第153話 さて、だが、しかし

文字数 473文字

 ヒトには、運命なんていう言葉では足らない、器というか技量というものが、生まれ持ってあるように思う。
 これは、なかなか持て余すことができる。そして、自分の意思で決めたつもりになってみても、実は自分以外の何かによって動かされたものであることが、多々あるように思える。

 それを決めるのは、己の吸引力、まわりとの接点、偶然必然あれこれ言えるけれど、結局のところは、「他力」であるようだ。冷静に見れば。

 自己というのも、実はけっこうクセモノで。
 自分がいちばん他者であるのではないか、とさえ感じることがある。

 一人で生きているわけだはないし、そのみぢかにいる人の気持ちを自分に取り入れて、染まったりする。
 そこから何かが始まって、まるで自分自身がそこで発展していくように見えても、ただ染まってるだけだったりする。

 それが自分の流れであるなら、それでヨシ。
 でもその流れは、自分でつくりあげたものではない。
 自己は、その流れに浮かぶ舟だか流木みたいなもので、流れ自体は、違うもの。
 私はそれに乗っかるなりしがみつくなりして、流れていく。

 そんな感じですか。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み