第188話 下田逸郎さしむかいライブ

文字数 630文字

 4月1日(土)、岩手は花巻の旅館で行われる。
 大座敷でライブをやった後(もちろんノーマイク)、各部屋に来て、生演奏をしてくれるというのだ。だから定員は28名。
 これは、行くしかない。猫は家人に任せて、はじめての岩手、一泊。
 予約が取れたらの話だが。

 下田さんは、形而上学的な意味で、僕の師のような存在である。
「吟遊詩人」なんていわれているのかいないのか分からないけれど、何と呼ばれようが、イイものはイイのだ。
 ここから岩手まで新幹線で2万弱もかかってしまうが、小学6年あたりからのファンなのだ。もう30年近くファンであり続けている。2万くらいなんだ、と思おう。

 先日、たまたま「なつかしのフォーク」みたいなよくあるテレビ番組をなんとなく見てたら、りりィが出ていた。はじめてりりィを見たが、よかった。「ベッドの上でわたしは泣き続ける…」みたいな歌を歌っていた。彼女が尊敬するミュージシャンが下田逸郎である。松山千春も、下田さんの「踊り子」を歌ったりするらしい。石川セリの歌う下田さんの歌も、素晴らしい。

 僕のたどる人生。9歳あたりから、僕自身は何も変わっていない。
 この流れの波線は、下田さんの流れと、どうしようもなくフィットしてしまう。
 きのう、39歳になった僕は、まだとんでもないヒヨッコである。
 ただ、そろそろ何かが始まるような気がする。
 始めないと、枯渇して仕方ない内面が、外へ外へ出たがっている。
 きっと、たいしたことではない。
 ただの、自然な流れ。
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