第609話 きのうの日

文字数 957文字

 昼下がりに目が覚めて、先週の土曜日につくった豚汁を冷や飯にぶっかけて食べたのだろうか。
 それから風呂を暖めて、本を片手に湯船に浸かったような…

 猫と遊んで、焼酎を一杯、グラスに氷をいっぱい入れて飲んだような気がする。(ビールを切らしていた。)
 銀行に行かねば。
 3時に、異国のひとから電話をもらうことになっていた。
 ── まぁいいや、銀行は4時までやってるだろう。
 久し振りに異国のひとと電話で話し、せわしなく切って、自転車で駅前へ。
 ── 業務は、3時で終了しています。
 窓口のおじさんに言われ、ああ、銀行って3時までなんだ、と知る。

 仕方なくパチンコ屋へ入る。6千円ほどつぎ込んだら、大当たりになった。
 ── うわッ。
 早く帰って夕食の支度をしたかったのに、その後も何回か当たりが続いてしまった。換金したら、3万円になった。

 帰途を急ぐ。マンションの入り口で自転車止めたら、家人が道路の向こうから歩いてくるのが見えた。
「何あわててるの?」
「いやー、久し振りにパチンコ行ったら、2万ちょい買ってしまった。久々に、外食でもしようか。」

 また自転車に乗って、焼き鳥屋「がんこ鳥」へ。
 名古屋の、手羽先で有名な居酒屋もそうだったが、従業員どうしがギクシャク働いている店は、あまり雰囲気がよくない。
 これは接客業全般にいえると思う。
 ある人は、「きのう床屋に行ったんだけど、店の主人と奥さん、夫婦喧嘩してたみたいで、こっちもイヤな気分になった」と言っていた。

「がんこ鳥」も、なんとなくシレーッとしていた。この世が、明日にでも終わるような、いや、明日終わっても、べつにどうでもいいですよ、という雰囲気だった。
 生ビールを4、5杯飲んで、彼女はアロエヨーグルトサワーを1杯飲んだ。
「生つくね」のわさびマヨネーズが美味しかった。

 帰途、自転車とはいえ飲酒運転、サツに見つかったらヤバイまま、無事に帰宅。
 猫と遊び、パソコンに向かっていたら、睡魔に襲われる。睡魔は、「スイマせん」と言いながら来た。
 たたんだ敷布団を広げたところで力尽きた。ジーパンにトレーナー、靴下も履いたまま、睡魔に服従する。毛布と掛け布団が遠い。

 居間でテレビを見ていた家人が、ぼくに毛布と掛け布団をかけてくれた。
 猫は、パソコンの椅子の上で眠っていた。
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