めて会った日、俺とこんなに愛し合うって思ってた?」
「思ってるわけないじゃん、自分とは違う世界に住んでる人だって思ってたし」
「俺は違うな、この子とずっと一緒にいることになるって直ぐにわかったんだよね。俺の直感は凄く当たるんだ。外した事ないからな」
そう真剣に語る彼を愛しく見ていた。
「亜紀はいつから俺のこと好きだと思ってくれたの?」
急に自分に話を振られて一瞬困った。
「いつって聞かれると困るとけど……一緒に山登ってた時には好きだって思ってたのかもしれない。ちょっと変だけど、優しいし、面白いし、背も高くてかっこいいなって思ってたから」
「……予想以上に早くて驚いた。じゃあもっと早く俺のこと受け入れろ」
そう笑うと彼はまた私にキスした。
キスをしながら浴衣の帯をとられたなと思ったけれど、身を任せていた、
もうどうにでもなれと全てを受け入れた。
ベッドの上に連れて行かれた。着ている物を全部脱がされた後に甘いキスをして彼がこう囁いてきた。
「亜紀、世界で一番綺麗だね」
その瞬間雪乃さんのことが思い出されて「はい?」と怒りMAXで聞き返すと彼は露骨に焦り出し「神よ、そろそろ俺のこと許してくれ」と叫んだ。
「あーもう嫌だ」と引きつった顔で笑った。