第824話 人間的な生活

文字数 307文字

 ほぼ10年前、この会社に期間従業員で初めて雇われ、職場の休憩所でたまに話をする人がいた。
かれは、「もっと人間らしい生活、したいもんね」と言っていた。

 ぼくは、会社の寮は1人部屋だったし、冷暖房完備だしテレビもあってシーツも無料で取り替えられて、電気代もNHKの受信料も取られず、寮費も払うこともなく…いい生活環境だと思っていた。

 かれは「仕事の環境面」で、もっと「人間らしい生活」をしたかったのだろうか?
 しかし、「人間らしい」というのが、どういうのが「人間らしい」のか、ぼくには今も分からない。

 自分らしく生活したい、ということだったのだろうか。
「自分」が、「人間」に置き換えられた、言葉だったような気もする。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み