第482話 無視されるということ

文字数 606文字

 ぼくにも経験があるけれど、それまで仲良かった人から、理由もいわれず避けらたり、無視されるというのは、悲しいし、いやな思いのするものだ。
 前の職場で同じだったHちゃんが、現在、そのいやな思いをしているという。
 しかも同期入社(彼は10年目近い正社員である)の数人からだというから、これはかなりキツイだろうと想像する。
 それまでの10年近い間、毎週末には、その数名と一緒にメシを食べたり遊んでいたらしい。それが、あるときからプツリと交流が途絶えたというのだ。

 いや、かめちゃん、一番腹が立つのはさぁ、ウソつかれることなんだ。今日は用事があるから、って言われて、ああそうか、じゃまたな、って電話切ってさ、でもそいつ、みんなで会ってるんだぜ。
 なんでそういうことするんだ、って訊いても、「すいません」って言うだけなんだ。謝ってほしくなんかない、理由を訊いてるんだ、って言っても、謝ってばかりでさぁ。

 Hちゃん、ほんと、人って、長くつきあってみないと、わからないよ。
 そうだな、ほんとに。あんなヤツだとは思わなかったよ。

 理由を、言ってくれればいいのに、と、ぼくも避けられ、無視をされていた時、思ったものだが。だが、本人に理由も何も告げないことが、避けることであり、無視ということなのだ。

 かめちゃん、明日、遊びに行こうぜ。いろいろ、話したいことあるしさ。
 Hちゃんから電話をもらった。
 彼の車で、明日はドライブである。
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